新型コロナウイルス対策~和歌山モデルの教訓
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
なぜ和歌山県は「休業補償はしない」と表明したのか
新型コロナウイルス対策~和歌山モデルの教訓(8)「休業補償」はおかしい
仁坂吉伸(元和歌山県知事/和歌山研究会代表)
「休業補償を出すのが当たり前」という風潮があるが、和歌山県は出さなかった。それは、休業要請をした業種にはお金を出し、自発的に休業した業種や店にはお金を出さないというのは理屈に合わないからだ。県として救済するなら、等しく広範囲に救済する。政治が強いメッセージを発することは大事。ただし、キャッチ―な言葉は副作用の可能性もある。そこは注意が必要。(全10話中第8話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:12分18秒
収録日:2020年7月30日
追加日:2020年9月4日
≪全文≫

●「休業補償」はせず、和歌山県独自に支援することにした


―― また、和歌山県で非常に特徴的だったのが、補償金のあり方です。特に休業補償については、和歌山県は「休業補償はしない」と表明されました。その思いとは、どのようなものでしょう。

仁坂 休業補償を一番初めに言われたのは、東京都だったと思います。東京都は影響力が大きく、マスコミの方もわりあい賛同されました。そこから「休業補償を出す太っ腹な知事」「休業補償を出さず、やたらと命令だけするケチな知事」といったイメージになり、ほんの数県を除いて多くの都道府県で休業補償が当たり前という風潮になってしまいました。私は当初から「これはおかしい」と発言もしたし、最後まで休業補償の考え方には同意しませんでした。

 これには理屈があります。まずは好き好んで営業を止めてもらっているのではない、ということです。国民ないしは県民が感染すると大変ということで、感染リスクの高いところに休業を要請している。これは営業の自由を束縛するものではなく、公益目的から、やむを得ざる措置としてやっていると考えることが正しいと思うのです。

 例えると自然災害と似ていて、災害が起きたとき「避難してください」と命令をしますが、そこで「今、営業中だから、休業補償を出してくれる?」とは誰も言わないと思います。政府も実は私の意見に賛成のようで、諸外国を見ても休業命令に対し補償するという話は聞いたことがありません。

 また、周りを見ると、休業要請をしなかった業種で、お客さんがほとんど来ないので自主的に休業をしている業種は、たくさんあります。先ほどの休業補償理論からすると、そういう業種には一銭も出しません。これも、おかしいと思うのです。

 もっといえば休業はしていないけれど、お客さんが2割しか来ていない。もう経営はガタガタという企業や業種もいっぱいあります。それに対しても、休業要請をしていないから関係ないとなる。これはおかしいのではないか、と思うのです。

 したがって和歌山県は、休業要請をした業種のみ補償することはしない。ただし県民の皆さんを等しく救済するのは、われわれの義務ですから、支援をできるだけ広範囲に行う。そのように宣言して、実行しました。

 国からも、例えば営業が50パーセントを下回る業種や店舗に対して給付金を出すことになりました。その給付金...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
戦略的資本主義と日本~アメリカの復活に学ぶ5つの提言
戦略的資本主義とは?日本再生へアメリカに学ぶ5つの提言
片瀬裕文
日本人が知らないアメリカ政治のしくみ(1)アメリカの大統領権限
権限の少ないアメリカ大統領は政治をどう動かしているのか
曽根泰教
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
外交とは何か~不戦不敗の要諦を問う(1)著書『外交とは何か』に込めた思い
外交とは何か…いかに軍事・内政と連動し国益を最大化するか
小原雅博
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
トランプの誤謬…米国製造業を壊した犯人は米国の経営者
島田晴雄
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎

人気の講義ランキングTOP10
これから必要な人材と人材教育とは?(3)無謬性とジョブローテーション
もうゼネラリストを育てる人事制度では時代に対応できない
柳川範之
AI時代と人間の再定義(6)道徳の起源から考えるAIと感情の問題
道徳の起源は理性か感情か?…AI時代に必要な思考の身体性
中島隆博
聖徳太子「十七条憲法」を読む(1)十七条憲法を学ぶ現代的意義
聖徳太子の「和」は議論の重視…中華帝国への独立の気概
賴住光子
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
プロジェクトマネジメントの基本(9)リーダーシップとモチベーション
マズローの欲求階層説を発展させたアルダーファの理論とは
大塚有希子
ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論(3)「現場の熱」こそ多角化の要点
新規事業を成功させるリーダーとは…上意下達はなぜダメか
水野道訓
これからの社会・経済の構造変化(1)民主主義と意思決定スピード
フラット化…日本のヒエラルキーや無謬性の原則は遅すぎる
柳川範之
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(6)政治と経済をつなぐ公共哲学
どのような経済レジームを選ぶか…倫理資本主義の可能性
齋藤純一
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(6)曼荼羅の世界と未来のネットワーク
命は光なのだ…曼荼羅を読み解いて見えてくる空海のすごさ
鎌田東二
クーデターの条件~台湾を事例に考える(1)クーデターとは何か
台湾でクーデターは起きるのか?想定シナリオとその可能性
上杉勇司