民主主義と政治
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日本の問題は官僚の機能不全が起こっていること
民主主義と政治(8)官僚の育成システムを改革するために
日本では、政党政治が機能しなくなっても霞が関文化があれば大丈夫だという認識があった。しかし、今はそれも崩れてきた。天下りの禁止や政権交代によって、官僚を取り巻く環境が大きく変化する中で、官僚の採用や育成のシステムも改革の必要性が高まっている。世界的にも公務員数が少ない日本で、さらに公務員数を減らすのは大きな問題である。現状を見極めて、優秀な官僚を採用・育成する仕組みを再設計していくことが喫緊の課題なのだ。(全8話中第8話)
※インタビュアー:神藏孝之(10MTVオピニオン論説主幹)
時間:10分39秒
収録日:2019年8月28日
追加日:2019年10月5日
≪全文≫

●霞が関文化が崩壊する中、遅れる人材育成システムの再設計


―― (日本の場合には)政党政治が相当機能しなくなっても、霞が関文化があれば大丈夫だという認識があった。しかし現在は、霞が関の方がへたってきているようです。

曽根 そうなのです。政治主導はかなり進みました。そのことは事実として認めるべきですね。だけど、霞が関をうまく使いこなすという部分で、劣化が起きてしまった。それは改革の副作用です。これを何とか回復しないと、大学生が役所へ入るための試験を受けないという話になってきてしまいます。

 これも昔お話ししたことがあるかもしれませんが、自治省があった時代に勉強会で当時の課長に話を伺ったことがあります。その人は東大出身でした。東大だと先輩がリクルートにきて、うちの省に来れば一生面倒を見るといわれたそうです。「一生面倒を見るとはどういうことですか」と尋ねると、「3回天下りさせてやる」と。

 大学生に3回天下りさせてやるというのを、リクルートの売り文句にするのですかね。私は慶應でしたから、そんなことは知らないわけですけどね。天下りは、やはりワンセットだったのですね。その手も効かなくなってしまったわけです。

―― そうですよね。今では、局長で辞めて、最初の4年間程度待って、その次の4年間でなんとか次のポストを見つけられるという流れです。同期が25人ほどいると60代半ばくらいまでに(ポストに)困窮する役人が出てくる。天下りの方も禁じられている。役人として務めているときには、自分の能力が成長しているとは思えない仕事を強いられる。このまま放っておくと、日本にあった霞が関文化は実質上、壊れてきますよね。

曽根 天下りが良いとはいいませんが、中には天下りとか関係なく、能力があるので次のポストを得るという人がいる。それは人材リクルート源として、非常に重要です。天下りというのは自民党の長期に安定した政権が続いている時代の仕組として残っていたんでしょうね。それを、政権交代が起こり、あるいは、国民の監視が厳しくなり、天下りも認められない時代になったときに、どのように設計し直すかという部分が遅れている。そのために、割を食ってしまう人が出てくるのですよね。


●官僚の採用や育成のシステムは大きな問題を抱えている


―― 会社でいうと、人事戦略は一番根幹ですよね。その根幹の問題を、今のとこ...

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