ゴーン改革の反省とグローバル経営の教訓
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なぜ「日産リバイバルプラン」を前倒しで達成できたのか
ゴーン改革の反省とグローバル経営の教訓(2)最初のステップ
西川廣人(株式会社西川事務所代表/日産自動車株式会社 元代表執行役社長兼CEO)
 西川氏が振り返るのは、ゴーン体制の最初のステップの鮮やかさだ。個別に抱える複雑な問題を解決するために、グローバルな横軸を通し、さらに地域毎の「マネジメントコミッティ」をつくった。そして「共通の定義」による「共通の目標」を設定し、一貫性のある仕事に向けて「まず一歩」を進め出したのである。その結果、最初の2年で当初の全体目標を達成。みんなが仕事の進め方をつかみ、自信を抱くようになった。(全9話中第2話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
時間:10分32秒
収録日:2020年11月10日
追加日:2021年5月10日
≪全文≫

●あとから見ると単純だが、中の人からは分からなかったこと


西川 ゴーン体制になって、生産、物流、購買というものづくりの軸を(地域横断でグローバルに)通し、それとは別に、販売を直接つなげた地域ごとの「マネジメントコミッティ」をつくりました 。これで少なくとも仕組みとしては、「そうか。そう仕事をすればいいのか」ということが、もう少し、はっきりと見えてきました。

 (ゴーン体制で)やったことは、あとから考えてみると、比較的単純なことだと思うのですが、当時の日本人の目には「どこから手をつけていいか、なかなか見えてこなかった」ということではないでしょうか。

―― あとから見ると単純だけれど、実際に中の人から見ると分からなくて、いろいろ試行錯誤しながら、どんどん悪化していく。そのときに、ちょうどいいタイミングでゴーンさんが出てくるという。

西川 そうだと思います。

―― そうですね。深刻な反省はしていたけれども、自分たちはどうしていいかわからないという、ちょうどいいタイミングだったわけですね。

西川 ですから、「その力をある方向に持っていけば絶対にすぐ回復するはずだ」という確信は、相当早い段階で持ったのではないでしょうか。

―― そうでしょうね。やはりそれだけ苦しんできたからですよね。

西川 そうだと思いますね。日産の場合は、海外投資は非常に早かったです。その分、他の皆さんより先へ行かなくてはならなかったのですが、逆になってしまった。収益がこうなって(下降して)しまったということですから、そのキャッチアップがかなりのスピードで進んだということでしょうね。


●分かりやすい共通の定義で、分かりやすい共通の目標を設定する


―― (ゴーン体制では)クロスファンクショナルチーム(Cross Fuctional Team: 経営課題を解決するため、部門や役職を横断して人材を集めて構成されるチーム) をつくってから、リバイバルプラン(日産リバイバルプラン: NRP)の発表まで、ものすごい速さですよね。最初に面談をして、クロスファンクショナルチームを選んで、リバイバルプランに持っていくまでを、半年くらいの時間軸で行く。しかも削ぎ落として削ぎ落として、ものすごくシンプルなかたちにしていく。あそこが、経営者のある種の技法なのでしょうか。

西川 技法というか、いろいろと抱えている状況には、やはりいろいろ...

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