知られざる「脳」の仕組み~脳研究の最前線
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「脳のしわが多いと頭がいい」は誤解…ヒトの脳の特異点
知られざる「脳」の仕組み~脳研究の最前線(4)脳の構造と特徴
毛内拡(お茶の水女子大学 基幹研究院自然科学系 助教)
マウスを使った脳研究の成果は、ヒトの脳へすぐに応用できるわけではないという。それでは、ヒトの脳と他の動物の脳には、具体的にどのような違いがあるのだろうか。脳の画像を見比べると、ヒトの脳の明らかな特異点が見えてくる。ヒトの脳は大脳皮質が非常に大きいのが特徴だが、さらに外部環境と隔絶し厳重に保護されている脳の中身を見ていくと、その重要性を痛感することになる。今回はヒトの脳の内外の構造と特徴を解説していく。(全8話中第4話)
時間:11分06秒
収録日:2022年10月21日
追加日:2023年7月24日
≪全文≫

●脳も神経の一部で、中枢神経系に分類される


 では次に、脊椎動物の神経系の構造と機能について見ていきましょう。

 皆さんもよく、脳神経外科とか脳神経内科というように、「脳と神経って何が違うのだろう」と疑問に思うこともあると思いますが、実は脳も神経の一部なのです。これらを統合して「神経系」といいます。

 神経系は大きく二つに分けられて、末梢神経系と中枢神経系に分けられます。脳はこの中枢神経系に分離されます。一方、末梢神経は、例えば、神経痛とか、歯の神経を抜くとかというときの神経のことを指します。末梢神経系はさらに、体性神経系と自律神経系に分けられます。体性神経系は、さらに感覚神経と運動神経に分類されます。感覚神経は、例えば、暑いとか、痛いという情報を脳に運ぶ神経で、運動神経は、脳からの指令を筋肉に伝えて運動を引き起こすための神経です。

 もう一つ、自律神経系は、交感神経系と副交感神経系に分けられますが、これらは、臓器や器官に指令を与えるための神経です。交感神経系は興奮しているときによく働いて、リラックスしているときには副交感神経が働くといわれています。


●ヒトの脳は大脳皮質が非常に大きいのが特徴


 この図はいろいろな脊椎動物の脳を集めてきた画像ですが、どれがどれだか分かるでしょうか。

 まず、右下に見えるのはヒトの脳で、左上にある小さいのがマウスの脳ですね。大きいのは、ゾウとかイルカの脳といわれています。これらをパッと見て、いろいろな動物で似ているところと違うところがあるのですが、何か気づくことはあるでしょうか。

 まず、右脳と左脳があるということは気づくと思います。それから、「大脳」と呼ばれる部分と「小脳」と呼ばれる部分があります。この脳(画像)の後ろ側についているのが小脳です。ヒトの脳には小脳がないではないかと思われるかもしれませんが、ヒトの場合は、大脳が非常に発達しているために、小脳が下に隠れています。ちゃんと横から見ると、ヒトにも小脳があることが分かると思います。

 一方(違うところとしては)、大脳の前側についているのは、「嗅球」と呼ばれる匂いを処理する部分です。他の動物では見えていますが、もちろんヒト...

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