創造的な場を支える仕組みを研究する
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
次の動画も登録不要で無料視聴できます!
Wikipediaが他サイトと違って成功した理由
第2話へ進む
「共創プラットフォーム」とは何か?
創造的な場を支える仕組みを研究する(1)ウェブの可視化
江渡浩一郎(産業技術総合研究所 主任研究員/デジタルハリウッド大学大学院 特任教授)
まだウェブが世に知られてなかった時代に、いち早くウェブに注目し、メディアアートとして世に知らしめたのが、国立研究開発法人産業技術総合研究所知能システム研究部門主任研究員の江渡浩一郎氏である。江渡氏の作品を観ながら、日本におけるウェブ、インターネットの普及の歴史を振り返ろう。(全10話中第1話)
時間:12分56秒
収録日:2018年4月19日
追加日:2018年10月28日
≪全文≫

●ウェブが未知の時代に、メディアアートで可視化した


 産業技術総合研究所主任研究員の江渡浩一郎です。本日は「創造的な場を支える仕組みを研究する」と題しまして、これまでの研究成果や活動についてお話しします。

 はじめに略歴ですが、もともと大学時代からメディアアーティストとして活動を開始し、作品を作ってきました。その後、産業技術総合研究所に移り、創造的な場を支える仕組みを研究しています。

 まず、メディアアートについて簡単に、これまでの活動を紹介しながらお伝えします。

 メディアアートとは、「先端的な技術を用いた芸術表現」と説明することができます。今、映像でお見せしているのが「WebHopper」という作品です。これは世界地図の上でウェブブラウジングの軌跡を可視化したものです。例えば、誰かがアメリカのウェブサイトを見ていたとします。そこからリンクをたどってヨーロッパに行ったとすると、仮想的にですが、アメリカにいた人がぴょんとジャンプしてヨーロッパに行ったとも言えます。そのように仮想的なさまざまな軌跡を、トラフィックを解析することでリアルタイムに情報として変換し、世界地図上にマッピングして表示するわけです。そのような作品を1996年に作りました。

 そうしたところ、それが1997年にアルスエレクトロニカ賞を受賞し、その関係でアルスエレクトロニカセンターで、常設展示物として展示されることになりました。

 このように、「ウェブブラウジングの軌跡を表示する」とお話しすると、「これに似たものを見たがことあるけど、これのどこが芸術作品なんだろうか」といった反応が返ってくることがあるのですが、これは1996年という時代に意味があるのです。簡単にいうと、世界地図上で可視化したのは私のこの作品が初めてで、それ以前にはそのように可視化するといった事例はなかったのです。私がこの時に考えて世界地図上で可視化したのですが、さまざまな場所にウェブサーバーが散らばっていて、自分の手元のパソコンからアクセスすることができるので、地球の裏側にも本当に自分のパソコンがつながっていることを視覚化させて見せることができる、ということです。こうした点でこの作品が評価されたと思っています。


●インターネット物理モデルの制作


 その次ですが、2001年に「インターネット物...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
バブル世代の現実とこれからの生き方
バブル世代は「バブル崩壊世代」、苦労の先に見えるものがある
江上剛
オリエント 東西の戦略史と現代経営論に学ぶ(1)ビジネスのヒントは歴史にあり
『失敗の本質』、中国古典…ビジネスのヒントを歴史に学ぶ
三谷宏治
野獣の経営、家畜の経営(1)経営センスが育つ土壌
ファーストリテイリングで経営者が育つ理由
楠木建
キャリア転換で人生を成功させる方法(1)2つの大きな潮流
なぜ40歳でキャリアについて一度考え直す必要があるのか
為末大
メンタルヘルスの現在地とこれから(1)「心を病む」とはどういうことか
なぜ「心の病」が増えている?メンタルヘルスの実態に迫る
斎藤環
ハラスメント防止に向けた風土づくり(1)ハラスメントの概要
増え続けるハラスメント…その背景としての職場の特徴
青島未佳

人気の講義ランキングTOP10
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎
内側から見たアメリカと日本(7)ジャパン・アズ・ナンバーワンの弊害
ジャパン・アズ・ナンバーワンで満足!?学ばない日本の弊害
島田晴雄
プロジェクトマネジメントの基本(1)国際標準とプロジェクトの定義
プロジェクトマネジメントとは?国際標準から考える特性
大塚有希子
歴史の探り方、活かし方(7)史料の真贋を見極めるために
質疑編…司馬遼太郎の「史料読解」をどう評価する?
中村彰彦
熟睡できる環境・習慣とは(2)酒、コーヒー、ブルーライトは悪者か
ブルーライトは悪者か?近年分かった「第3の眼」との関係
西野精治
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
習近平―その政治の「核心」とは何か?(1)習近平政権の特徴
習近平への権力集中…習近平思想と中国の夢と強国強軍
小原雅博
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
経験学習を促すリーダーシップ(3)成功の再現性と教え上手の指導法
教え上手の指導法に学ぶ!成功の再現性を高める4ステップ
松尾睦
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(1)ポピュリズムの台頭と社会の分断化
デモクラシーは大丈夫か…ポピュリズムの「反多元性」問題
齋藤純一