新型コロナウイルス対策~和歌山モデルの教訓
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「クリニックに行って大丈夫」というシステムができた理由
新型コロナウイルス対策~和歌山モデルの教訓(4)現場から学ぶことの大切さ
仁坂吉伸(元和歌山県知事/和歌山研究会代表)
和歌山県が陽性者発見にクリニックの協力を求めたのは、まず病院で仕分けしたほうが現場に混乱が生じないからだ。欧米には日本のような保健所が存在しない。日本の病院で欧米のような混乱が起こらなかったのは、保健所の果たした役割が大きい。外からの情報と現場からの情報をうまく組み合わせて考えれば、よりよい方針を打ち出すことは可能になる。(全10話中第4話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:10分26秒
収録日:2020年7月30日
追加日:2020年9月3日
≪全文≫

●「クリニックに行くな」の真相


仁坂 なぜこのように(前回お話しした町のクリニックとの連携を)したのかというと、もともと風邪を引いたら、普通クリニックに行くのが人情です。それを「行くな」と言うのは、おかしいというのが第一です。またコロナであった場合、4日間も放っておくと、悪化する場合があります。だから、それは重症者をつくるようなものとも思いました。

 発熱して4日たって、やはり熱があるというとき、皆さんが行くのは「感染症指定病院」といわれるところになるでしょう。そうすると、その窓口で大混乱が生じます。実は来られた方のほとんどは風邪の重い人、あるいは別の意味での肺炎の方です。コロナにかかっている方は全体の一部で、さらに一部は大重症になっている。そうした中で現場は大混乱になりますから、やはり仕分けをしたほうがいいのです。

 しかも今はコロナの時代ですから、「クリニックへ行くと、うつるかもしれない」と皆さん、クリニックへ行かない傾向が強い。クリニックのほうは忙しいわけではないので、「クリニックに行っていただいて大丈夫です」というシステムをつくり上げました。

 その時、クリニックのほうでも、少し懸念を持たれるところも1つ2つありました。一つは「自分たちは感染症の専門家ではないし、呼吸器の専門家でもないのでコロナを治せと言われても無理です」というご意見です。これに対しては丁寧に、「治せとは言っていません」とご説明しました。「発見してくれと言っているだけで、おかしいと思ったら保健所に連絡していただければ、あとは全部、保健所と感染症専門の病院でやります」と。こう言ってご納得いただきました。

 もう一つですが、当時ですからマスクもなく診察をしているクリニックが圧倒的に多かったのです。クリニックが入手すべきマスクや消毒薬などが、入手困難になっていた。「自分自身が感染リスクに晒されながら、診てくれというのはひどい」というご意見があり、それはごもっともなので、不足しているクリニックや病院には県庁でどんどんと機材などを調達して、運ぶことでご納得いただきました。

 今は違いますが、国が当時なぜこんなことを言っていたのかというと、欧米の状況をご覧になったからだと思います。欧米では重症者が多すぎて、あるいは「われもわれも」と病院に押し寄せ、大混乱していました。その結果、重症者に...

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