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真の自由と気高さを与えたから、部下たちの心に火がついた

真のやる気とは何か(8)必要なのは「自由」と「気高さ」

対談 | 執行草舟田村潤
概要・テキスト
田村潤氏は、よく、「なぜ部下たちの心に火がついたのですか」と聞かれるという。2人の対談から見えてきたことは、「真の自由」そして「気高さ」を徹底的に部下に与えていたことである。それはいずれも、どこまでも「理念」を追及したから現出したものであった。現代的にいえば、安全、安心で危険のない状態こそが幸せなのかもしれないが、そこからは本来、気高いはずの人生は見えてこない。自由を求めたアメリカの独立戦争、あるいは国のために日露戦争を戦った人々にあって、私たち現代人にないものは何だろうか。(全14話中第8話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:10:26
収録日:2020/04/10
追加日:2020/08/21
カテゴリー:
キーワード:
≪全文≫

●「基本の徹底」「理念の具体化」「自分で考え、行動する」


―― 田村先生のお話もそうですし、執行先生のお話もそうなのですけれども、まず、田村先生が理念とおっしゃいましたが、現状、日本企業に中途半端に成果主義などが入っていますから、執行先生がご指摘されたように、中途半端にやる気を出すと、「人を蹴落としてでも、業績を奪ってでもやってやれ」という下品なやる気になってしまいます。

執行 今、日本はどんどんそうなりつつあります。

―― 汚い部分、嫌な部分でいうと、すぐコンプライアンスでございますとか、ハラスメントでございますということで、訴えられる世の中になりましたから。

執行 僕流にいわせれば、今の世の中で、本当のやる気を出していくには、社会から糾弾されることを覚悟しなかったら、できない。今の日本で、他人に認められたままで、やる気を出そうとしたら、必ず裏にある本音は隠さなくてはならないから。

 子どもの教育1つでも、本気で子どもと対峙(たいじ)したら、絶対にコンプライアンスに引っかかる。これは間違いない。社員教育もそうです。僕は武士道で生きているから、間違った成果主義も、きれいごとだけいっているのも反対。だから、いつ引っかかってもいいつもりで僕は生きているよ。もうそうするしかない。

―― 執行先生と違う意味で難しかったのは、田村先生の場合は、サラリーマンだったということだと思います。高知支店のメンバー12名くらいだったら、皆さんの顔が見えていますから、自分の器次第で、「どぶ板営業をしてこい」といったら、リーダーの背中を見てやってくれる人もいると思います。ただ、だんだん部下が増えていって、最後は副社長になられたわけですが、書籍を読むと、副社長のときも同じ論理でやられていた。それだけ大きな組織の人たちを、たとえば「どぶ板的な営業をしてこい」といって、やらせることができたのは、どのようにされたのでしょうか。

田村 やることを超シンプルに3つにしました。

 1つは、組織は実行力が大事ですから、基本が必要になります。基本をきちんとやろうといいました。それが「どぶ板営業」ですが、その点をまずは1つ明らかにしました。

 2つ目は、何のために仕事をするかをわかっていないわけです。上司のためにやるとかではなく、キリンの理念を実現するためにやる。では、具体的にどうするんだという...
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