キリンでつかんだ「幸せになる」仕事術
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使命を果たすためには「自由」が必須…だから幸福になれる
キリンでつかんだ「幸せになる」仕事術(4)自由でなければ始まらない
田村潤(元キリンビール株式会社代表取締役副社長/100年プランニング代表)
実は、「使命を果たすこと」を目標にすると、「自由にせざるをえなくなる」。なぜなら、たとえば「お客様に喜んでもらう」ことを使命と考えた場合、お客様は百人百様なので、全部正解が違うからだ。だからこそ、「使命を果たす」という目標だけを与えて、「そのためには何をやってもいい」と自由に任せるのである。すると、会社の奴隷のような状態から解放されて、幸せになっていく。だが、「数字」を目標にしたら、失敗する。そうではなくて、お客様に喜んでもらえたら、利益は必ずどんどん後からついてくる。しかも、使命を果たして誰かに喜んでもらうことが、日本人には最強のモチベーションになる。(全8話中第4話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:11分39秒
収録日:2022年3月30日
追加日:2022年9月5日
≪全文≫

●使命を果たすには「自由」に任せるしかない


―― そのように(使命を果たすことに)「目標の設定」を変えることで、「自己裁量」が増えることになるのですか。自分の決定できる範囲が増えてくることにもなってくるのですか。

田村 そうです。マネジメントから言わせてもらうと、「自由にせざるをえない」のです。「高知の人に喜んでもらう」を使命とします。でも、人はさまざまですから、全部正解が違う。その心の集合体が、エリアの市場性になってくるわけです。

 高知県も、高知市内と郡部では全然数字が違うのです。郡部にしてもキリンのシェアが高いところは7割ぐらいありましたが、低いところは2割ぐらいです。これは何なのかということです、同じことをやっていても。

 これは、そこに住んでいる人の心です。心が銘柄を決めている。

 そうすると、やはり「個別」なのです。全部の平均値で考えると失敗すると、よくわかったのです。使命を果たすには、個別の正解を自分で見つけて、解決するしかない。

 従ってマネジメントから言うと、自由にするしかないのです。自由に考えてもらって、最適な答えを自分で見つけて、やってもらうしかない。ほかに方法はないのです。全部違うから。

 そうすると、「勝手にやれ」と言っても、何をやっていいかわからない。

―― そうですよね。

田村 「『自由にやれ』といったって、何をやればいいんですか」と聞かれます。そこで「目標」が大事になるのです。

 目標は、「数字」ではダメです。やっぱり「使命を果たしていく」(ことが目標です)。「使命を果たすには、(キリンビールが)どこにでもある状態をつくるのだ」と。

 これがあるから、自由になれたのです。「それをやるためには、何をやってもいいのだ」と。得意先の話をよく聞き、相手と相談して、喜んでもらえるやり方を自分たちで工夫してやっていく。これしか方法はないのです。

 現場はセールスがやっていますから、自分たちで考えて、どんどんいろいろな工夫を起こしていかないと、使命は果たせません。だから、自分たちでとにかく考えて、行動して、議論して、正解を見つけて、やってもらう。これは自由にせざるをえません。

 そして自由になったのです、実は。軸があったから自由になれた。これが「幸せ」とも関係していると思います。

「会社の奴隷」という言葉があります...

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