デジタル全体主義を哲学的に考える
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
格差や貧困の問題を解決するための鍵は反資本主義的なもの
デジタル全体主義を哲学的に考える(4)資本主義のあり方を問い直す
政治と経済
中島隆博(東京大学東洋文化研究所長・教授)
資本主義の波に溺れないためにはどうすればいいか。いったんその流れを切断しなければ、資本主義のあり方自体、見えてこないだろう。資本主義が差異を利用するシステムであることは変わらない。しかし、そのシステムにドライブがかかって、どんどん進んでいく中で、格差が広がっている。どこかでそれを止めるストッパーの仕組みを入れておかないといけない。そうしなければ、格差や貧困の問題は解決できないのではないか。(全7話中第4話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:10分22秒
収録日:2021年5月28日
追加日:2021年11月26日
≪全文≫

●資本主義的な流れを切断しなければ、資本主義は見えてこない


―― 考えてみれば、ヨーロッパ社会においても、例えば修道院があります。ある意味では、日本の禅寺に似た、あるいは匹敵するような人を育てる組織はずっと普遍的にありました。これはたぶん世界中いろいろなところにあったと思います。そういう人を高めるあり方に、どう光を当てて、大きくしていくかを考えることが、今後の資本主義の一つのあり方において大事になっていくのでしょうか。

中島 そうだと思います。よく「人材養成が大事だ」といわれますが、「人材養成をどういうイメージでお考えになっているのですか?」と逆に問いたいと思います。

―― 昔であれば、モデルパターンとして、こういうサラリーマンになったら良い、あるいはこういう経営者になったら良いというのがあったかもしれません。しかし、ここまでの社会になってくると、こういう人が良いというのがなかなかつかみづらいですね。

中島 そうです。やはり資本主義なら資本主義のあり方自体を、大局的にも、あるいはミクロでも把握できる能力が必要だと思います。こういう言い方をすると矛盾に聞こえるかもしれませんが、そのためには、資本主義的な流れからいったん身を切断していかなければいけません。そうやって見ないと、資本主義は見えてこないと思います。切断して、もう一回、つなぎ直してみる作業が必要なのではないでしょうか。現代的な禅寺や修道院にはそういう役割があるのかなと思います。

 資本主義の流れの中で、われわれはグルグルといつも溺れている感じですが、どこかでそれを切断していく契機が絶対に必要です。本当は資本主義自体がそれを大事にしたほうがいい気がします。そうしないと、資本主義はもう資本主義ではないものに変質して、消えてしまうかもしれない気がします。


●人が変容するために必要なのは情報を減らしていくこと


―― カトリックの歴史でいうと、(権力と癒着した時期と、権力と対峙する時期とでいろいろとありましたが)いわゆる世俗権力とは違うもう一本の柱としてずっとありました。この資本主義においても、ある意味ではそうしたもう一本の柱としての価値観をつくっていくことで、中にいたら分からないことも、外から見られるようになるというイメージでしょうか。

中島 私はそうだと思っています。

―― デジタル全体主義の話...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
本当によくわかる経済学史(1)経済学史の概観
経済学史の基礎知識…大きな流れをいかに理解すべきか
柿埜真吾
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
自民党総裁選~その真の意味と今後の展望
「マスコミ報道」では見えない自民党総裁選の深い意味
曽根泰教
アンチ・グローバリズムの行方を読む(1)世界情勢の転換
強まるアンチ・グローバリズムの動きをどう見ればいいか
岡本行夫
トランプ政権と「一寸先は闇」の国際秩序(1)国際秩序の転換点と既存秩序の崩壊
経済秩序や普遍的価値観を破壊し、軍事力行使も辞さぬ米国
佐橋亮
半導体から見る明日の世界(1)世界的な半導体不足と日本の可能性
なぜ世界の半導体不足は起きた?台湾TSMCと日本復活への鍵
島田晴雄

人気の講義ランキングTOP10
ヒトは共同保育~生物学から考える子育て(1)動物の配偶と子育てシステム
ヒトは共同保育の動物――生物学からみた子育ての基礎知識
長谷川眞理子
数学と音楽の不思議な関係(1)だれもがみんな数学者で音楽家
世界は数学と音楽でできている…歴史が物語る密接な関係
中島さち子
睡眠から考える健康リスクと社会的時差ボケ(5)シフトワークと健康問題
発がんリスク、心身の不調…シフトワークの悪影響に迫る
西多昌規
モンゴル帝国の世界史(2)チンギス・ハーンのカリスマ性
自由な多民族をモンゴルに統一したチンギス・ハーンの魅力
宮脇淳子
DEIの重要性と企業経営(4)人口統計的DEIと女性活躍推進の効果
日本的雇用慣行の課題…女性比率を高めても業績向上は難しい
山本勲
編集部ラジオ2025(18)音楽って実は数学でできている?
動画講義だからこそ音楽と数学の深い関係がよくわかる!
テンミニッツ・アカデミー編集部
トランプ政権と「一寸先は闇」の国際秩序(2)米中対立の現在地
全ては経済?…米中対立の現状とリスクが高まる台湾危機
佐橋亮
「集権と分権」から考える日本の核心(2)非常時対応の中央集権と東アジア情勢
契機は白村江の戦い…非常時対応の中央集権国家と防人の歌
片山杜秀
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(1)ルーズベルトに与ふる書
奇跡の史実…硫黄島の戦いと「ルーズベルトに与ふる書」
門田隆将
田沼意次の革新力~産業・流通・貨幣経済(1)田沼意次の生い立ちとその時代
田沼意次とは?再評価で注目の人物像と時代背景に迫る
養田功一郎