新型コロナウイルス対策~和歌山モデルの教訓
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
次の動画も登録不要で無料視聴できます!
緊急非常事態のときに重要なのは「現場の癖」を知ること
第2話へ進む
新型コロナによる日本初の院内感染にどう対処したのか
新型コロナウイルス対策~和歌山モデルの教訓(1)院内感染発生当時の状況
仁坂吉伸(元和歌山県知事/和歌山研究会代表)
国内初の院内感染が、和歌山県の済生会有田病院で起きた。和歌山県ではまず入院患者を個室に移し、その後、病室を訪れる医師、看護師など、うつす可能性の高い人からPCR検査を行っていった。さらに中国人観光客が出入りするホテルなどへの聞き取り調査を絨毯爆撃的に行い、県下の病院全部に協力をあおぐなどして、最終的に県下中に広がっていないことが確認できた。県庁に相談窓口を設け、保健所に問い合わせが殺到するのも防いだ。(全10話中第1話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:12分05秒
収録日:2020年7月30日
追加日:2020年9月1日
≪全文≫

●国内初の院内感染が和歌山県の病院で発生


―― 皆さま、こんにちは。本日は和歌山県の仁坂吉伸知事にお越しいただき、「新型コロナウイルス対策 和歌山モデルの教訓」というテーマでお話をいただきます。仁坂知事、どうぞよろしくお願いをいたします。

仁坂 よろしくお願いいたします。

―― 今また新型コロナの状況が厳しくなってきています。一時期、ゴールデンウィークのステイホーム週間で落ち着いていたものが、収録日である7月末にはまた厳しいものになってきています。そうした状況の中、今後どうすればよいか、まさに現場を率いられた和歌山県のモデルをご紹介いただくことで、考えていく講義にしたいと思っています。

 今回、和歌山県が一番注目されたのが、新型コロナが流行り始めた最初期に、院内感染を含め、かなり感染が拡大したことです。このとき果敢にPCR検査を展開され、全国的にもよく報道されました。まずはその経緯から、お話しいただけますか。

仁坂 2月13日、和歌山県の紀中と紀北の間にある湯浅町の済生会有田病院という地域の中核病院で、医師とその同僚、さらに入院患者からコロナらしい症例が見られました。さっそく検査したところ、皆さん陽性ということで、「これは院内感染を起こしている。これは大変なことだ」と思いました。

 病院ですから、入院患者には、もともと別の病気で重篤の方もいます。そういう方をよそへ移すことは不可能です。ですから、そういう方は入院したままの状態で、病院内感染を止めないといけない。そういうミッションが発生します。

 当時日本では、ほとんどコロナの発生がありませんでした。のちに東京の屋形船で大量に感染者が発見されましたが、それ以前のことなので、瞬間的には日本で一番、感染者が多い県だったと思います。

 この時、大事なのは、とにかく感染者を発見して、隔離をすることです。そこでまず入院患者にそれぞれ個室に入っていただき、その後、病室を訪問する医師や看護師、病院関係者から、順番を付けて検査をしていきました。

 患者さんのもとを訪れる人は、患者さんにうつすことが考えられます。したがって、うつす可能性のある人から順番にPCR検査をして、陽性者が出たら、ただちに設備の整っている別の病院に隔離する。こういう方針を立てました。

 その次に、検査をした医師や看護師たちの近くにいる病人の方。さら...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
過激化した米国~MAGA内戦と民主党の逆襲(1)米国の過激化とそのプロセス
トランプ政権と過激化した米国…MAGA内戦、DSAの台頭
東秀敏
財政問題の本質を考える(1)「国の借金」の歴史と内訳
いつから日本は慢性的な借金依存の財政体質になったのか
岡本薫明
外交とは何か~不戦不敗の要諦を問う(1)著書『外交とは何か』に込めた思い
外交とは何か…いかに軍事・内政と連動し国益を最大化するか
小原雅博
本当によくわかる経済学史(1)経済学史の概観
経済学史の基礎知識…大きな流れをいかに理解すべきか
柿埜真吾
為替レートから考える日本の競争力・購買力(1)為替レートと物の値段で見る円の価値
ビッグマック指数から考える実質為替レートと購買力平価
養田功一郎

人気の講義ランキングTOP10
AI時代と人間の再定義(3)Human Co-becomingと存在神学への対抗
耳障りな言葉がポイント!?新しい概念を生み出すチャンス
中島隆博
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎
衰退途上国ニッポン~その急所と勝機(1)安いニッポンと急性インフレ
世界で一人負け…「安い国」日本と急性インフレの現実
宮本弘曉
これからの社会・経済の構造変化(2)経済的利益と社会課題解決の両立へ
利益か社会課題解決か…かつての日本企業の美点を取り戻せ
柳川範之
「進化」への誤解…本当は何か?(9)AI時代の人間と科学の関係
科学は嫌われる!? なぜ「物語」のほうが重要視されるのか
長谷川眞理子
平和の追求~哲学者たちの構想(6)EU批判とアメリカの現状
理想を具現化した国連やEUへの批判がなぜ高まっているのか
川出良枝
独裁の世界史~未来への提言編(1)国家の三つの要素
未来を洞察するために「独裁・共和政・民主政」の循環を学べ
本村凌二
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の実像に迫る
黒田基樹
地政学入門 ヨーロッパ編(10)グリーンランドと北極海
グリーンランドに米国の軍事拠点…北極圏の地政学的意味
小原雅博
逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる
逆境にどう対峙するか…西洋哲学×東洋哲学で問う知的ライブ
津崎良典