コロナ禍で問うべき「転換期の在り方」
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ものをうまく育てるためには「果断」しないといけない
コロナ禍で問うべき「転換期の在り方」(7)日本人としての生き方を見つめ直す
哲学と生き方
コロナショックに見舞われたわれわれは、社会の中で重要なものを再度見定めて、毎日の暮らしを意識しながら生きていく必要がある。そこで重要なのは、西洋と東洋の違いを認識し、日本を通り越して世界のために生きることを人生の目標に掲げた佐久間象山のように、「これから自分の人生は日本、そして世界のお世話係だ」という姿勢で生きていくということだ。それが日本人的な生き方であるとして、講義を締めくくった。(全7話中第7話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
時間:10分42秒
収録日:2020年5月21日
追加日:2020年7月29日
≪全文≫

●社会の中で重要なものを見定める


田口 さらに、日本では命というと生命ばかりではなく、例えば「刀は武士の命」という場合のようにものにも命を使います。これは最も大切なことを「命」といっているのです。ですから、命の思想を持って生きている人は、最も大切なものを見落さない。そこが命だと目利きでぱっと見える。

―― 目利きでぱっと見えるわけですね。

田口 見える。その意味で、社会の命はどこにあるのかと考えると、お金がたくさんあるところもその一つかもしれませんが、それ以上に満足できる人生を歩めるかどうかというところにあるのではないでしょうか。

 満足できる人生とは、自分の能力を精一杯発揮して、常に生きることです。第4話で指摘したオポチュニティインダストリー(機会産業)が、ここで重要になってきます。命という最も大切なものを生かしていくという精神をもって、オポチュニティインダストリーを全世界に広めていくことが、アフターコロナにおける日本人の務めだと思います。

―― 先生がおっしゃる、天は人に対して豊かに生きることを望んでいる、という言葉ともつながってきますね。

田口 今回新型コロナウイルスに関しては、ワクチンがすぐに製造されて対処できるかもしれませんが、また異なるウイルスや細菌が出てくるかもしれません。これからは、それらと共生していかなければなりません。共生する際には、今指摘したような根本をしっかりと持ち、大切にして生きていく必要があります。その意味では、陰陽は非常に重要です。


●的確に毎日一時一時を生きていく


田口 植木を見て頂ければ分かるように、植木は、時には剪定をして枝を降ろします。その目的は、余計な部分に栄養がいくのを避けて、常に根に栄養が溜まるようにすることです。枝葉の方ばかりに栄養がいくと、根が弱くなってしまうのです。常に根を強くしながら、葉っぱや花や実の方へ栄養がいくようにしています。多くの実が成っても、間引きしていきます。苦労してりんごならりんごの実をつけたのに、取るのは忍びない、落としてしまうのはもったいないといいながら、泣く泣く取るのです。これを「果断」というのです。

―― なるほど。それを果断というのですね。

田口 ものをうまく育てるためには、果断しないといけないのです。

―― なるほど。ものをうまく育てるためには、果断しないといけない...

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