経営者としての激動の人生
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
アポロ計画をきっかけに思いついたディーラー作戦
経営者としての激動の人生(2)事業開始と経営の土台固め
三澤千代治(MISAWA・international株式会社 代表取締役社長/ミサワホーム創業者)
対照的で刺激的な事業パートナーとの出会いは、起業・創業のカギを握る重大事である。そして、経営組織をどう考えるかにおいては、成功事例をたずね、思い切った変革を恐れない姿勢が功を奏する。(2018年10月2日開催日本ビジネス協会JBCインタラクティブセミナー講演「経営者としての激動の人生」より、全5話中第2話)
時間:10分41秒
収録日:2018年10月2日
追加日:2019年7月26日
≪全文≫

●好対照のパートナーと事業をスタートする


 大学を卒業してから少し休養期間を置いたので、仕事に就いたのは2年ほどたってからです。誰とやろうかと考えていたところ、十日町高等学校の友人で、成城大学を卒業したばかりの山本(幸男)が、まだ就職を決めずにいました。そこで、私が技術屋、山本が得意の営業を担当する形で、一緒に仕事をするかと話がまとまりました。

 十日町は機(はた)の産地で、彼は繊維問屋の子息でしたが、私とは性格が正反対でした。私は結構せっかちですが、山本はのんびりしているのです。商売のやり方も、私はフローで回転の速いやり方がいい、山本はゆっくりストックのたまる仕事がいい。彼は酒が飲めて、歌がうまくて、ゴルフが上手。私はそれらが全部苦手。私が「痩せた女の子がいい」というと、彼は「ぽっちゃり太った女の子がいい」というぐらい、何もかも正反対で対照的でした。

 そこまで違う人間と一緒に経営をしていると、何か発言するときも常に「こう言ったら、山本はどう思うだろう」と、気がかりになってきます。彼の方もきっと「自分の考え通りのことを言うと、三澤はどう考えるかな」と思っていたでしょう。それが、会社をバランスよく回した原因の一つだったと思います。井深大氏と森田昭夫氏のような、本田宗一郎氏と藤沢武夫氏のような、そんな関係の二人で事業を始めたわけです。


●「無法建築」が打って変わって「38条認定」へ


 創業後しばらくは、トヨタのクラウン1台に5人乗れば社員旅行ができるような少人数で仕事を続けていました。ところが50棟ぐらい建てたころ、青い顔をして帰ってきた山本が、「建築届というのが要るそうだ」と言うのです。「われわれは建築届を出さずに、無法建築をしているらしいよ」という話なので、それはなんだ、と驚きました。聞けば、建築基準法というものがあり、法律に従ったものでなければ、建ててはいけないというのです。

 驚いて建設省へ行くと、「それは、そうだよ」という話になり、「どうすればいいでしょう」と尋ねると、「大学でつくった計算書を持って来れば、見てあげるよ」と言われました。建設省の指導課にいて時間を持て余していた係長が人柄のいい人で、「俺が見てあげるよ」と言ってくれたのです。

 日大では、就職できなかった私のことを先生が心配して、計算をしてくれました。その書類を持っていくと、「...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
キャリア転換で人生を成功させる方法(1)2つの大きな潮流
なぜ40歳でキャリアについて一度考え直す必要があるのか
為末大
メンタルヘルスの現在地とこれから(1)「心を病む」とはどういうことか
なぜ「心の病」が増えている?メンタルヘルスの実態に迫る
斎藤環
東洋の叡智に学ぶ経営の真髄(1)経営とは何かをひと言で?
経営をひと言で?…松下幸之助曰く「2つじゃいけないか」
田口佳史
会社人生「50代の壁」(1)“9の坂”とまさかの坂
サラリーマン人生「50代の壁」を乗り越える生き方
江上剛
マザーテレサとの出会い
人生を変えたマザーテレサの言葉…あの人たちはキリストだ
上甲晃
エンタテインメントビジネスと人的資本経営(1)ソニー流の多角化経営の真髄
ソニー流「多角化経営」と「人的資本経営」の成功法とは?
水野道訓

人気の講義ランキングTOP10
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎
内側から見たアメリカと日本(7)ジャパン・アズ・ナンバーワンの弊害
ジャパン・アズ・ナンバーワンで満足!?学ばない日本の弊害
島田晴雄
プロジェクトマネジメントの基本(1)国際標準とプロジェクトの定義
プロジェクトマネジメントとは?国際標準から考える特性
大塚有希子
歴史の探り方、活かし方(7)史料の真贋を見極めるために
質疑編…司馬遼太郎の「史料読解」をどう評価する?
中村彰彦
熟睡できる環境・習慣とは(2)酒、コーヒー、ブルーライトは悪者か
ブルーライトは悪者か?近年分かった「第3の眼」との関係
西野精治
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
習近平―その政治の「核心」とは何か?(1)習近平政権の特徴
習近平への権力集中…習近平思想と中国の夢と強国強軍
小原雅博
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
経験学習を促すリーダーシップ(3)成功の再現性と教え上手の指導法
教え上手の指導法に学ぶ!成功の再現性を高める4ステップ
松尾睦
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(1)ポピュリズムの台頭と社会の分断化
デモクラシーは大丈夫か…ポピュリズムの「反多元性」問題
齋藤純一