ゴーン改革の反省とグローバル経営の教訓
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ゴーン改革のなかで経営者人材はいかに育ったのか?
ゴーン改革の反省とグローバル経営の教訓(3)経営者人材の育成
西川廣人(株式会社西川事務所代表/日産自動車株式会社 元代表執行役社長兼CEO)
 組織運営では、あまり当初の指標にこだわると、前に進みにくくなる。ゴーン改革の妙味は、短期で達成できる具体的な成功体験を全社的に味あわせるところにあった。また、ヨコ軸とタテ軸のクロスファンクショナルな経営を進めていくなかで、それをリーダーとして率いたメンバーたちが、次世代の経営者人材として育っていき、次の発展段階で大いに役立つことになる。(全9話中第3話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
時間:10分08秒
収録日:2020年11月10日
追加日:2021年5月17日
≪全文≫

●ショートタームでスモールサクセスをつくる方法


―― オックスフォードで西川さんが講義をした資料が私の手元にありますが、これは本当に驚くべき速さですね。最初の2年間で第一ステップを超えて、それで第二ステップに回していくという。

西川 そうですね。その段階では、中にいたわれわれも、あるいは当時の社長であったゴーン社長自身も、どんなペースで事を進められるのか、100パーセント確信があったかというと、そうではないと思います。ただ、「こっちに行こうね」と方向性があり、「最初はまず、ここまでやろう」というやり方をしたわけです。

 ところが、ある程度スピード感をもって進められたので、途中であまり迷わずにできた 。マトリクスによる仕事のしかた、軸を通していく仕事のしかたが、最初の段階、次の段階というかたちでスムーズに進めた背景に、それがあったのではないかと思います。

―― 最初の1年が経った段階で、もう半期で黒字が出ました。まずショートタームでスモールサクセスを作ってしまうという、このやり方もすごいですね。

西川 ゴーン社長自身、全体を大きな場と見て、そういう仕事をされましたし、われわれも同様です。仕事のしかたが整理されていないときには、ある部分で、ある目標を持つ。「この目標に向かってやろう」というなかで、小さい成功でもいい、「できたね」ということがあれば、 プロセスをさかのぼって「どういうことをすればよかったのか」と整理することができます。

 組織運営である以上、取り組む前には当然「プロセス・アンド・プロシージャ(process and procedure: 何をどのようにするのか)」をきちんとして、KPI(Key Performance Indicator: 重要業績評価指標)を決めます。しかし、ここにあまり細かくこだわっていると、なかなか進まない。ざっくりと決めて、まず成功体験を積み 、「こういうやり方をすればいいんだね」と実感することです。そのほうがおっしゃった通り、速いし、現実的だし、具体的だという感じがします。そういうことを全社的に体験させようという仕掛けで動かせた のだと思います。


●機能をまたいで成果を出すための方法を経験した人材


―― 西川さん自身もそうですが、新しい改革チームのメンバーの人選を急がれました。そのメンバーの人たちが2年で経営者人材として育たれたということなのですね。

西川 その段階で育...

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