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「自分が幸福になろう」と思うと、一気に不安が押し寄せる

真のやる気とは何か(13)自由と勇気の源、不安と臆病の源

対談 | 執行草舟田村潤
概要・テキスト
企業で働く人も、経営者も、官僚や政治家も、みな幸せになりたいと願うことで幸福病になっている。結果、人は臆病になり、少しのリスクも許容できなくなるという。そうなれば当然、勇気は湧いてこないばかりか、幸せにもなれない。だからこそ、逆説的ではあるが、現代の日本人に必要なのは、失敗する覚悟であり、不幸を受け入れる覚悟なのだ。(全14話中第13話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:13:01
収録日:2020/04/10
追加日:2020/09/25
カテゴリー:
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≪全文≫

●誰かのために動くと、関係性が変わる


田村 理念、理念といいますが、理念というものは、ある程度、どこの会社にもあるものです。それを本気で実現しようとした経営者はいないですよね。創業者は別ですよ。そのあと、何代も続いていくと。

執行 今の一部上場企業にはいないでしょう。

田村 だから、わからないのです。言葉はわかっても行動に移せないのです。それは、やったことがないからです。やらせてみることが大切です。

執行 やったことがないとできないというのは、要するに勇気がないということです。ここが難しいのですが、自由でないと勇気は出てこないのですよね。

田村 それはそうですよね。自由がないと本気になりません。

―― これはおもしろいですね。本当に総合的な部分ですね。

執行 何かの業績を上げないといけない人に必要なのは、やはり「勇気」なのです。そして勇気のもとが自由なのです。だから、自由が大切だということです。

田村 そこに、責任があるのではないでしょうか。責任を果たそうとして、いろいろやってみる。そこで自由が出てきて、いろいろな顧客との関係が出てきたという感じがするのです。

執行 そうですね。自由にできるようになると、心のなかに勇気が出てくる。

田村 どちらにしても必ず、周囲との関係性が出てきますから。誰かのためにやっていると、関係性が少し変わってきます。また誰かのためにやっていると、また関係性が変わるというように、だんだんと巻き込んでいくというスタイルです。自分の利益ではなく、お客さんのために、もっと上に向かっている。自ら進んでいろいろやっていると、知恵が出てくる。そういう姿をお客さんが見て、喜んでくれるわけです。「おまえ、俺のことをよく考えてくれているな。ありがとう」といわれて、また奮い立つ。この関係ができるのです。

執行 そうですね。自由でないと駄目だとか、順番がありますね。

田村 そう。どこをスタートするのかよくわからないのですが……。

―― お話を伺っていると、「真のやる気」が今日のテーマですが、やる気はどうも自分から出発するものではないですね。今の自分ではなく、過去からのものも全部引き受けて、そのうえで誰かのために何かをやっていく。嫌なものも何もかも全部自分でやる。

執行 引き受けなくては駄目だと。

―― 全部引き受けないと本当の意味で...
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