キリンでつかんだ「幸せになる」仕事術
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
「なぜ売れないのか」は追及せず、今と将来だけを考える
キリンでつかんだ「幸せになる」仕事術(7)幸せの正体とは
経営ビジネス
田村潤(元キリンビール株式会社代表取締役副社長/100年プランニング代表)
キリンビールの東海地区の営業責任者だった時代には、毎週月曜日に全員にメールを出し、今週やる仕事の意味と「使命が果たされた現場」の様子を伝えた。これによりどう動けばいいかがわかり、情報を共有することで刺激を得られ、より良いアイデアが出るという好循環も生まれた。また、「なぜ売れないのか」などといった過去を追及しなかったことも好評だった。実際、業績向上に必要なのは過去ではなく、今と将来を知ることなのだ。幸せと業績が両立するようになると、キリンでは経費が3割下がり、ワークライフバランスもよくなった。(全8話中第7話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:16分14秒
収録日:2022年3月30日
追加日:2022年9月26日
≪全文≫

●概念ではなく「成功事例」を示すことで好循環が生まれる


―― 今のお話をうかがっておりまして、田村先生の場合、行動に踏み出す勇気を得るためには「自分との対話」だったということでした。これはもちろん、これまでモデルがない中で、高知支店で試行錯誤しながら見つけていったというところで、まさに対話だったと思います。次に東海地区でやったときには、社員の方々は「幸せになりたいからやる」と。

田村 そのように思いました。

―― これはある意味では、皆さん、同じキリンの中ですから、高知がどれほど伸びたかっていうのはわかっているので、「あ、もしかしたらこの方法でやったら、わが地区もうまくいくのかもしれない。幸せになるのかもしれない」というモデルパターンがあったことで、踏み切りやすくなったということは多分あるんでしょうね。

田村 一番効果があったのは、毎週月曜日に全員に出したメールです。そこで、「今週やる仕事の意味」を説明したのです。「使命を果たさないといけないから、今週、この仕事を、ここまでやるのだ」と。それだけでは理屈はわからないんですね。それで、「使命が果たされた現場」が営業日誌に出てくるので、それを切り取って貼っていました。

―― いわゆる成功事例のように。

田村 そうです。「成功事例」あるいは「得意先からこういう声が聞こえてきた」と、いい事例を貼った。読んでいるほうからすれば、使命は概念ですから、これだけでは動けません。一方、使命が果たされた現場を見れば、「こういうことを実現すれば、田村のいう使命を果たせる」とわかるだろうと。これが非常に役に立ったといっていました。当時はみんな、ほとんどコピーして持っていました。

 使命は概念だから、その概念を実現するためにどうやればいいかというルートを示した。これで「ああ、そうか。使命を果たすと、お客さんからこんなにいい声が聞こえてきた」とか「喜んでくれる」ということがわかる。

 そこから幸せになるには、もっとお客さんに喜んでもらい、幸せになってもらうことが大事で、「だから、このとおりやっていこう」となったのだと思います。

―― 高知支店の場合、人数規模も少ないので、行動していくなかで、みんなで話し合って難しいことを解決できたと思います。「こういうことがあったよ」と成功事例をいって「じゃあ、みんなでやってみよう」となどと...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
メンタルヘルスの現在地とこれから(1)「心を病む」とはどういうことか
なぜ「心の病」が増えている?メンタルヘルスの実態に迫る
斎藤環
日本企業の弱点と人材不足の克服へ(1)膠着する日本経済の深層
日本経済の行き詰まりをもたらした2つの大きな理由とは
西山圭太
重職心得箇条~管理職は何をなすべきか(1)時代に請われ、時代に応えた佐藤一斎
部下を育てるには、まず佐藤一斎に学べ!
田口佳史
イノベーションの本質を考える(1)イノベーションの定義
イノベーションの定義はパフォーマンスの次元が変わること
楠木建
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
ストーリーとしての競争戦略(1)当たり前の重要さ
柳井正氏の年度方針「儲ける」は商売の本筋
楠木建

人気の講義ランキングTOP10
数学と音楽の不思議な関係(1)だれもがみんな数学者で音楽家
世界は数学と音楽でできている…歴史が物語る密接な関係
中島さち子
編集部ラジオ2025(18)音楽って実は数学でできている?
動画講義だからこそ音楽と数学の深い関係がよくわかる!
テンミニッツ・アカデミー編集部
「アカデメイア」から考える学びの意義(3)受け継がれる学園の理念
アカデメイアからアカデミーへ…自由なる学びの府の原型
納富信留
「集権と分権」から考える日本の核心(1)日本の国家モデルと公の概念
日本は集権的か分権的か…地理と歴史が作る人間の性質とは
片山杜秀
Microsoft Copilot~AIで仕事はどう変わるか(1)「生成AI」の画期性
「生成AI」実装の衝撃…人工知能の歴史と特長
渡辺宣彦
定年後の人生を設計する(1)定年後の不安と「黄金の15年」
不安な定年後を人生の「黄金の15年」に変えるポイント
楠木新
組織心理学とは何か~『武器としての組織心理学』と概論
なぜ組織に「心理学」が必要か?多様化と個の時代の処方箋
山浦一保
生活習慣病予防に~健診結果の正しい読み方(1)データから生活習慣を考える
内臓脂肪がなぜ増えた?データから考えるリスクファクター
野口緑
会計検査から見えてくる日本政治の実態(1)コロナ禍の会計検査
アベノマスク、ワクチン調達の決算は?驚きの会計検査結果
田中弥生
未来を知るための宇宙開発の歴史(6)技術の確立、そして民間企業が参入へ
スターリンクや宇宙旅行の課題とは?…民間企業の宇宙開発
川口淳一郎