松下幸之助と人間大事の経営
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
「腹中有書」で気づいたことは生涯忘れない
松下幸之助と人間大事の経営(3)「腹中有書」で実践する
「気づきの教育」を得意とした松下幸之助により、悩みながら成長していった江口氏。自分で気づいたことは忘れないという「腹中有書」を積み重ねる中、彼は30代半ばでPHPの経営当事者に抜擢される。できるのは「幸之助の真似」だけだった。(全7話中第3話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
時間:8分35秒
収録日:2019年8月20日
追加日:2020年7月12日
≪全文≫

●初めて叱られたのは、風の音が聞こえる茶室


江口 私が最初に松下幸之助に叱られた経験は(結果的に、そうだったのだろうと思っているのですが)、そばで仕事をするようになって1年たつかたたない頃のことです。

 真々庵(幸之助の別邸)に設けられた二つの茶室のうちの青松茶室に、二人で入っていました。2月だったと思います。木枯らしがヒューヒュー吹いて、枯れきった杉木立が鳴っていました。

 幸之助はポツリと、「君、風の音を聞いても悟る人がおるわなあ」と言いました。そして、私が何を言われているのか分からないでいるうちに、「茶室を出ようか」となった。それだけなのです。

 そうなると、あの時に言われたのは何だったかが気になってたまりません。たしかに私に向かって「風の音を聞いても悟る人もおるわなあ」と言った。それは一体、どういう意味だったのだろう。2、3日そのことで頭をいっぱいにしていると、ふと「松下さんはあの時、私を叱ったんだ」と思い当たりました。「早く勉強して自分の考え方を固め、いろいろと自分に提言や提案をしたほうがいい」と言っているのではないかと思ったのです。そういうふうに、幸之助という人は、人に「気付かせる」育て方をしました。

 私は、特にいろいろな叱られ方をしました。ハーマン・カーン氏(米国の物理学者、元・ハドソン研究所所長)の話は、有名だと思います。(米国からハーマン・カーン氏が来日して幸之助と会うことになった時、)「ハーマン・カーンはどういう人なのか」と、3日も連続で聞かれたのです。それは一体なぜなのか。3日も同じ質問をして、それでもなお聞くということは、「自分はもっと知りたいと言っているんだ」と気付かせようとしたからです。育てるための根気、気づくまで待つ根気のある人だったということはいえると思います。


●自分から気づく「腹中有書」は生涯忘れない


江口 人を育てるには、セミナーを受けさせて、ああしなさい、こうしなさいと導くことも大事だと思いますが、一番肝心なのは本人が気づくことです。本人が「ああ、そうだ。なるほど」と思った瞬間に血肉になるからです。セミナーも上司も同じですが、上から押し付けられるように「仕事はこうすべき」と言われると、「なるほど、そういうふうにすべきなのか」「ここに注意すればいいのか」と理解はできるが、頭の中に留まっています。しかし、自分...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
ハラスメント防止に向けた風土づくり(1)ハラスメントの概要
増え続けるハラスメント…その背景としての職場の特徴
青島未佳
チームパフォーマンスを高める心理的安全性(1)心理的安全性が注目される理由
なぜ今「心理的安全性」なのか、注目を集める背景に迫る
青島未佳
Microsoft Copilot~AIで仕事はどう変わるか(1)「生成AI」の画期性
「生成AI」実装の衝撃…人工知能の歴史と特長
渡辺宣彦
優れた経営者の条件(1)スキルとセンスの違い
経営者のセンスは担当者のスキルとは全く違う
楠木建
営業から考える企業戦略(1)成功するブランド戦略とは?
ブランド力を高めるために「自社の強み」を徹底的に聞け
田村潤

人気の講義ランキングTOP10
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(4)認知症と共生社会の実現に向けた対策
その物忘れ、認知症かも…加齢による物忘れとの違いと一番大事なこと
小川純人
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
「満洲」から考える日本とアジア(8)日貨排斥と満洲事変の原因
なぜ満洲事変が起きたか…激烈な日本排斥と朝鮮人迫害、さらに一方的な条約無効化に直面した日本人の決断と失敗
宮脇淳子
進化生物学から見た「宗教の起源」(1)宗教の起源とトランス状態
私たちにはなぜ宗教が必要だったのか…脳の働きから考える
長谷川眞理子
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(1)ルーズベルトに与ふる書
奇跡の史実…硫黄島の戦いと「ルーズベルトに与ふる書」
門田隆将
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ