知られざる「脳」の仕組み~脳研究の最前線
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
頭が良い人ほど脳がスカスカ!? 鍵を握るのはアストロサイト
知られざる「脳」の仕組み~脳研究の最前線(8)「頭の良さ」とアストロサイト
毛内拡(お茶の水女子大学 基幹研究院自然科学系 助教)
「頭が良い人」とはどのような人のことをいうのだろうか。脳研究の結果、衝撃的な事実が報告されている。IQが高い人はIQが低い人に比べて「脳がスカスカしている」というのだ。一体どういうことなのか。実はそこには「アストロサイト」と呼ばれる脳細胞が関係している可能性があり、アストロサイトの活性化にはノルアドレナリンが重要な働きをしているという。高度な知能を発揮するヒトにとって欠かせないアストロサイトの重要性と、その活性化のためにおススメの方法について解説する。(全8話中第8話)
時間:16分27秒
収録日:2022年10月21日
追加日:2023年8月21日
≪全文≫

●頭が良い人ほど「脳がスカスカしている」


 さて、頭が良い人と悪い人は何が違うのでしょうか。頭が良い人は、さぞかし脳の中がびっしり詰まっているのでしょうと皆さん思うかもしれませんが、次のような衝撃的な研究結果が報告されています。

 ドイツで行われた研究では、IQが高い人と低い人を集めてきて、脳の中の回路がどうなっているかということを実際に見るという研究が行われました。

 過去の報告から、IQが高い人はIQが低い人に比べて大脳皮質の体積が大きくなっているということが知られています。一方で、IQが高い人の脳の神経回路を調べてみると、実はIQが低い人に比べて回路がシンプルになっているということが、この研究の結果から分かってきました。体積は大きくなっているにもかかわらず、回路がシンプルになっているということは、いい換えれば、「脳がスカスカしている」ということです。これは少し不思議な話で、頭が良い人ほど脳がスカスカしている。これは一体どういうことなのでしょうか。


●「アストロサイト」の量が頭の良さに関わっている


 これまで申し上げてきた通り、脳の中にはニューロン以外の細胞があります。体積は実際に増えているので、ニューロン以外の細胞が増えていると考えることができるのではないでしょうか。

 ニューロン以外の脳細胞は「グリア細胞」と総称されています。グリアというのは膠(にかわ)という意味で、レンガとレンガの隙間を埋めるパテのことを指しています。実際、このグリア細胞は、ニューロンと同時期には発見されていましたが、どういう働きを持っているかが全然分からないために、単にニューロンの隙間を埋めているにすぎないだろうと考えられて、グリアという名前がつけられました。

 グリア細胞にはさまざまな種類があり、ラットなどのげっ歯類では4種類報告されていますが、その中でも一番多いのは、「アストロサイト」と呼ばれているグリア細胞です。アストロサイトは、これまで言ってきたように、血液脳関門を作ったり、血管を取り巻いて水の流れを制御したりするなど、脳内環境を維持するのに重要な働きをしています。


スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「健康と医療」でまず見るべき講義シリーズ
知られざる「脳」の仕組み~脳研究の最前線(1)脳科学と「ミクロのマクロの隔たり」
脳が生きている、死んでいるとは?最新研究で迫る脳の秘密
毛内拡
「人生100年時代」の抗加齢医学と前立腺ガンの予防
前立腺ガンの進行を止めるための三次予防
堀江重郎
夜間頻尿の原因とその予防方法
夜間頻尿になりやすい人の特徴とその対策
堀江重郎
テロメアから考える「アンチエイジング」(1)老化とテロメアの関係
テロメアの長さが「がんリスク」と「老化」のカギを握る
堀江重郎
うつ病治療最前線(1)うつ病の身体症状と治療の実際
隠れたうつ病を確定診断するポイントとは
渡部芳德
目の健康と医療・最前線(1)ブルーライトは目に悪いのか
ブルーライトは本当に目に悪い?…どの程度影響するのか
大鹿哲郎

人気の講義ランキングTOP10
核DNAからさぐる日本のルーツ(1)人類の起源と広がり
核DNAデータで日本人のルーツを探る…アフリカから日本まで来た行程と時期は?
斎藤成也
「満洲」から考える日本とアジア(5)ロシアのシベリア征服と日清日露戦争
「満洲利権」はなぜ日本の手に渡ったか?…ロシアの極東征服、そして朝鮮の混乱が日本を日清・日露戦争へ
宮脇淳子
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
編集部ラジオ2026(33)鎌田東二先生の法華経講義解説-2
【10min名作探訪】大丈夫だよと励ましてくれる『法華経』…鎌田東二先生の講義
テンミニッツ・アカデミー編集部
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
ギリシア神話の基本を知る(1)「ゼウス以前」の神々の戦い
ギリシア神話…ゼウスの「父親殺し」とオリュンポス十二神
鎌田東二
日本人が知らない自由主義の歴史~前編(1)そもそも「自由主義」とは何か
消極的自由と積極的自由?…なぜ自由主義がわかりづらいか
柿埜真吾
モンゴル帝国の世界史(1)日本の世界史教育の大問題
なぜ日本の「世界史」はいびつなのか…東洋史と西洋史の違い
宮脇淳子
ピアノでたどる西洋音楽史(1)ヴィヴァルディとバッハ
クラシック音楽の歴史をピアノ演奏で辿る~ヴィヴァルディ四季
野本由紀夫