スティーブ・ジョブズの成功哲学
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
模倣からは生まれない――「すごい製品」へのジョブズ哲学
スティーブ・ジョブズの成功哲学(5)「すごい製品」のつくり方
桑原晃弥(経済・経営ジャーナリスト)
アップルはこれまで、iPodやMac、iPhoneなど、人びとの生活を大きく変える革新的な製品を次々と生み出してきた。なぜこんなことが可能なのか。「すごい製品」をつくるためにジョブズがこだわったこと、ものづくりに対する哲学に迫る。(全9話中第5話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:12分26秒
収録日:2022年3月15日
追加日:2022年5月21日
≪全文≫

●自分が欲しいもの、つくりたいものをつくる


―― 続いて、今度は「すごい製品」のつくり方です。

 まず1番目の語録ですが、「僕は、年をとるほどモチベーションが大事だと思うようになった。アップルが勝ったのは、僕ら一人一人が音楽を大好きだったから。みんなiPodを自分のためにつくったんだ。自分のため、あるいは自分の友達や家族のために努力するなら、適当をかましたりしない。大好きじゃなければ、もう少しだけ頑張るなんてできない」です。

桑原 これはApple創業の頃から変わらないジョブズのものづくりに対する姿勢です。最初のアップルⅠにしても、スティーブ・ウォズニアックというコンピュータオタクが自分のためのコンピュータをつくります。

 Macもそれと同じです。つくっているときにMacチームにいた者誰もがしきりに言っていたのは、「自分の友だちが、今はお金がなくて買えないとしても、買いたくなるようなパソコンをつくる」ということです。当時のジョブズは、世の中にある製品が気に入りません。例えば音楽機器や携帯電話にしても、自分はもっとすごいものがつくれるということで、iPodやiPhoneをつくりました。とにかく自分が欲しいもの、自分が使いたいもの、自分が大好きなものをつくるという思いがとても強くて、それがあるからこそすごいものができるのだということです。

 企業の中でよくあるのは、企業の規模が小さいときには、そこで働いている社員の方は、そこでつくっている製品が大好きで、みんながそれを使っています。ところがだんだん大きくなるに従って、それは仕事になってしまって、自社の製品を使っていますかというと、もう使っていない、あるいは、あまり興味がなく、仕事と製品が切り分けられてしまうのです。そうなってしまいがちなのですが、ジョブズはそれをいつまでも追い続けました。それがあるからこそ、すごい製品がつくれるのだと思います。

―― これは発想としては、マーケットインとはまた全然違います。

桑原 そうですね。あくまでも自分であり、自分たちが起点です。

―― 自分たちが良いと思うものをつくるということです。

桑原 そうですね。

―― 2番目は、「僕らは誰のためでもない、自分自身のためにつくったんだ」です。まさに上の一番と同じことですね。

桑原 同じです。ジョブズは新...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
エンタテインメントビジネスと人的資本経営(1)ソニー流の多角化経営の真髄
ソニー流「多角化経営」と「人的資本経営」の成功法とは?
水野道訓
ストーリーとしての競争戦略(1)当たり前の重要さ
柳井正氏の年度方針「儲ける」は商売の本筋
楠木建
本質から考えるコンプライアンスと内部統制(1)「法令遵守」でリスクは管理できない
「コンプライアンス=法令遵守」ではない…実例が示す本質
國廣正
東洋の叡智に学ぶ経営の真髄(1)経営とは何かをひと言で?
経営をひと言で?…松下幸之助曰く「2つじゃいけないか」
田口佳史
オリエント 東西の戦略史と現代経営論に学ぶ(1)ビジネスのヒントは歴史にあり
『失敗の本質』、中国古典…ビジネスのヒントを歴史に学ぶ
三谷宏治

人気の講義ランキングTOP10
習近平―その政治の「核心」とは何か?(1)習近平政権の特徴
習近平への権力集中…習近平思想と中国の夢と強国強軍
小原雅博
歴史の探り方、活かし方(4)史実・史料分析:秀吉と秀次編〈上〉
史料読解法…豊臣秀吉による秀次粛清の本当の理由とは?
中村彰彦
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(4)全てをつなぐ密教の世界観
密教の世界観は全宇宙を分割せずに「つないでいく」
鎌田東二
内側から見たアメリカと日本(4)アメリカ労働史とトランプ支持層
ギャングの代わりに弁護士!? 壮絶なアメリカ労働史の変遷
島田晴雄
熟睡できる環境・習慣とは(1)熟睡のための条件と認知行動療法
熟睡のために――認知行動療法とポジティブ・ルーティーン
西野精治
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
「宇宙の創生」の仕組みと宇宙物理学の歴史(1)宇宙の階層構造
「宇宙の階層構造」誕生の謎に迫るのが宇宙物理学のテーマ
岡朋治
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
第二次世界大戦とソ連の真実(1)レーニンの思想的特徴
レーニン演説…革命のため帝国主義の3つの対立を利用せよ
福井義高
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦