米国の対中政策~戦略の現状と課題
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
日米同盟の今後を考える上で重要な「三つの共有」
米国の対中政策~戦略の現状と課題(7)深掘り編:ポスト・トゥルースの時代
政治と経済
吉田正紀(元海上自衛隊佐世保地方総監/一般社団法人日本戦略研究フォーラム政策提言委員)
アメリカ国内の分断はかつてない深刻な状況に陥っている。2020年大統領選挙での討論会が象徴的で、人の意見を聞かない、耳障りのいいことだけが残っていく。「ポスト・トゥルースの時代」を迎えたということだろうか。ではそうした急激な変化を見せるアメリカと日本の関係は、今後どうあるべきか。その基軸が「日米同盟」にあることは確かだが、同盟を保つには何が必要なのか。講義収録後の質疑応答編その1。(全8話中第7話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)・川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:13分15秒
収録日:2020年10月7日
追加日:2021年1月5日
カテゴリー:
≪全文≫

●アメリカ国内の分断状況はかつてない深刻さ


―― 吉田先生、「米国の対中政策~戦略の現状の課題」の講義、まことにありがとうございました。ぜひ、こちらにつきまして質疑応答をお願いできればと思います。どうぞよろしくお願いをいたします。

吉田 よろしくお願いします。

―― 吉田さん、どうもありがとうございました。毎回毎回充実度が上がってくるので、いつも楽しく聞かせていただいております。

 COVID-19を境に米中対立がさらに激化してきている状況が、今日の吉田さんの説明で分かりました。第一次世界大戦の死者を上回るようなコロナの問題があり、香港の問題があって、トランプ対バイデンというアメリカ大統領選があり、米国内を分裂してしまうようなデモクラシーへの闘いがあった。ワシントンの安全地帯に住んでおられる吉田さんのお家でも騒動に巻き込まれたということでしたね。

 今回のお話で私どもが非常に危惧しているのは、トランプとバイデンというよりも、その後方にいる人たちの分断がかなり決定的になっていることです。アメリカの「対中戦略」と同時に、アメリカ国内の分断がここまで強くなった時期はなかなか見たことがない感じがします。そのあたり、いかがでしょうか。

吉田 私は、1991年から93年に最初にアメリカに来ました。「イージスシステム」のための留学でしたが、ニュージャージーの田舎に住みました。当時アメリカで問題になっていたのは、いわゆる教育の問題や経済不況、さらに都市部では白人が郊外に出ていき、マイノリティの人たちが流入するという一種のドーナツ化現象もありました。

 そのような社会的問題はあったにせよ、例えばその頃戦われていた湾岸戦争などについては、まさに国を挙げる体制で、これほどまとまるものかというところを見せてくれました。問題が深刻な割にはいつも楽観的だった気がします。一言でいうと、「明日は今日よりもいいのではないか」という姿勢です。


●ディベート慣れした大統領候補のテレビ討論会


吉田 次に2005年には在米日本大使館の防衛駐在官のトップとしてアメリカに来て、やはり3年間いました。テロとの闘いの真っ最中でした。この時は共和党と民主党が相容れないような部分が出てきたにせよ、それでも超党派の合意があったように感じます。

 ちょうどこの頃からソーシャルネットワークといったものが出現します。そ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
「新しい資本主義」の本質と課題(1)新自由主義と『21世紀の資本』
新自由主義からの時代背景から「新しい資本主義」を問う
柳川範之
マルクス入門と資本主義の未来(1)マルクスとはどんな人物なのか
マルクスを理解するための4つの重要ポイント
橋爪大三郎
グローバル環境の変化と日本の課題(1)世界の貿易・投資の構造変化
トランプの動きを止められるのは?グローバル環境の現在地
石黒憲彦
独立と在野を支える中間団体(1)「中間団体」とは何か
なぜ中間団体が重要か…家族も企業も学校も自治会も政党も
片山杜秀
政治学講座~選挙をどう見るべきか(1)選挙の意味
選挙と政治権力…「選挙に勝つ」とはどういうことか?
曽根泰教
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博

人気の講義ランキングTOP10
「アカデメイア」から考える学びの意義(4)学びの3つのキーワード
より良い人生への学び…開かれた知、批判の精神、学ぶ主体
納富信留
ヒトは共同保育~生物学から考える子育て(1)動物の配偶と子育てシステム
ヒトは共同保育の動物――生物学からみた子育ての基礎知識
長谷川眞理子
未来を知るための宇宙開発の歴史(7)米ソとは異なる日本の宇宙開発
日本の弾道ミサイル開発禁止!?米ソとは異なる宇宙開拓の道
川口淳一郎
「集権と分権」から考える日本の核心(1)日本の国家モデルと公の概念
日本は集権的か分権的か…地理と歴史が作る人間の性質とは
片山杜秀
編集部ラジオ2025(19)堀口茉純先生の「講義録」発刊!
著者が語る!『『江戸名所図会』と浮世絵で歩く東京』
テンミニッツ・アカデミー編集部
数学と音楽の不思議な関係(1)だれもがみんな数学者で音楽家
世界は数学と音楽でできている…歴史が物語る密接な関係
中島さち子
モンゴル帝国の世界史(2)チンギス・ハーンのカリスマ性
自由な多民族をモンゴルに統一したチンギス・ハーンの魅力
宮脇淳子
定年後の人生を設計する(1)定年後の不安と「黄金の15年」
不安な定年後を人生の「黄金の15年」に変えるポイント
楠木新
知識創造戦略論~暗黙知から形式知へ(1)イノベーションと価値創造
価値創造において重要なのは未来から現在を見るという視点
遠山亮子
日本のエネルギー政策大転換は可能か?(1)原発最大限活用の根拠と可能性
第7次エネルギー基本計画とは?原発活用方針の是非を問う
鈴木達治郎