民主主義と政治
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
平成時代の選挙制度改革と省庁再編は本当に機能したのか
民主主義と政治(3)平成の二大改革とその評価
平成時代には、選挙制度改革と省庁再編という、2つの大きな改革が行われた。曽根泰教氏が、独自の視点からこれらの改革に評価を下す。まず省庁再編に関して、ただ組織を合併したのみで、機能の見直しと再編が不十分である点を指摘し、その実際上の目的が果たされていないと断じる。他方で、選挙制度改革に関しては、旧制度の中選挙区制が抱えるさまざまな民主主義の実現に関わる問題点を指摘し、その改革の必然性を説く。(全8話中第3話)
※インタビュアー:神藏孝之(10MTVオピニオン論説主幹)
時間:11分02秒
収録日:2019年8月28日
追加日:2019年9月21日
≪全文≫

●省庁再編はその目的を見誤っていた


―― 先生、お聞きしたいんですが、日本って基本的には「これも良いけど、これも良いな」という両義性の国ですよね。そう考えると、中選挙区の制度はやはりよくできていると感じます。同じ党から、5人区なら5人出ても3人くらい通ればいい。15パーセント程度の得票率があれば、それで当選できる。かつ、それぞれに派閥のボスがいる。派閥のボスは、人間学でいうところの相当の達人でないとボスになれませんから、妥協にしても、ある程度の貸し借り、面倒見という形でしやすい。

 小選挙区改革の時は、イギリス型が絶対に正しいという感じで行われましたが、結果的に小選挙区になると政治家を育てるための道場がないですよね。道場主もいません。基本的に「勝手にやって下さい」という風潮です。小選挙区に変わったことで、「代議士」と呼ばれたり「先生」と呼ばれたりした時代と比べると、政治家自体も、あるいは衆議院議員もあまりリスペクトされなくなりました。区議会議員と都議会議員と区長と同じ選挙区だったら、衆議院議員が偉いという話にもならなくなりましたよね。

 古いモデルを捨てて新しいモデルを持ってきたけど、今のところあまり機能していないという意味で、相当難しい状況ではないかと思います。同時に、霞が関が再編されました。例えば、自治庁と郵政省を合同してどうするんだ、と思われますが、かなり無理をして省の数を減らしてきました。あれも結果的に機能しなくなりました

 政治はやはり戦争と違うから、ある種の妥協をいかにうまくやるかという点がかなりポイントになると思います。そのような意味で、今の日本の政治はどこにも手本がなくなって、かつ、もともとあったものも捨ててしまって、相当しんどい状況なのかなと思うのですが。

曽根 選挙制度改革と省庁再編という2つの大きな改革が平成時代に行われました。省庁の方から申し上げると、省庁再編は本当に機能したのか。私は最初から言っていますが、これは企業合併と同じで、大規模省庁を作った合併であって再編ではないのです。

 つまり、数を減らすということは何なのかというと、大規模省庁ができるということですよね。数は減ったんだけれども、機能再編がない。機能再編とは、例えばどういうことか。当時、橋本行革の時に私が批判したのは、情報化に対応できていないのではないかということで...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か
地政学をわかりやすく解説…地政学の「3つの柱」とは?
小原雅博
イラン戦争とトランプ大統領の戦争指導(1)米軍式戦略リーダーシップによる評価
イラン戦争…トランプ大統領の戦争指導のどこが問題なのか?
東秀敏
ロシアのハイブリッド戦争と旧ソ連諸国(1)ロシアの勢力圏構想とNATO拡大
「ハイブリッド戦争」の実像…ロシアが考えていることとは何か?
廣瀬陽子
お金とは何か?…金本位制とビットコイン(1)お金の機能とその要件
お金の「3大機能」とは何か? そしてお金のルーツとは?
養田功一郎
教養としての「人口減少問題と社会保障」(1)急速に人口減少する日本の現実
毎年100万人ずつ減少…急降下する日本の人口問題を考える
森田朗
経済社会と「隠れた価値」の行方(1)経済の中の価値
人間の幸福と「価値」…お金以外の「隠れた価値」をどう考えるか
吉川洋

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(39)上野誠先生の万葉集講義と現代
【10min解説】万葉集に学ぶ「公務員倫理法」の大失敗?
テンミニッツ・アカデミー編集部
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(6)ピョートル大帝の宗教改革
王座に乗った革命家・ピョートル大帝の「宗教改革」と、ソビエト時代のロシア正教の「弾圧」と「利用」の実情
上月豊久
「良き対話」とは?――哲学から考える(1)対話とは何か――会話・説教との違い
「良き対話」のヒントを哲学から考える…「対話」の大前提とは、そして「会話」「説教」「場回し」とは何が違うのか?
納富信留
昭和の名将・樋口季一郎…キスカ・占守島編(1)キスカ島撤退作戦
5200人の将兵を救え…米軍も称賛した「キスカ島撤退作戦」の奇跡
門田隆将
チームパフォーマンスを高める心理的安全性(1)心理的安全性が注目される理由
なぜ今「心理的安全性」なのか、注目を集める背景に迫る
青島未佳
『源氏物語』を味わう(3)形容詞からの楽しみ方
美しい形容詞の使い分け…『源氏物語』の表現を味わう
林望
なぜ働いていると本が読めなくなるのか問答(1)読書と教養からみた日本の近現代史
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』で追う近現代史
三宅香帆
ロシア「内政・経済・外交」の真実(1)国民の支持を意識するプーチン政治
ウクライナ侵攻も支持率対策か…プーチン政治の実態に迫る
上月豊久
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
「甘え」は現代においてダメなものなのか…名著『「甘え」の構造』への2種類の誤解とは?
與那覇潤
死と宗教~教養としての「死の講義」(1)「自分が死ぬ」ということ
世界の宗教は死をどう考えるか…科学では死はわからない
橋爪大三郎