新型コロナウイルス対策~和歌山モデルの教訓
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「大阪モデル」をつくった吉村洋文知事の行動をどう見るか
新型コロナウイルス対策~和歌山モデルの教訓(6)前回の経験をどう生かすか
仁坂吉伸(元和歌山県知事/和歌山研究会代表)
「保健医療行政」と「国民の協力」のどちらを重視するかは、副作用を考えれば「保健医療行政」しかない。和歌山県では2020年5月下旬、県民へのメッセージを「不要不急の外出をやめる」から、「安全な外出、安全な生活、安全な営業で」に変えた。そこで前回の緊急事態宣言に学ぶとすると、注目すべきは「大阪モデル」と呼ばれる独自の解除基準を示した大阪府の吉村洋文知事の勇気ある行動である。(全10話中第6話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:9分38秒
収録日:2020年7月30日
追加日:2020年9月4日
≪全文≫

●「国民の協力」より副作用が少ない「保健医療行政」


仁坂 感染症法の権限を十分行使するときの副作用は、われわれ行政、あるいは保健所の人たちの疲弊です。つまりやはり疲れる、しんどい。一生懸命やらなきゃいけないから(当然ですが)。これが副作用の唯一のものだと思います。一方、国民の協力をお願いした瞬間、国民生活や経済がかなりの打撃を受けます。総合的に考えると、やはり副作用の少ないほうにもっと注力して、そこで最大限頑張ることを、もう一度再確認するというのが私の意見です。

 ただしそれも限度があり、もうどうしようもないところまで行けば、また国民に協力をお願いする。ただしフランスなどが行った戒厳令のような、表に出たら罰金を取られるという徹底したものではない。それでも日本より効かなかったようですが、あのようなやり方だけが国民の協力、自粛ではありません。また前回のときのように自粛を広くかけることだけが自粛ではありません。

 最後、もうどうしようもなくなったら、それしかないかもしれませんが、それまでに副作用のことも考えて、どのぐらいまで協力をお願いするかを考えていかなければなりません。

 和歌山県はある時期、「われわれは皆さんへの協力依頼を、もうしません」と宣言していました。5月下旬頃で、一度県民の皆さんへの協力依頼を全廃しました。このとき、まずは「不要不急の外出をやめてください」というものをやめて、「安全な外出、安全な生活、それから安全な営業でいきましょう」というメッセージに変えました。すなわち全面的に何でもダメではなく、「安全に気をつけながら、やっていきましょう」と考えたのです。

 特に安全な営業については、それぞれガイドラインをつくってもらい、営業はするけれど、ガイドラインを守り、注意をしながら営業してもらっていた時期がありました。

 ですから、自粛依頼もいろいろなやり方があるのです。全部シャットアウトと決めなくていい。保健医療行政がきちんと機能している限り決めなくてもいいというのが、前回の教訓だったのではないかと思います。その前提で緊急事態宣言をしてもいいと、私は思っています。


●「大阪モデル」をつくって公表した吉村知事の勇気


―― 「その前提で緊急事態宣言をしてもいい」というお話を詳しくお願いできますか。

仁坂 前回のように、80パーセント、70パーセ...

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