キリンでつかんだ「幸せになる」仕事術
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
「相手のロジック」を考えて改革する…使命であれば諦めない
キリンでつかんだ「幸せになる」仕事術(5)相手の内在的な論理を把握する
田村潤(元キリンビール株式会社代表取締役副社長/100年プランニング代表)
「仕事の定義を変える」「お客様に喜んでもらうことを使命にする」といっても、みんなに納得してもらえるわけではない。では、どのように仕事を進めていくべきなのか。大事なことは、「相手のロジック」に乗っかることである。相手のロジックを理解したうえで、情報を提供し、提案していくのである。このとき原動力となるのも、やはり「使命」である。「お客さんのため」だと思えば、諦めずに説得をしていける。そしてお客様を思って行動すれば、数字が上がるのは必然である。それなのに行動しない人は、自分への信頼がないからである。そんな人も、集団が変われば変わることができるし、自己信頼感も生まれてくる。ここで幸せと業績の向上は一体となる。(全8話中第5話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:16分09秒
収録日:2022年3月30日
追加日:2022年9月12日
≪全文≫

●「高知だけ金をください」ではなく「ラガー苦戦地域対策」にする


―― 今のお話の中でも、いくつかのレイヤーというか、企業における職制というか職階の層によって、いろいろな違いが出てくるのだろうと思います。たとえば、社長がそう決意すれば、下が言うことを聞かないという問題はあるにしても、徹底することはできるかもしれない。部長がそのように思ったら、自分の部の中で、それをどのように実現していくか考えることができるかもしれない。田村先生の場合、最初にやられたのは支店長という立場でした。

 逆に、個人で「自分はそのような行き方をしたい」と思ったとき、普通の会社では上司から「そんなくだらないことをいっていないで数字をやれよ」などと言われると思います。では組織をどう変えるのか。
 
 田村先生も支店長のときに全てができるわけではなく、本社との関係性もあります。「こう思ったら、できる」というわけではなく、いろいろな障害があり、「自分の立場だとここまではできるけど、これはできない」といったことがあると思います。そういうなかで、なお「幸せに仕事をする」というのは、どういうことでしょう。

田村 やっているうちに、いろいろ見えてきますよね。まず直面するのが、本社との対立が出てきてしまうのです。商品は本社でつくりますから「こういう商品じゃダメだから、こういうふうにしてくれ」といったところで、すべての権限は本社にあります。でも「このままだと高知の人は幸せにならない」という確信がある 。全部ではなく、そんな大事な局面があるのです。

 そうすると本社に意思決定してもらうしかない。これが「ミッション」になったのです。これは「高知の人を幸せにする」と決めたからです。

 そうすると、本社とこちらでは立場が違うし、持っている情報が違います。だいたい社内の意見の対立をよく見ていると、「持っている情報量が違う」ということは結構あります。

「情報量をそろえる」という作業は、こちらがやるしかない 。そこはわりと、こまめにやっていました。「現場はこういうふうになっている。だからこういうふうにやったら、うまくいく」と。

 ここで「高知、高知」とばかり言うと、「なんだ高知は」となるので、「これは根本的な問題だから、こうやるとうまくいく」などと話して、本社とはよくキャッチボールしていました。

 すると非...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
ストーリーとしての競争戦略(1)当たり前の重要さ
柳井正氏の年度方針「儲ける」は商売の本筋
楠木建
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
本質から考えるコンプライアンスと内部統制(1)「法令遵守」でリスクは管理できない
「コンプライアンス=法令遵守」ではない…実例が示す本質
國廣正
認知バイアス~その仕組みと可能性(1)認知バイアス入門
誰もが陥る「認知バイアス」…その例とメカニズム
鈴木宏昭
オリエント 東西の戦略史と現代経営論に学ぶ(1)ビジネスのヒントは歴史にあり
『失敗の本質』、中国古典…ビジネスのヒントを歴史に学ぶ
三谷宏治
ハラスメント防止に向けた風土づくり(1)ハラスメントの概要
増え続けるハラスメント…その背景としての職場の特徴
青島未佳

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2025(29)歴史作家の舞台裏を学べる
歴史作家・中村彰彦先生に学ぶ歴史の探り方、活かし方
テンミニッツ・アカデミー編集部
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(6)曼荼羅の世界と未来のネットワーク
命は光なのだ…曼荼羅を読み解いて見えてくる空海のすごさ
鎌田東二
歴史の探り方、活かし方(1)歴史小説と史料探索の基本
日本は素晴らしい歴史史料の宝庫…よい史料の見つけ方とは
中村彰彦
内側から見たアメリカと日本(6)日本企業の敗因は二つのオウンゴール
日本企業が世界のビジネスに乗り遅れた要因はオウンゴール
島田晴雄
熟睡できる環境・習慣とは(1)熟睡のための条件と認知行動療法
熟睡のために――認知行動療法とポジティブ・ルーティーン
西野精治
習近平―その政治の「核心」とは何か?(1)習近平政権の特徴
習近平への権力集中…習近平思想と中国の夢と強国強軍
小原雅博
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(1)数が理解できない子どもたち
なぜ算数が苦手な子どもが多いのか?学力喪失の真相に迫る
今井むつみ
続・日本人の「所得の謎」徹底分析(1)各国の財政と国民負担
日本と各国の比較…税負担は低いが社会保障の負担は高い
養田功一郎