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自分の幸せと業績向上の好循環を生むフローチャート

キリンでつかんだ「幸せになる」仕事術(8)成功のプロセス

田村潤
元キリンビール株式会社代表取締役副社長/100年プランニング代表
概要・テキスト
キリンの実例をもとに作成したのが「自分の幸せと業績向上の好循環を生むフローチャート」である。高知支店でまったく売れない状況に置かれたなかで、会社の存在意義について「自己との対話」を重ねた結果、「会社の使命を果たす」と決めた。そこから行動が始まり、「お客様のために」と夢中で働くなかで、自分と世界が一体化する感覚が生まれ、好循環が生まれていった。会社全体が「使命を果たす」に向かったことで、精神を病む人や不祥事を起こす人は激減した。使命という「一番高いところ」をから考えて行動することで、あらゆる問題は解決されるのである。(全8話中第8話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:11:34
収録日:2022/03/30
追加日:2022/10/03
キーワード:
≪全文≫

●流れ図で読み解く、「幸せになる仕事」への道程


―― 最後に田村先生が「自分の幸せと業績向上の好循環を生むフローチャート」を作成されたので、そのお話を伺って、この講座を締めたいと思います。これは全体図をどのように見ていけばよろしいでしょうか。

田村 これは「こういうふうになった」というキリンの実例です。最初に高知で本当に売れなくなってしまって孤立無援になったとき、会社の存在意義を考えたのです。そこでやはり「キリンビールは存在すべきだ」と思ったんですね。

 では何をしようか。「(キリンという)会社の使命、理念を自分が果たそう」。高知支店が引き継ごう。それが今から思うと、自分やキリンの「運命を受け入れた」ということではないかと思います。

―― まさにアサヒビールが大フィーバーして、本当に追い詰められた時期のご決断ということですね。

田村 はい。(当時の)心理です。半年ぐらい、家に帰って考えたりしていました。壁を見ながら考えたり。すると「やはり自分がやろう」となった。尊敬する先輩の顔などを思い浮かべて「ああいうふうになりたい」と思っていましたし、それが自分にとってのキリンでした。とにかく、そういう会社を目指してやっていこうと。

 そうすると、その「使命を果たす」、多くの人にキリン飲んで喜んでもらうためには、「戦略」を考えないといけない。それには「お客様の視点(顧客視点)」が絶対にいります。それまではメーカーの視点なのです。

 それから「行動量」が大事です。よく聞き回るとか。やはり動いているのです。動いていることによって、なんとなく戦略がおぼろげながら見えてきました。これが田村個人の経験です。

 一方、名古屋の人は、やはり「幸せになりたい」。自分が幸せになるには「みんなを幸せにする(必要がある)」「得意先も幸せにする」。だから1本でも多く飲んでもらって、幸せにしよう。

 そのためには「戦略」が必要で、これをゼロベースに考える。目標を自分たちで決める。「こういう状態ができたら、『すべてがキリンになる』」ということを考えて、それぞれのチームが自分たちで「戦略」をつくっていくのです。

 それは、「お客様視点(顧客視点)」です。最初は何をやっていいかわからないので、(キリンビールの)名古屋の人は徹底して聞き回っているのです。「どうしたらいいでしょうか、キリ...
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