新型コロナウイルス対策~和歌山モデルの教訓
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
コロナ対策において大事なことは「責任」と「比較優位」
新型コロナウイルス対策~和歌山モデルの教訓(10)ポストコロナにおける国と地方の関係
仁坂吉伸(元和歌山県知事)
よく「地方分散」といわれるが、何でも地方に移せばいいというものではない。基準認証の権限や規制の権限などを地方に移せば、県ごとに基準や規制が違うことになりかねず、企業活動が不便になる。国がキープする部分と任せる部分を賢く分けるべきで、国も地方も自分たちに権限があるところは自分たちで責任を取ることが重要。同時に、国と地方それぞれの優位な点を認識し、お互いを尊重しながら協力し合えばいい。(全10話中第10話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:8分41秒
収録日:2020年7月30日
追加日:2020年9月6日
≪全文≫

●「何でも中央から地方に移せばいい」は間違い


―― 最後の質問ですが、テンミニッツTVの小宮山宏座長がよく「自律分散協調系」という言葉をお使いになっています。まさに今後、ポストコロナの時代には、そういうあり方を模索しなければならないとご提言されています。

 この自律分散協調系という考え方を前提とした場合、今後、国と地方はどのような関係にあるべきだとお考えでしょう。

仁坂 さすが小宮山先生、素晴らしい言葉をおつくりになりました。自律も大事だし、分散も大事、協調も大事ということだと思います。

 よく「地方分散」といわれます。そこから「何でも、中央から地方に移せばいい。そうすれば日本の今までの問題点は解決される」と議論される方が多いのです。「ガラガラポンすればいいのではないか」という議論はいつの時代でもありますが、われわれはもう少し真面目に考える必要があります。真面目に考えたら、地方分散にはいいところもあるし、悪いところもあります。

 悪いところは、例えば何でもかんでも地方へ移すとなって、基準認証の権限、規制の権限などを地方に移したとします。すると地方の首長、例えば私のような人は選挙で選ばれているので、人気が大事です。人気が出るようなことをやりかねない。例えば基準認証でも人々の共感を得るようなことを、パッとやってしまう。しかも、その地域だけでやってしまう。するとAという県とBという県で、基準認証が違ってくる可能性があります。これは企業活動からすると、ものすごく不便なのです。

 日本は単一の市場に1億2000万人の良質な消費者がいたから、企業が発展した面もあります。ヨーロッパは「日本に負けてたまるか」と思っていましたが、一つひとつの国が、(現時点でGDPが)最高のドイツでも8000万人ぐらいです。当時は西ドイツで5000万人ぐらいでした。

 そういう国が4つぐらいあるイメージで、それぞれが別々の基準認証と別々の企業活動の範囲を設定していたら各個撃破され、1億2000万人の日本に負けてしまう。これが実はEU統合の原動力だったと、私は思っています。結果的に3億6000万人の単一市場ができ、アメリカも2億数千万人の単一市場があります。

 そうすると、その中の地域を同体にして活動できる地域と、ナショナル一国で活動する場合と、どちらが有利かというと、大きいところです。自分のところのマザー市場を...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
戦争と暗殺~米国内戦の予兆と構造転換(1)内戦と組織動乱の構造
カーク暗殺事件、戦争省、ユダヤ問題…米国内戦構造が逆転
東秀敏
緊急提言・社会保障改革(1)国民負担の軽減は実現するか
国民医療費の膨張と現役世代の巨額の「負担」
猪瀬直樹
台湾有事を考える(1)中国の核心的利益と太平洋覇権構想
習近平政権の野望とそのカギを握る台湾の地理的条件
島田晴雄
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
日本でも中国でもない…ラストベルトをつくった張本人は?
島田晴雄
日本の財政政策の効果を評価する(1)「高齢化」による効果の低下
高齢化で財政政策の有効性が低下…財政乗数に与える影響
宮本弘曉
日本人が知らないアメリカ政治のしくみ(1)アメリカの大統領権限
権限の少ないアメリカ大統領は政治をどう動かしているのか
曽根泰教

人気の講義ランキングTOP10
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
歴史の探り方、活かし方(5)史実・史料分析:秀吉と秀次編〈下〉
『武功夜話』は偽書か?…疑われた理由と執筆動機の評価
中村彰彦
内側から見たアメリカと日本(6)日本企業の敗因は二つのオウンゴール
日本企業が世界のビジネスに乗り遅れた要因はオウンゴール
島田晴雄
編集部ラジオ2025(29)歴史作家の舞台裏を学べる
歴史作家・中村彰彦先生に学ぶ歴史の探り方、活かし方
テンミニッツ・アカデミー編集部
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
習近平―その政治の「核心」とは何か?(1)習近平政権の特徴
習近平への権力集中…習近平思想と中国の夢と強国強軍
小原雅博
宗教で読み解く世界(1)キリスト教の世界
キリスト教とは?…他の一神教との違いは神様と法律の関係
橋爪大三郎
クーデターの条件~台湾を事例に考える(1)クーデターとは何か
台湾でクーデターは起きるのか?想定シナリオとその可能性
上杉勇司
大人の学び~発展しつづける人生のために(1)「Unlearn(アンラーン)」とは何か
見方を変える!生き方を変える!そのためのアンラーン
為末大