スティーブ・ジョブズの成功哲学
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ジョブズの復帰で始まった「どん底からの逆転劇」の真相
スティーブ・ジョブズの成功哲学(3)ジョブズの略歴〈下〉
桑原晃弥(経済・経営ジャーナリスト)
自分でつくった会社をクビになったスティーブ・ジョブズは、人生の岐路に立たされる。そこでジョブズが選択したのは新しい会社を立ち上げることだった。ピクサーの買収、アップルへの復帰と大逆転劇など、ネクストの設立からジョブズの死まで、その人生を振り返る。(全9話中第3話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:11分56秒
収録日:2022年3月15日
追加日:2022年5月7日
≪全文≫

●ネクストを立ち上げ、ピクサーを買収する


―― 自分がつくった会社を追い出されます。最年少で大富豪になるというのも、そこからわずか30歳で追放されるというのもなかなかない話だと思います。ここから第2期に入ります。

桑原 そうです。追放された時点のジョブズは、「アメリカでもっとも有名な敗北者」という言い方をされるぐらいにセンセーショナルに受け止められます。この30歳の時にジョブズがどういう選択をするかというと、先ほどお話ししたように、いろいろな選択肢がありました。落ちてしまったのですが、宇宙飛行士にも応募しています。教授やベンチャーキャピタリストになることもできるし、もちろん遊んで暮らすこともできました。いろいろな選択肢の中で選んだのが、アップルから引き抜いた5人の人間と一緒にネクストという会社をつくることでした。

―― これは何の会社ですか。

桑原 主にコンピュータをつくる会社です。先ほど申し上げたように教育事業に対する関心が強いので、教育に関するコンピュータをつくろうということで、かなり先進的なコンピュータをつくりました。しかし、ハードそのものはうまくいきませんでした。

 その時に出会ったのが、ジョージ・ルーカスがやっていた会社のCG部門です。当時はピクサーという名前ではありませんでしたが、ジョージ・ルーカスが離婚のためのお金が必要だということで売りに出していました。それを購入して、最初はやはりCGのパソコンをつくろうとしたのですが、うまくいきませんでした。最終的には映画会社として、映画をつくるほうに変わっていきます。

 そういう意味では、ピクサーが株式公開するまでの1985~1996年は、ジョブズにとっては本当に辛い時期で、自分の持っている資産をどんどんつぎ込んでいきます。日本のキャノンもネクストに出資していますが、そういったいろいろなところに出資を仰いでいました。とにかくジョブズにとってはなかなか思い通りのことができない、辛く厳しい時代だったのですが、そこでやっていたものが、後にまた全て花開いていって、ジョブズの3番目の黄金期を迎えることになります。


●ジョブズの卓越した交渉力を支えたピクサーへの自信


―― この年表の中で見ていくと、第2期で、『トイストーリー』が世界的な大ヒットになるなど、皆さんが聞いたことのある...

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