米国史から日本が学ぶべきもの
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百年前のトランプ?…ハーディング大統領と狂騒の20年代
米国史から日本が学ぶべきもの(4)アメリカの「もう一つの顔」
神藏孝之(公益財団法人松下幸之助記念志財団 理事 /松下政経塾塾長代理/テンミニッツ・アカデミー論説主幹)
第一次世界大戦後、ウィルソンに代わって政権を担ったのは共和党のウォレン・ハーディングであった。「常態への復帰」を掲げて、民主党のコックスに大差をつけて当選した彼の政策には、トランプ政権との類似性が多く見られる。それはどのようなことか。(全5話中第4話)
時間:9分01秒
収録日:2021年5月21日
追加日:2021年7月3日
カテゴリー:
≪全文≫

●「自国第一主義」と「常態への復帰」


 ウィルソンはアメリカ本来のDNAに合っていませんでした。第一次世界大戦の途中から参入して、グローバリズムで国際連盟をつくり、大英帝国がやったことと同じようなことをやろうと思いました。しかし、基本的にはイギリスが嫌でイギリスから逃げてきた人たちがつくった国なので、そもそも遺伝子が合いません。これはウィルソン政権の最後のほうになると、人種暴動が起きたり、ウォールストリートで爆破事件が起きたりしました。

 この頃、第一次世界大戦の終わりの1918年から3年にわたって、感染症であるスペイン風邪のパンデミックが起こります。ウィルソンは大統領選に参戦しようと思ったのですが、出られないくらい人気がありませんでした。

 人びとが「もうグローバルなんかもうどうでもいい」「アメリカ第一主義で、孤立主義の国内問題を解決してくれ」となっていたその時にハーディングが出てきます。

 ハーディングの選挙スローガンは、「正常に戻ろう」ということと「アメリカ第一主義」です。それから、ヨーロッパに関わりたくないという、本来のアメリカの「孤立主義」です。

 コックスもハーディングも両方とも無名の候補者で、ハーディングは誰を敵にしたかというと、ウィルソンを徹底的に批判します。それから、選挙のやり方を変えて、遊説ではなく徹底的にラジオを使います。トランプがSNSを使ったのと同じようなことです。この100年前のアンドリュー・ジャクソンもそうでしたが、ポピュリズムを徹底的に考えます。その結果、相手候補者との得票差の比率で見ると、ハーディング以上に勝った大統領はいません。

 その後やったことは、極端な減税と富裕層の優遇、そしてもう移民はなるべく入れないということです。これが排日移民法として現れてきます。とにかく高率関税をかけて、国際連盟など前大統領が提案してできたものに対して加入を拒否します。一方で、ワシントン軍縮会議ではアメリカと日本が詰めながら、中国に出て行くために日英同盟を破棄させます。こうしたことがセットになって、ここでまた次のアメリカの顔が出てきます。


●狂騒の20年代から世界恐慌へ


 これは1920年代の「狂騒の20年代」です。ここではある種...

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