ゴーン改革の反省とグローバル経営の教訓
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
ベンチャー企業と大企業の壁を壊すべく人材の流動化を
ゴーン改革の反省とグローバル経営の教訓(9)日本の活性化
経営ビジネス
西川廣人(株式会社西川事務所代表/日産自動車株式会社 元代表執行役社長兼CEO)
日本のマーケットは、世界的に見ると、どんどん縮んでいる。一方で、アメリカやEUや中国の市場は、どんどん拡大し、一定の規模があるので、そこで成功したベンチャー企業が、そのまま世界に打ち出していける利点がある。では、日本の仕組みや組織風土を変えるためには、どのようなことが必要なのだろうか? 変化は確実に起こっている。国境を越えた視野や人材活用など、日本に求められることとは?(全9話中第9話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
時間:9分01秒
収録日:2020年11月10日
追加日:2021年6月28日
≪全文≫

●ベンチャーをめぐる日米中欧の差とは?


神藏 あと、日本のマーケットは、世界的に見るとどんどん縮んでいますよね。このなかでベンチャー企業がいくらやっても、ある程度の売上サイズにしかならない。だから、日本が再復活するためには、大企業がもう1回、再活性化できない限り難しい。ここはもう完全にサプライチェーンが違いますよね。

西川 人材の流通を見ていたとき、日本発の大きな会社がグローバルなサプライチェーンのなかである地位を占めていますから、それなりに仕事は国際的ですし、そのなかでキャリアを積んでいる日本人も海外のことはよく知っている。しかし、その中の人の動きが残念ながら、先ほど申し上げたように機能軸中心や経験中心なので、事業を運営するコンピテンシー(competency: 高い成果につながる行動特性)は、あまりリッチではないというわけです。

 一方で、言われた通り、起業家精神のある皆さんがいろんな事業を立ち上げてやっておられるけれども、これは日本で立ち上げると相手は日本なので、マーケットは小さい。

 世界中そうなのかと思ってみると、アメリカのベンチャーというのは、ベンチャーが大きくなってアップルになったりしているわけです。結局、彼らは枡(ます)が大きい。そこで立ち上げて、アメリカを相手にすることで大きな規模になれるから、そこから先、世界に打って出るのは簡単だったり、その過程でグローバルスタンダードの一部になっていたり、というようなことが起きるわけです。

 人の動きを見るときにも、アメリカのなかでは、どちらかというと「そういう皆さんがどう動くか、どう出世するか」が中心になって、「トラディショナルな産業のなかでどう人が動くか」はあまり大きな問題にならない。むしろ、新しい産業やベンチャーで大きな流れができて、トラディショナルな産業もそちらに影響される状態になりつつあります。

 ところが、日本の場合は逆で、トラディショナルな産業が従来型で動いているので、ベンチャー流の人のあり方や経験のしかたがなかなか日本全体を動かすような大きなトレンドの変化にならない。こっちはこっち、あっちはあっちという状態になりやすい。

 これを見ると、アメリカもそうだし、これから中国も相手が大きいですから、ベンチャーの皆さんというのは同じように、かなり主流になっていく。それからヨーロッパというのは...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
メンタルヘルスの現在地とこれから(1)「心を病む」とはどういうことか
なぜ「心の病」が増えている?メンタルヘルスの実態に迫る
斎藤環
ストーリーとしての競争戦略(1)当たり前の重要さ
柳井正氏の年度方針「儲ける」は商売の本筋
楠木建
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
日本企業の弱点と人材不足の克服へ(1)膠着する日本経済の深層
日本経済の行き詰まりをもたらした2つの大きな理由とは
西山圭太
会社人生「50代の壁」(1)“9の坂”とまさかの坂
サラリーマン人生「50代の壁」を乗り越える生き方
江上剛
ウォーレン・バフェットの成功哲学(1)「世界一の投資家」の実像
世界一の投資家ウォーレン・バフェット…賢人と呼ばれる理由
桑原晃弥

人気の講義ランキングTOP10
トランプ・ドクトリンと米国第一主義外交(1)リヤド演説とトランプ・ドクトリン
トランプ・ドクトリンの衝撃――民主主義からの大転換へ
東秀敏
数学と音楽の不思議な関係(3)音と三角関数とフーリエ級数
フーリエ解析、三角関数…数学を使えば音の原材料が分かる
中島さち子
ヒトは共同保育~生物学から考える子育て(3)共同保育を現代社会に取り戻す
狩猟採集生活の知恵を生かせ!共同保育実現に向けた動き
長谷川眞理子
外交とは何か~不戦不敗の要諦を問う(2)外交と軍事のバランス
外政家・原敬とは違う…職業外交官・幣原喜重郎の評価は?
小原雅博
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
第2の人生を明るくする労働市場改革(1)日本の労働市場が抱える問題
シニアの雇用、正規・非正規の格差…日本の労働市場の問題
宮本弘曉
キケロ『老年について』を読む(1)キケロの評価と「老年の心構え」
老年が惨めと思われる4つの理由とは…キケロの論駁に学べ
本村凌二
「アカデメイア」から考える学びの意義(1)学びを巡る3つの危機
「学びの危機」こそが現代社会と次世代への大きな危機
納富信留
編集部ラジオ2025(20)納富信留先生の「アカデメイア」講義
プラトンのアカデメイアからテンミニッツ・アカデミーへ
テンミニッツ・アカデミー編集部
戦前、陸軍は歴史をどう動かしたか(1)総力戦時代の到来
日英同盟の廃棄、総力戦…世界秩序の激変に翻弄された日本
中西輝政