「G7広島サミット」をどう読むか
この講義シリーズの第1話は
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
G7&G20首脳の原爆慰霊碑への献花の深い背景と意義
「G7広島サミット」をどう読むか(2)慰霊碑献花と原爆資料館視察
中西輝政(京都大学名誉教授/歴史学者/国際政治学者)
2023年5月19日から21日まで開催されたG7広島サミットで、G7の首脳たちも、また、インドなどグローバルサウスの国々の首脳たちも、原爆慰霊碑に献花をし、また、原爆資料館(広島平和記念資料館)の視察を行なった。だが、そのなかには、米・英・仏・印など、核保有国も含まれている。この献花と視察が実現した背景に、どのようなことがあったのだろうか。また、このことの歴史的な意味とは、いかなるものであろうか。この広島サミットによって、日本外交の根本理念を世界に非常にわかりやすい形で示したというが、それはいかなることなのだろうか。(全2話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:12分01秒
収録日:2023年5月24日
追加日:2023年6月6日
≪全文≫
―― そうしますと、やはり先生がおっしゃったように、「戦時下」の世界のなかで、どのような価値観を出すか。しかも、それを日本がまとめていったことの意味、そして広島という土地柄の意味が、象徴的にも非常に大きかった。そして、「過ちは繰り返しませぬから」と書かれた碑文に、各国の首脳が哀悼の誠を捧げるということも含めて、やはり、これは歴史的な大きな意味があった、というご分析でしょうか。

中西 何といっても、やっぱり広島の被爆地で開かれたサミットであったということですが、ここに至るまでには、いろいろな抵抗があったと思います。

 聞くところによると、もう何年も前に、オバマ元大統領が広島を訪問したことがありましたが、あのときは、オバマさんは、たしかに慰霊碑に献花はしたのですが、資料館には、実は「立ち寄った」といわれていますけれども、アメリカでは「あれは時間の調整のために、休憩の場所として、東館の一角のロビーに、たまたま腰かけた」というようなことでした。アメリカ国内では言い訳的なことですけれども、「オバマは日本に行って、原爆投下を謝罪したのか、けしからん」という右派の批判論を非常に気にした訪問だったのです。そういう意味では、オバマさんは核廃絶でノーベル賞までもらっている人なのですが、やはり、アメリカのあいまいな立場を示してしまったということですね。

 ところが今回は、バイデンさんは、ほかの代表と一緒に、G7諸国首脳とともに、献花し、資料館を視察した。しかも、「われわれは核廃絶に向かって、強い信念をもって進まなければならない」と、オバマさんよりも強いコミットを示したといえますね。

 それはやはり、G7という大きな枠組みがあったからでしょう。バイデンさん一人の訪問であれば、なかなかやっぱり、アメリカの世論の現状を考えれば、あそこまで踏み込むことはできなかったかもしれません。聞くところによれば、他の首脳よりも長時間、バイデンさんは展示物を見て回って、非常に深刻な表情で、核の恐ろしい惨禍をあらためて実感されたようです。

 そういったアメリカ、あるいはイギリスもフランスも核保有国です。そういう国々がおそらく最初に示した、水面下で日本政府に送ってきたシグナルは、ネガティブなものだったと思います。広島開催は呑むとしても、「慰霊碑、あるいは資料館は勘弁してくれ」、あるいは「オバマレベ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
為替レートから考える日本の競争力・購買力(1)為替レートと物の値段で見る円の価値
ビッグマック指数から考える実質為替レートと購買力平価
養田功一郎
躍進するインドIT産業の可能性と課題(1)下請けから世界の中心へ
インドが世界有数のIT産業の拠点へと発展した理由
島田晴雄
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(1)銀行がお金を生む仕組み
信用創造・預金創造とは?社会でお金が流通する仕組み
養田功一郎
戦略的資本主義と日本~アメリカの復活に学ぶ5つの提言
戦略的資本主義とは?日本再生へアメリカに学ぶ5つの提言
片瀬裕文
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
アメリカの理念と本質(1)西洋文明の行き着いた先と三つの建国
アメリカの理念と本質とは?…まず「三つの建国」から原点に迫る
中西輝政

人気の講義ランキングTOP10
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(1)老年病科と高齢者の疾患・病態の特徴
頻尿、低栄養、転倒、誤嚥、フレイル…増える老年症候群と高齢者の疾患・病態の特徴
小川純人
「満洲」から考える日本とアジア(8)日貨排斥と満洲事変の原因
なぜ満洲事変が起きたか…激烈な日本排斥と朝鮮人迫害、さらに一方的な条約無効化に直面した日本人の決断と失敗
宮脇淳子
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
編集部ラジオ2026(34)『オデュッセイア』の秘密と愉しみ
【10min解説】大ヒット映画『オデュッセイア』がもっと楽しくなる神話講義
テンミニッツ・アカデミー編集部
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
日本画を知る~その技法と見方(1)写実・写意・写生
日本画で大切な「写意」「写生」の深い意味とは?
川嶋渉
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
本当によくわかる経済学史(1)経済学史の概観
経済学史の基礎知識…大きな流れをいかに理解すべきか
柿埜真吾
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(5)恐るべき台湾への「浸透」
浸透工作…台湾でスパイ裁判が約70件、それも氷山の一角
垂秀夫
キリンでつかんだ「幸せになる」仕事術(1)悩みの99%は他者との関係性
「使命観=パーパス」に立脚できないのは自分のエゴのせい
田村潤