真のやる気とは何か
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
文学なき「やる気」は、振り込め詐欺のごとき愚劣なものになる
真のやる気とは何か(10)旧制高校出身者がいた時代の良さ
キリンビールの現場にいた田村潤氏は、ちょうど日本がバブルに沸き立つ前後から、社内会議の質が急激に低下するのを実感したという。それ以前と以後の違いは、「旧制高校出身者の有無」だった。執行草舟氏はその事実を、文学と哲学の喪失と指摘する。文学のない「やる気」は、振り込め詐欺のような、浅ましいものに直結しかねないのだと。果たして、現代日本に生きる私たちのとるべき方策とは?(全14話中第10話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:12分08秒
収録日:2020年4月10日
追加日:2020年9月4日
カテゴリー:
≪全文≫

●日本がおかしくなったころ、第一線からいなくなった人々


田村 ただ、一部上場企業などは利益からスタートします。投資家が見ているのは数字ですから。それは数字なのですが、大事なのは、数字そのものではなく、数字の意味ですよね。たとえば、「ラガーを何ケース売る」「グリーンラベルを何ケース売る」という数字ではなく、「このグリーンラベルという商品の良さを多くの人に理解してもらって、飲んでもらって、幸せになってもらう。そのための数字なのだ」というように、数字の意味をはっきりさせて、そこへ向かわせないと組織は動かない。数字では燃えないですから。

執行 それはそうですよ。

田村 今年頑張ると、翌年もっと高い目標が来ると、みんな思っていますからね。やはり、意味なのです。そのためにも、理念を語っていけばいい。

執行 そうです。そこを、うまくできるかできないかは、人によってありますね。

田村 そうですね。しつこさが大切ですね。

執行 あとは、哲学があるかないか。僕は無謀なことばかりいうほうですが、僕がいう「無謀なこと」はだいたい通る。なぜ通るかというと、自慢ではないのですが、思想に厚みがあるのです。おそらく、言葉に「迫力」というか「力」というか、何かがあるのだと思う。田村さんも高知支店で通ったということは、何かを背負っていたのです。背負っていない人間がいっても駄目ですから。田村さんのなかで、理念が熟成していたのだと思います。おそらく、そうです。

田村 日本の企業がずっと下り坂なのはなぜか。キリンのなかにいて強く感じていたのは、戦前の旧制高校出身者の存在です。当時、私が入社したころの課長連中はみんなそうでした。彼らが、定年でいなくなったあと、会議のレベルがすごく下がった感じがするのです。議論の厚みがなくなってしまったのです。

執行 それは気がするのではなく、本当にそうなったのです。

田村 旧制高校がすべて良いかどうかはわからないのですが、少なくとも、世界にはいろいろな考え方や哲学があることを、彼らは知っていたのです。

執行 旧制 高校が何を象徴しているかというと、哲学と文学。旧制高校の1つ良かったところは、とにかく大学の専門が全部別で、医学部だろうが、理工科だろうが、経済だろうが、法科であろうが、文学だろうが、どんなものでも、ヨーロッパでいう「リベラルアーツ」、つ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)

人気の講義ランキングTOP10
本番に向けた「心と身体の整え方」(1)ディテールにこだわる
トップアスリートが実践する「自分の高め方」とは…まず集中のスイッチを入れる方法は?
為末大
「満洲」から考える日本とアジア(9)アヘンの実態と満洲開発
満洲国の開発とアヘン問題…アヘンが資金源となったのは事実だが「同時代の世界」と比較せねば真実はつかめない
宮脇淳子
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(4)認知症と共生社会の実現に向けた対策
その物忘れ、認知症かも…加齢による物忘れとの違いと一番大事なこと
小川純人
今こそ問うべき「人間にとっての教養」(1)なぜ本を読むことが教養なのか
『人間にとって教養とはなにか』に学ぶ教養と本の関係
橋爪大三郎
東横インに学ぶ「女性活躍」の秘策(1)女性支配人が支えるホテル
東横インは97%が女性支配人!女性活躍のきっかけとは
黒田麻衣子
編集部ラジオ2026(35)鶴見太郎先生の公開収録を振り返る
【10min紹介】鶴見太郎先生の公開収録を振り返る・・・お寄せいただいた声
テンミニッツ・アカデミー編集部
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
文明語としての日本語の登場(1)古代日本語の復元
なぜ「てふてふ」が蝶々?日本語の変遷を追う…まずは万葉仮名から
釘貫亨