キリンでつかんだ「幸せになる」仕事術
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
自分の幸せと業績向上の好循環を生むフローチャート
キリンでつかんだ「幸せになる」仕事術(8)成功のプロセス
田村潤(元キリンビール株式会社代表取締役副社長/100年プランニング代表)
キリンの実例をもとに作成したのが「自分の幸せと業績向上の好循環を生むフローチャート」である。高知支店でまったく売れない状況に置かれたなかで、会社の存在意義について「自己との対話」を重ねた結果、「会社の使命を果たす」と決めた。そこから行動が始まり、「お客様のために」と夢中で働くなかで、自分と世界が一体化する感覚が生まれ、好循環が生まれていった。会社全体が「使命を果たす」に向かったことで、精神を病む人や不祥事を起こす人は激減した。使命という「一番高いところ」をから考えて行動することで、あらゆる問題は解決されるのである。(全8話中第8話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:11分34秒
収録日:2022年3月30日
追加日:2022年10月3日
≪全文≫

●流れ図で読み解く、「幸せになる仕事」への道程


―― 最後に田村先生が「自分の幸せと業績向上の好循環を生むフローチャート」を作成されたので、そのお話を伺って、この講座を締めたいと思います。これは全体図をどのように見ていけばよろしいでしょうか。

田村 これは「こういうふうになった」というキリンの実例です。最初に高知で本当に売れなくなってしまって孤立無援になったとき、会社の存在意義を考えたのです。そこでやはり「キリンビールは存在すべきだ」と思ったんですね。

 では何をしようか。「(キリンという)会社の使命、理念を自分が果たそう」。高知支店が引き継ごう。それが今から思うと、自分やキリンの「運命を受け入れた」ということではないかと思います。

―― まさにアサヒビールが大フィーバーして、本当に追い詰められた時期のご決断ということですね。

田村 はい。(当時の)心理です。半年ぐらい、家に帰って考えたりしていました。壁を見ながら考えたり。すると「やはり自分がやろう」となった。尊敬する先輩の顔などを思い浮かべて「ああいうふうになりたい」と思っていましたし、それが自分にとってのキリンでした。とにかく、そういう会社を目指してやっていこうと。

 そうすると、その「使命を果たす」、多くの人にキリン飲んで喜んでもらうためには、「戦略」を考えないといけない。それには「お客様の視点(顧客視点)」が絶対にいります。それまではメーカーの視点なのです。

 それから「行動量」が大事です。よく聞き回るとか。やはり動いているのです。動いていることによって、なんとなく戦略がおぼろげながら見えてきました。これが田村個人の経験です。

 一方、名古屋の人は、やはり「幸せになりたい」。自分が幸せになるには「みんなを幸せにする(必要がある)」「得意先も幸せにする」。だから1本でも多く飲んでもらって、幸せにしよう。

 そのためには「戦略」が必要で、これをゼロベースに考える。目標を自分たちで決める。「こういう状態ができたら、『すべてがキリンになる』」ということを考えて、それぞれのチームが自分たちで「戦略」をつくっていくのです。

 それは、「お客様視点(顧客視点)」です。最初は何をやっていいかわからないので、(キリンビールの)名古屋の人は徹底して聞き回っているのです。「どうしたらいいでしょうか、キリ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
本質から考えるコンプライアンスと内部統制(1)「法令遵守」でリスクは管理できない
「コンプライアンス=法令遵守」ではない…実例が示す本質
國廣正
ストーリーとしての競争戦略(1)当たり前の重要さ
柳井正氏の年度方針「儲ける」は商売の本筋
楠木建
イノベーションの本質を考える(1)イノベーションの定義
イノベーションの定義はパフォーマンスの次元が変わること
楠木建
メンタルヘルスの現在地とこれから(1)「心を病む」とはどういうことか
なぜ「心の病」が増えている?メンタルヘルスの実態に迫る
斎藤環
野獣の経営、家畜の経営(1)経営センスが育つ土壌
ファーストリテイリングで経営者が育つ理由
楠木建
マザーテレサとの出会い
人生を変えたマザーテレサの言葉…あの人たちはキリストだ
上甲晃

人気の講義ランキングTOP10
習近平―その政治の「核心」とは何か?(1)習近平政権の特徴
習近平への権力集中…習近平思想と中国の夢と強国強軍
小原雅博
歴史の探り方、活かし方(3)古書店巡りからネット書店へ
ネット古書店で便利に買える時代…「歴史探索」の意義とは
中村彰彦
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(4)全てをつなぐ密教の世界観
密教の世界観は全宇宙を分割せずに「つないでいく」
鎌田東二
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
日本でも中国でもない…ラストベルトをつくった張本人は?
島田晴雄
編集部ラジオ2025(28)内側から見た日米社会の実状とは
島田晴雄先生の体験談から浮かびあがるアメリカと日本
テンミニッツ・アカデミー編集部
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(5)恐るべき台湾への「浸透」
浸透工作…台湾でスパイ裁判が約70件、それも氷山の一角
垂秀夫
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(3)認知バイアスとの正しい向き合い方
知ってるつもり、過大評価…バイアス解決の鍵は「謙虚さ」
今井むつみ
定年後の人生を設計する(1)定年後の不安と「黄金の15年」
不安な定年後を人生の「黄金の15年」に変えるポイント
楠木新
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(2)言葉を理解するプロセスとスキーマ
なぜ子どもは教えられても理解できないのか?鍵はスキーマ
今井むつみ
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦