新型コロナウイルス対策~和歌山モデルの教訓
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
「和歌山モデル」は大都市でも可能性はあるのか
新型コロナウイルス対策~和歌山モデルの教訓(7)経済活動と感染拡大防止の両立に向けて
仁坂吉伸(元和歌山県知事)
保健所の機能を活用して感染拡大を防ぐ「和歌山モデル」は、大都市でも十分可能だと仁坂知事は言う。保健所や公務員の数が多いのだから、彼らを一つの統合ネットワークのもとに駆使すればいい。今後、新型コロナの状況がどう推移するか不明だが、再び全面的な自粛など国民の協力を求める事態になれば、行政のトップとして大きな責任を感じなければならない。(全10話中第7話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:10分13秒
収録日:2020年7月30日
追加日:2020年9月4日
≪全文≫

●「和歌山モデル」は人口が多い都道府県でも可能なのか


―― 前回、和歌山県と大阪府の比較の話が出ました。東京都も含めて、仁坂知事にお話しいただいた保健所のネットワークを中心とした総合的な対策、つまり「和歌山モデル」は、大阪や東京など人口が多い都道府県ではうまく回せないのではないか。そういう指摘なり批判も考えられると思います。ここはどのようにお感じになりますか。

仁坂 確かに少し難しくなる可能性はありますが、十分可能だと思います。例えば、一番初めに済生会有田病院の話をしましたが、あの時は和歌山県の地元の保健所が中心になり大活躍しました。だけど地元の保健所の規模は大都市よりも小さいですから、そこだけに頼ればパンクした可能性があります。そこに何でもやらせたら、パンクするに決まっています。だから、他の部署からもどんどん応援を出して、全体が機能するようにする。これを考えるのが、司令官の仕事です。

 大都市は人口が多く、保健所もたくさんある。たくさんあるということは、たくさんの人間もいる。その他の公務員の数を考えたら、人口に比例しないまでも、それに応じてたくさんいます。そういう方々を一つの統合ネットワークのもとに駆使できたら、できるのではないか。そこはトップの腕だと思います。

 2020年6月から7月の感染については、大阪も当初は完璧に押さえ込んでいたと思います。だけどとうとう大きく増え出した。だから押さえ込んでいる時を含めて、私はアドバイスした手前、「どうですか」といろいろ聞きました。きちんとやっておられたと私は信じていますが、それでもこんなに増えるのですから、やはりコロナとの闘いは容易ではないと痛感しています。


●大阪府と東京都の進め方をどう見たか


―― 今回、大阪府と東京都のあり方は、都道府県の対応の中で、特に注目されたと思います。両知事の政治スタイル、あるいは進め方は、知事からはどのように見えたでしょう。

仁坂 両方とも人気のある知事ですから、それぞれの都民、府民の方とうまくコミュニケーションを取りながら、やっていけばいいと思います。ただ、それぞれのトップが、わりとマスコミに取り上げられ、テレビなどによく出てこられます。そういう方の発言は、それが全部ではなく切り取られた一部の発言にせよ、「こういうことをやっている」ということが、すぐに分かります。

 そ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
為替レートから考える日本の競争力・購買力(1)為替レートと物の値段で見る円の価値
ビッグマック指数から考える実質為替レートと購買力平価
養田功一郎
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
日本でも中国でもない…ラストベルトをつくった張本人は?
島田晴雄
台湾有事を考える(1)中国の核心的利益と太平洋覇権構想
習近平政権の野望とそのカギを握る台湾の地理的条件
島田晴雄
グローバル環境の変化と日本の課題(1)世界の貿易・投資の構造変化
トランプ大統領を止められるのは?グローバル環境の現在地
石黒憲彦
日本人が知らない自由主義の歴史~前編(1)そもそも「自由主義」とは何か
消極的自由と積極的自由?…なぜ自由主義がわかりづらいか
柿埜真吾
クーデターの条件~台湾を事例に考える(1)クーデターとは何か
台湾でクーデターは起きるのか?想定シナリオとその可能性
上杉勇司

人気の講義ランキングTOP10
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
内側から見たアメリカと日本(7)ジャパン・アズ・ナンバーワンの弊害
ジャパン・アズ・ナンバーワンで満足!?学ばない日本の弊害
島田晴雄
歴史の探り方、活かし方(7)史料の真贋を見極めるために
質疑編…司馬遼太郎の「史料読解」をどう評価する?
中村彰彦
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
熟睡できる環境・習慣とは(2)酒、コーヒー、ブルーライトは悪者か
ブルーライトは悪者か?近年分かった「第3の眼」との関係
西野精治
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
習近平―その政治の「核心」とは何か?(1)習近平政権の特徴
習近平への権力集中…習近平思想と中国の夢と強国強軍
小原雅博
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
エンタテインメントビジネスと人的資本経営(2)日本人が知らない世界エンタメ市場
実は「コンテンツ世界収益ベストテン」に日本勢が5つも!
水野道訓