新型コロナウイルス対策~和歌山モデルの教訓
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
「大阪モデル」をつくった吉村洋文知事の行動をどう見るか
新型コロナウイルス対策~和歌山モデルの教訓(6)前回の経験をどう生かすか
仁坂吉伸(元和歌山県知事/和歌山研究会代表)
「保健医療行政」と「国民の協力」のどちらを重視するかは、副作用を考えれば「保健医療行政」しかない。和歌山県では2020年5月下旬、県民へのメッセージを「不要不急の外出をやめる」から、「安全な外出、安全な生活、安全な営業で」に変えた。そこで前回の緊急事態宣言に学ぶとすると、注目すべきは「大阪モデル」と呼ばれる独自の解除基準を示した大阪府の吉村洋文知事の勇気ある行動である。(全10話中第6話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:9分38秒
収録日:2020年7月30日
追加日:2020年9月4日
≪全文≫

●「国民の協力」より副作用が少ない「保健医療行政」


仁坂 感染症法の権限を十分行使するときの副作用は、われわれ行政、あるいは保健所の人たちの疲弊です。つまりやはり疲れる、しんどい。一生懸命やらなきゃいけないから(当然ですが)。これが副作用の唯一のものだと思います。一方、国民の協力をお願いした瞬間、国民生活や経済がかなりの打撃を受けます。総合的に考えると、やはり副作用の少ないほうにもっと注力して、そこで最大限頑張ることを、もう一度再確認するというのが私の意見です。

 ただしそれも限度があり、もうどうしようもないところまで行けば、また国民に協力をお願いする。ただしフランスなどが行った戒厳令のような、表に出たら罰金を取られるという徹底したものではない。それでも日本より効かなかったようですが、あのようなやり方だけが国民の協力、自粛ではありません。また前回のときのように自粛を広くかけることだけが自粛ではありません。

 最後、もうどうしようもなくなったら、それしかないかもしれませんが、それまでに副作用のことも考えて、どのぐらいまで協力をお願いするかを考えていかなければなりません。

 和歌山県はある時期、「われわれは皆さんへの協力依頼を、もうしません」と宣言していました。5月下旬頃で、一度県民の皆さんへの協力依頼を全廃しました。このとき、まずは「不要不急の外出をやめてください」というものをやめて、「安全な外出、安全な生活、それから安全な営業でいきましょう」というメッセージに変えました。すなわち全面的に何でもダメではなく、「安全に気をつけながら、やっていきましょう」と考えたのです。

 特に安全な営業については、それぞれガイドラインをつくってもらい、営業はするけれど、ガイドラインを守り、注意をしながら営業してもらっていた時期がありました。

 ですから、自粛依頼もいろいろなやり方があるのです。全部シャットアウトと決めなくていい。保健医療行政がきちんと機能している限り決めなくてもいいというのが、前回の教訓だったのではないかと思います。その前提で緊急事態宣言をしてもいいと、私は思っています。


●「大阪モデル」をつくって公表した吉村知事の勇気


―― 「その前提で緊急事態宣言をしてもいい」というお話を詳しくお願いできますか。

仁坂 前回のように、80パーセント、70パーセ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
地政学入門 ヨーロッパ編(1)地図で読むヨーロッパ
ヨーロッパとは?地図で読み解く地政学と国際政治の関係
小原雅博
半導体から見る明日の世界(1)世界的な半導体不足と日本の可能性
なぜ世界の半導体不足は起きた?台湾TSMCと日本復活への鍵
島田晴雄
本当によくわかる経済学史(1)経済学史の概観
経済学史の基礎知識…大きな流れをいかに理解すべきか
柿埜真吾
経済社会と「隠れた価値」の行方(1)経済の中の価値
人間の幸福と「価値」…お金以外の「隠れた価値」をどう考えるか
吉川洋
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(1)ポピュリズムの台頭と社会の分断化
デモクラシーは大丈夫か…ポピュリズムの「反多元性」問題
齋藤純一
為替レートから考える日本の競争力・購買力(1)為替レートと物の値段で見る円の価値
ビッグマック指数から考える実質為替レートと購買力平価
養田功一郎

人気の講義ランキングTOP10
徳川将軍と江戸幕府~井伊直弼編(3)水戸藩の問題と安政の大獄
安政の大獄は失政!?…井伊直弼は何を見誤ったのか
山内昌之
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(2)教義の宗教と覚りの宗教
キリスト教は教義の宗教、仏教は覚りの宗教…仏教はなぜ普遍宗教か
橋爪大三郎
もののあはれと日本の道徳・倫理(1)もののあはれへの共感と倫理
本居宣長が考えた「もののあはれ」と倫理の基礎
板東洋介
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博
『江戸名所図会』で歩く東京~日本橋 (1)日本橋に見る徳川家康の手腕
徳川家康と江戸の町づくりー江戸時代の「日本橋」の姿とは
堀口茉純
原因と結果の迷宮~因果関係と哲学(6)不在因果の問題
不作為(◯◯しなかったこと)の原因は無限に拡散する
一ノ瀬正樹
ギリシア悲劇への誘い(7)ギリシア悲劇を論じた歴史
アリストテレス、ニーチェ…哲学者によるギリシア悲劇批評
納富信留
デカルトの存在論に学ぶ(1) 「我思う、ゆえに我在り」
「我思う、ゆえに我在り」はデカルトの専売特許ではない
津崎良典