コロナ禍で問うべき「転換期の在り方」
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
コロナ禍で感じたのは日本発の「命の思想」を強調する必要性
コロナ禍で問うべき「転換期の在り方」(6)日本は「命の思想」の国
東洋思想の根幹には、「命」というコンセンサスがある。日本には「草木国土悉皆成仏」という言葉があるが、ことごとくみな仏、つまり命のことで、粗略にあつかうことは命を奪うことに等しいと田口氏は説く。道元のいうように、一つひとつのことに真心を込めて取り組むことが日本人の強みであり、西洋発祥のものに対して、日本流に命を吹きかけてやることが、東洋と西洋の知の融合だという。(全7話中第6話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
時間:7分25秒
収録日:2020年7月22日
追加日:2020年7月22日
≪全文≫

●東洋思想は命に力点を置く


田口 コロナショックによるもう一つの転換があります。今回、人間に突きつけられたのは、命の危機です。命についてこれほど考えた時期はないのではないかと思います。人と会う際にも、命の危険を考えるために、マスクをつけるなどの予防策を取っています。せっかくここまで命を身近に考えたのであれば、東洋思想との関連性についても考える必要があるでしょう。

 東洋思想の根幹には、命というコンセンサスがあります。イデオロギーや主義主張、宗教の違いは、その下位にある概念です。ですので、東洋思想においては、宗教がイスラム教かキリスト教か、政治的主張が社会主義かなどの点には無頓着です。あなたのお好きなように、という世界なのです。

 東洋思想のもとでは、宗教観の違いで戦争が起きることはありません。東洋思想は、イデオロギーや宗教を乗り越えて、人間の最も重要なものとしてコンセンサスが取れるのは、命だといっているのです。命を持ち出すと、どのような宗教やイデオロギーの人でも命は大切だと答えます。ですから日本人は、東洋思想が説いている命の尊重という点を学ぶ必要があります。

 日本の生命観はどれほどのスケールがあるのかというと、それはすごいものがあります「草木国土悉皆成仏(そうもくこくどしっかいじょうぶつ)」という言葉があります。草木も国土さえもことごとくみな仏なり、つまり命なのだといっているのです。

―― ことごとく仏なのですね。

田口 仏なのです。この世で命を持たないものはない、ということです。粗略にあつかうことは命を奪うことに等しいので、ひとつひとつのものを丁寧に扱わなければならないのです。


●道元禅師の全てのことに丁寧に真心を込めて取り組むという教え


田口 道元禅師は、「人間の生き方の最たるものは、一つひとつを丁寧に真心込めてやることだ」といいました。つまり、修行として毎日を暮らすことが、非常に大切なのです。われわれは命に取り囲まれて生きています。いつも命の大切さを思わなければなりません。生きとし生けるものの世話係として人間がいる、という考え方を絶対に見失ってはいけないのです。

 例えば、料理などでも、日本人は食材を無駄なく用いて、全て食べています。無駄をなくすことを、「よくもちいる」と東洋思想ではいいます。「よくもちいる」とは、漢字で書くと「利用...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
「幸福とは何か」を考えてみよう(1)なぜ幸せになりたいのですか
「幸福」について語り合う「哲学カフェ」を再現
津崎良典
福田恆存とオルテガ、ロレンス~現代と幸福(1)曖昧になった日本人の「自然」
小林秀雄から福田和也まで、日本の文芸批評史を俯瞰する
浜崎洋介
世界の語り方、日本の語り方(1)なぜ「語り方」なのか
今後身に付けるべき知性として「新しい語り方」を考える
中島隆博
キケロ『老年について』を読む(1)キケロの評価と「老年の心構え」
老年が惨めと思われる4つの理由とは…キケロの論駁に学べ
本村凌二
禅とは何か~禅と仏教の心(1)アメリカの禅と日本の禅
自発性を重んじる――藤田一照師が禅と仏教の心を説く
藤田一照
今こそ問うべき「人間にとっての教養」(1)なぜ本を読むことが教養なのか
『人間にとって教養とはなにか』に学ぶ教養と本の関係
橋爪大三郎

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(15)昭和の名将・樋口季一郎
【10min解説】ユダヤ人救出、奇跡の撤退…名将・樋口季一郎
テンミニッツ・アカデミー編集部
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
昭和の名将・樋口季一郎…ユダヤ人救出編(2)オトポール事件と極東ユダヤ人大会
オトポール事件と極東ユダヤ人大会の真相…失脚覚悟の決断
門田隆将
イラン戦争と終末論(1)イラン戦争の戦略的背景と米国の政策
なぜイラン戦争がこのタイミングなのか?戦略的背景に迫る
東秀敏
昭和の名将・樋口季一郎…キスカ・占守島編(1)キスカ島撤退作戦
5200人の将兵を救え…米軍も称賛した「キスカ島撤退作戦」の奇跡
門田隆将
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
ウェルビーイングを高めるDE&I(2)人と組織を取り巻く環境変化:後編
なぜ日本の幸福度は低すぎるのか?会社任せで失われる自律性
青島未佳
生活習慣病予防に~健診結果の正しい読み方(1)データから生活習慣を考える
内臓脂肪がなぜ増えた?データから考えるリスクファクター
野口緑
天下人・織田信長の実像に迫る(1)戦国時代の日本のすがた
織田信長の「天下」とは…最新研究で激変する人物像・時代像
柴裕之