ゴーン改革の反省とグローバル経営の教訓
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
電気自動車時代に向けていかに舵取りすべきだったか
ゴーン改革の反省とグローバル経営の教訓(6)革新と多様性
西川廣人(株式会社西川事務所代表/日産自動車株式会社 元代表執行役社長兼CEO)
2000年代は、「電気自動車」をはじめ自動車の電動化への潮流が大きなものとなっていった。このような流れのなかで、自動車会社としては、もちろん新商品のための投資が必要不可欠だが、一朝一夕に事が成るわけではない。そんなとき企業にとって、「絶えず収益を求められる状況」は、まことに厳しい。では、ルノーと日産の関係はどうだったのだろうか。さらに、トップマネジメントチームに求められるものとは、どのようなものだったのか。(全9話中第6話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
時間:8分07秒
収録日:2020年11月10日
追加日:2021年6月7日
≪全文≫

●電気自動車へのゲームチェンジ時代に求められる選択肢


―― 電気自動車のようなイノベーションが多数起こり、自動車業界のなかにゲームチェンジの状況が出てくると、長期投資をしたい企業にとって、絶えず収益を求められるのはなかなか難しいですね。

西川 難しいでしょうね。特に自動車の業界では、投資をしてリターンが返るまでが長いです。とくにその頃は「電動化」が出てきたときで、これは一朝一夕に事が成るわけではない。そうすると一番難しいパターンで、徐々に徐々に投資をしながら、従来型の、つまりガソリンエンジンやディーゼルエンジンを徐々に徐々に減らしていく。そのために両方お金がかかってしまうのです。

 そういう時代が長く続くことになると、これはかなり大変です。(2005年頃は)ちょうどそういう状況になりかねないところに向かっていく時期だったわけですが、どういうふうにそこを乗り切るかを戦略的に考えると、台数を伸ばすだけに注力するのではない選択肢もあったのではないかと思います。

―― なるほど。でも、すごい場面を経験されていますね。ルノーが(株式の)マジョリティを持っている部分だと、上げ続けている利益を落とす選択肢は確かに難しいですね。

西川 それは、われわれが勝手に考えたことかもしれません。ルノーも自動車会社ですから、それなりに同じような悩みを持っていました。ルノーが日産に口を出してディスターブ(disturb: 妨害)されるようなことは、決してなかったです。そういう意味では、パートナーとしては非常にやりやすいパートナーだったのではないかと私は思います。お互いに悩みも分かっているなかで、お互いに成果を出せばいいではないかという。43パーセントの株主とは言いながら、そういうスタンスを持っていましたからね。

―― すると、途中からゴーン氏が変わるわけですね。彼が変わるというか方向軸が少しずれはじめるというか。

西川 彼の最大の功績は、こういうグローバル・オペレーションをする会社としてのベースを作り上げたというところで、やはり将来に向けての最大の財産だと思います。今はそういう会社になっていますし、内部にはもちろん多様性も包含しています。一方で、彼が一番気にしていた「技術の日産」という技術の軸は脈々と生きています。将来に向けた大きな一歩として、その部分は彼だけがやったわけではないですけれど、...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
億万長者への道(1)お米屋さんから不動産業界へ
「背広を着てビジネスがしたい」との思いから宅建取得
高橋誠一
マザーテレサとの出会い
人生を変えたマザーテレサの言葉…あの人たちはキリストだ
上甲晃
野獣の経営、家畜の経営(1)経営センスが育つ土壌
ファーストリテイリングで経営者が育つ理由
楠木建
ストーリーとしての競争戦略(1)当たり前の重要さ
柳井正氏の年度方針「儲ける」は商売の本筋
楠木建
バブル世代の現実とこれからの生き方
バブル世代は「バブル崩壊世代」、苦労の先に見えるものがある
江上剛
東洋の叡智に学ぶ経営の真髄(1)経営とは何かをひと言で?
経営をひと言で?…松下幸之助曰く「2つじゃいけないか」
田口佳史

人気の講義ランキングTOP10
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(1)史実としての豊臣兄弟と秀長の役割
豊臣兄弟の謎…明らかになった秀吉政権での秀長の役割
黒田基樹
インテリジェンス・ヒストリー入門(1)情報収集と行動
日本の外交には「インテリジェンス」が足りない
中西輝政
逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる
逆境に対峙する哲学カフェ…西洋哲学×東洋哲学で問う矛盾
津崎良典
編集部ラジオ2025(31)絵で語る葛飾北斎と応為
葛飾北斎と応為の見事な「画狂人生」を絵と解説で辿る
テンミニッツ・アカデミー編集部
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(2)バイアスの正体と情報の抑制
『100万回死んだねこ』って…!?記憶の限界とバイアスの役割
今井むつみ
葛飾北斎と応為~その生涯と作品(2)『富嶽三十六景』神奈川沖浪裏への道
『富嶽三十六景』神奈川沖浪裏のすごさ…波へのこだわり
堀口茉純
平和の追求~哲学者たちの構想(1)強力な世界政府?ホッブズの思想
平和の実現を哲学的に追求する…どんな平和でもいいのか?
川出良枝
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
熟睡できる環境・習慣とは(4)起きているときを充実させるために
夜まとめて寝なくてもいい!?「分割睡眠」という方法とは
西野精治
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(2)言葉を理解するプロセスとスキーマ
なぜ子どもは教えられても理解できないのか?鍵はスキーマ
今井むつみ