●「超一流の人材」を迎えるためのフォーメーション
―― 日本における外国人のグローバル人材としての要件として、どんなことが考えられるでしょうか。たとえば日産には(パトリック・)ペラタ氏のように一級品のフランス人が来られましたね。
西川 要するに、先ほど言ったようなトップ層の構成がなぜ重要かというと、グローバルな会社を経営する以上は、それなりの一級品が来なくてはいけないからです。
―― そうでしょうね。
西川 その一級品の人たち、これはアメリカ人であろうがフランス人であろうが、中国人やスペイン人やメキシコ人であろうが、やはりできれば超一流、悪くても一流の人材を持ってこられるような場でなくてはいけない。そこにはもちろん処遇というのもあるわけですけれども、処遇だけではなく、仕事をしていくフォーメーションが重要です。
「ここは日本人が日本のやり方で仕切っているので、あなたはこうやってください」ということでは、絶対に二流しか来ません。
日本の会社だから、当然日本で上場しているし、日本流のことをやってもらうのだけれども、経営としてはこういう結果を出してもらわなければいけない。そのためにこんなフォーメーションでやる。あなたも当然、主体性をもってやるのだけれども、そのときに「アメリカではこうだったから、こうやるぞ」ということでは駄目です、と。
要するにこの組織、ここの事業とお客様の層を相手にして仕事をするときに、どうすればいいのかということを真剣に悩んでくれ。悩んだ結果、みんなそれぞれの仕事のしかた、それぞれの見方があると思う。これらを尊重しながら、日産流の仕事のしかたを苦労して編み出していく。そういう仕事をここでやるという覚悟があるのだったら来てくれ、と。そういうことでしょうね、きっと。
―― それは分かりやすいですね、本当にそうです。
西川 結果論で見ると、当時ルノーから来た人材は、ルノーで仕事をしているよりも日産の再生をやったほうが舞台が大きいですから、そういう意味では、ルノーのなかでピカピカの若手が来たということだと思うのですね。だから、相当レベルが高かったです。
―― 40代前半でナンバー2になった彼(パトリック・ペラタ氏)などはすごいわけですよね。ピカピカでした。
西川 彼も今は年を取りましたけれど、いまだに自動車業界を語らせたらピカイチのア...