新型コロナウイルス対策~和歌山モデルの教訓
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緊急非常事態のときに重要なのは「現場の癖」を知ること
新型コロナウイルス対策~和歌山モデルの教訓(2)PCR検査と保健所の現実
仁坂吉伸(元和歌山県知事/和歌山研究会代表)
PCR検査は陽性者の発見以上に、陽性者を「隔離」するための手段である。院内感染が起きたときに、関係者全員にPCR検査をしたが、全国の保健所でPCR検査がなかなか行われなかったのは、対象者を中国と関係ある人に限定したから。その後、対象者は広げられたが、現場責任者である知事が明確な指示を出さなければ、現場の動きはなかなか変わらない。そのため厚労省の方針が変わっても、検査が行われにくい状態が続いた。(全10話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:7分41秒
収録日:2020年7月30日
追加日:2020年9月1日
≪全文≫

●PCRは「隔離」のための手段


―― 非常に重要な論点をいろいろいただいたので、順番にお聞きしたいと思います。まず1点目が、PCR検査の検査数です。

 2月中旬に和歌山県で発生して、当時はまだどういう病気かもよくわからない状況でした。和歌山県としても暗中模索のところもあったと思いますが、当時マスメディアなどでよく言われたのが、「とにかくPCR検査をたくさんしなければダメだ」という議論でした。

 今の仁坂知事のお話を聞くと、ただ闇雲にPCR検査をやったのではなく、院内感染だったこともあり、そのときの状況に応じてやられたように思います。あの当時、「どんどんPCR検査をしなければダメだ」という大合唱に対し、どのように感じていらっしゃいましたか。

仁坂 当時も今も、識者の意見を含めマスコミの論調は、「PCR検査をたくさんしなさい」というものでした。たくさんやれるに越したことはないですが、極端にいうと例えば1億人に1週間に一度ぐらいPCR検査をしないと、不十分という発想になります。そして私はPCR検査の数だけが、すべてではないと思っています。なぜならPCR検査は第一義的には、隔離のための手段だと思っているからです。

 この「隔離」は、テンミニッツTVで小宮山宏先生が使っておられる用法とは少し違います。小宮山先生は「ステイホーム」、家に閉じこもって接触を立つことを国民的な意味での「隔離」とおっしゃっています。私はもっとミクロで、感染者を病院に入れて接触を断つ意味での「隔離」です。その隔離のための手段だと思うのです。

 これは感染症法で、「保健所がその機能を持つ」と定めてあります。誰を隔離すべきかは検査をしないと分からないので、PCR検査をして陽性者を隔離するのが本旨だと思っています。

 当時はPCR検査できる数も少なかったので、われわれもずいぶん苦労しました。済生会有田病院で感染が発生した時は、私が「全部、検査しろ」と命じ、そのために検査を分析する環境衛生研究所の職員は一時、徹夜のような状況になりました。キットは厚労省に無理を言って頂き、さらに大阪にも頼みました。


●重要なのは「現場の癖」を知ること


仁坂 当時マスコミなどで、「PCR検査をたくさんした仁坂知事はえらい」などと言われましたが、各地の保健所はなぜやらなかったのか。実は「この患者さんはコロナではないか」と病院やクリニックから連絡を...

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