民主主義と政治
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
日本では議会が活性化してはいけない!?
民主主義と政治(5)与党と役人の関係と日本の特殊性
曽根泰教氏が、さまざまな日本固有の制度を挙げて、日本の政策議論が非公開の場において与党と役人の間で行われてきたことを詳しく説明する。こうした制度が、いわゆる族議員などの日本特有の政治文化を育んできた。そのため、アメリカやヨーロッパとの比較政治分析を行う際には、そうした日本の特殊性を念頭に置かなければならない。例えば議員評価も、国会での活動だけではなく、与党内での活動も考慮に入れる必要があるだろう。(全8話中第5話)
※インタビュアー:神藏孝之(10MTVオピニオン論説主幹)
時間:10分27秒
収録日:2019年8月28日
追加日:2019年9月28日
カテゴリー:
≪全文≫

●与党と役人の非公開の場で政策議論が行われてきた日本の政治


―― 昔は、梶山静六さんや二階俊博さんのようにそれなりに力のある人が国対委員長で、無理難題はいうけど、落としどころはきちんと見つけて落としてくれる人たちが務めていた。自民党でも部会や総務会があって、そうした感じの環境の方が、役人の労働時間としては、今みたいな形よりはるかに少なかったですよね。

曽根 今でも予算で残っていることはあるにはあります。有力議員と財務省がサシで会う。特に道路・建設に関わる分野で、一切メモを取らずに……という話はあるのですが、だけど、これまたすごく危ない話なのです。

 昔の「税制調査会」に戻せ、という主張が良いのかどうか。つまり、村山達雄さんや山中貞則さんがいて、これも逸話ですが、村山さんは、人の名前をあまりよく覚えない。それでも良い質問すると覚える。「彼はなんていう名前だ」と聞くのです。そうやって頭角を現す良い人材を見つけてきたという議論も中にはあったんですね。

 ただ、政府税調と自民税調の役割分担がありました。自民税調が実質的な決定の場なのですが、電話帳と呼ばれるものが有名になりました。英語ではテレフォンブックというのですね。「電話帳は日本にあるでしょうか」と予算編成関係の研究をしている外国人に尋ねられたのです。「あっ、そんなことまで知っているのか」と思いました。〇×△を1件ずつ付けていくのですね。自民税調が実質的に判断していたのです。

 政府税調は税制改正の大枠を担当します。実権を党に持たせるかどうかという点に関しては、良い点も悪い点もあります。イギリスの予算編成では、日本の党や概算要求などの過程を全て飛ばして、まず財務省幹部だけ作ってしまうのです。

 だから、日本の積み上げ型にはいい点もありますが、あまりにも利益集団の意向をくみ取り過ぎだ、という意見もあります。何ともいえないところですが、ただ税に詳しい人がいたことは確かでしょうね。

 当時の大蔵省の役人の中でも、個別部分に関して「詳しいことはあの先生に聞かなければ」という話は、山中さんの頃はあったわけですね。今、族議員とはあまりいわないですよね。族には2種類の顔があって、1つは政策分野の専門家という顔ですね。もう1つはその業界の代弁者という顔です。両方を持っていたのです。

 族議員というものがなぜなくなったの...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(1)ポピュリズムの台頭と社会の分断化
デモクラシーは大丈夫か…ポピュリズムの「反多元性」問題
齋藤純一
半導体から見る明日の世界(1)世界的な半導体不足と日本の可能性
なぜ世界の半導体不足は起きた?台湾TSMCと日本復活への鍵
島田晴雄
経済社会と「隠れた価値」の行方(1)経済の中の価値
人間の幸福と「価値」…お金以外の「隠れた価値」をどう考えるか
吉川洋
紛争が絶えない世界~私たちは何ができるか(1)「戦争の世紀」から再び戦争の時代へ
再び戦争の時代へ――私たちは何を考え、どう動くべきか
小原雅博
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(1)銀行がお金を生む仕組み
信用創造・預金創造とは?社会でお金が流通する仕組み
養田功一郎
日本のエネルギー&デジタル戦略の未来像(1)電動化で起こる「カンブリア爆発」
日本のエネルギー政策を「デジタル戦略」で大転換しよう
岡本浩

人気の講義ランキングTOP10
戦前日本の「未完のファシズム」と現代(1)シラス論と日本の政治
独裁ができない戦前日本…大日本帝国憲法とシラスの論理
片山杜秀
資本主義の再定義…哲学で考える(3)害なき利とコミュニティの時代
強欲資本主義は死んだ…他者を助けることのできる他者を助ける
中島隆博
編集部ラジオ2026(26)お盆とあの世を考える
【10min解説】特集で考える《お盆とあの世》の本質
テンミニッツ・アカデミー編集部
死と宗教~教養としての「死の講義」(5)仏教の死:日本編
極楽往生、坐禅、法華経…日本人はいかに死を乗り越えるか
橋爪大三郎
ラフカディオ・ハーン『神国日本』を読む(1)なぜ『神国日本』なのか?
ラフカディオ・ハーンが解明した「美しい日本」の秘密と未来
賴住光子
日本の財政の真実を検証する(7)AIと長寿化&質疑応答
AI時代にこそ「熟達者の経験」が生きる&現状の日本経済の実情は
宮本弘曉
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(1)ルーズベルトに与ふる書
奇跡の史実…硫黄島の戦いと「ルーズベルトに与ふる書」
門田隆将
なぜ働いていると本が読めなくなるのか問答(1)読書と教養からみた日本の近現代史
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』で追う近現代史
三宅香帆
昭和の名将・根本博…台湾での恩義の戦い(2)情報畑の人びとの「情の厚さ」
情に厚くなければ情報工作はできない…明石元二郎の対露工作の教訓
門田隆将