松下幸之助と人間大事の経営
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
「鳴かぬなら それもまたよし ホトトギス」に込めた思いとは
松下幸之助と人間大事の経営(6)「それもまたよし」には続きがある
松下幸之助の名言として、よく引用されるのが「鳴かぬなら それもまたよし ホトトギス」の句だ。戦国三英傑の違いを表した故事に、さらに別の可能性を開いた言葉として着目される。しかし、その真意は、一般に考えられるよりも奥深い。(全7話中第6話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
時間:8分22秒
収録日:2019年8月20日
追加日:2020年8月2日
≪全文≫

●「それもまたよし」を生んだ中国古典


── 江口さんに今日どうしてもうかがいたかったのが、織田信長や豊臣秀吉、徳川家康の読んだホトトギスの俳句をもじって、松下幸之助が「鳴かぬなら それもまたよし ホトトギス」という言い方をしていたことです。これは、松下政経塾の思い出として強く残っています。いろいろな人を育てようとしても、なかなか人は育たないもので、育つ人もいれば、なかなか育たない人もいる。松下幸之助は「それもまたよし」と考えたのでしょうか。

江口 そうでしょうね。これは中国の話ですが、昔とても人徳のある人がいた。そこへ来た人が、「あなたは人徳があると言われています。さすがですね」と言うと、「それもまたよし」と言う。別の人が来て、「あなたは人徳があると言われているけれど、それは表面的なことで、ボロボロに言う人もたくさんいますよ」と言うと、「それもまたよし」と言った。また別の人が来て、「うちの子どもが病気になって、今にも死にそうになっている。悲しくて仕方がない」と言ったら、「それもまたよし」と言った。そこで奥さんが「それはないでしょう。わが子が病気で、一言でも慰めの言葉をあなたに言ってもらおうと思って来ている相手に、『それもまたよし』はないでしょう」と言うと、「それもまたよし」と答えたという話があります。

 中国古典に出てくる、この「それもまたよし」には奥深いものがあると思います。これは歴史の本に載っていたかもしれないけれども、「それもまたよし」と言うその人が、「それもまたよし」でとどまっているかどうか。そこからが「人間道」の出番で、松下幸之助の場合は、そこに「あるがままに認めること」「容認すること(受け入れること)」、その次に「礼を尽くして処遇すること」が入っています。


●受容、容認する「またよし」には、その後がある


江口 「鳴かぬなら それもまたよし ホトトギス」は、それらを前提にした「それもまたよし」なのです。信長、秀吉、家康、幸之助の違いをよく表しているので、よく引用されます。

 幸之助は、「それもまたよし」でとどまっているのではない。「それもまたよし」だけれども、礼をもって処遇しないといけないわけです。だから、その時にどのような処遇をするかが問われます。

「鳴かぬなら 殺してしまえ ホトトギス(織田信長)」「鳴かぬなら 鳴かせてみせよ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
ハラスメント防止に向けた風土づくり(1)ハラスメントの概要
増え続けるハラスメント…その背景としての職場の特徴
青島未佳
ストーリーとしての競争戦略(1)当たり前の重要さ
柳井正氏の年度方針「儲ける」は商売の本筋
楠木建
本質から考えるコンプライアンスと内部統制(1)「法令遵守」でリスクは管理できない
「コンプライアンス=法令遵守」ではない…実例が示す本質
國廣正
プロティアン~最先端の自律的キャリア形成(1)変幻自在のキャリア論
なぜ第二の人生のためにキャリアの棚卸しが必要か~組織から自律へ
田中研之輔
生き続ける松下幸之助の経営観(1)今も生きている幸之助
松下幸之助の考え方には今と昔を貫くものがある
江口克彦
野獣の経営、家畜の経営(1)経営センスが育つ土壌
ファーストリテイリングで経営者が育つ理由
楠木建

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(2)「時代の大転換期の選挙」特集を解説!
「大転換期の選挙」の前に見ておきたい名講義を一挙紹介
テンミニッツ・アカデミー編集部
これからの社会・経済の構造変化(4)日本企業の課題と組織改革の壁
日本の場合、トップダウンよりボトムアップで変えるべき?
柳川範之
衰退途上国ニッポン~その急所と勝機(1)安いニッポンと急性インフレ
世界で一人負け…「安い国」日本と急性インフレの現実
宮本弘曉
プロジェクトマネジメントの基本(7)アジャイルプロジェクトと成功の鍵
発注側と受注側で異なるプロジェクトの成功・失敗要因
大塚有希子
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(2)国家戦略目標の転換
経済発展から「国家の安全」へ…転換された国家戦略目標
垂秀夫
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIは間違いが分からない…思考で大事なのは訂正可能性
中島隆博
会計検査から見えてくる日本政治の実態(4)「給付金」の教訓
マイナンバーが生かせない…「三層分離」という大変な問題
田中弥生
歌舞伎はスゴイ(1)市川團十郎の何がスゴイか(前編)
市川團十郎の歴史…圧倒的才能の初代から六代目までの奮闘
堀口茉純