「島田村塾」リベラルアーツ特講
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
世界で活躍するために日本の歴史・宗教・文化を知る
「島田村塾」リベラルアーツ特講(5)世界で活躍するために日本を学ぶ
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
リベラルアーツの仕上げは、やはり自国の歴史・宗教・文化を知ることにある。外から見た日本がいまだに「獰猛な軍国主義国家」の残像を残していることは、何にもまして知る必要がある。その上で、日本人の精神と生活を支える宗教と文化を知り、説明することが、世界に生きるこれからの日本人には求められているのだ。(全5話中第5話目)
時間:6分47秒
収録日:2014年12月5日
追加日:2015年1月24日
≪全文≫

●世界で活躍し、日本民族を守り育てるために知るべきこと


 いろいろ申し上げましたが、これからの世の中では、やはり「世界で活躍する」ことが重要です。日本は小さくなっていきますし、重税になり、決して暮らしやすい国ではなくなっていく。しかし、子孫はやはり育ててあげなければいけない。これは、大きな使命です。

 世界の中で大いに活躍しつつ、日本民族を守って育てていかなければならない。そのミッションは私どもも感じていますが、次の世代にも感じて、頑張っていただける能力を身につけていっていただきたい。それを応援するのがわれわれの世代の役割だと思って今、島田村塾をやっている次第です。

 そのためには、世界の主要文化圏の歴史、宗教、文化、考え方を学ばなければいけないのと同時に、やはり日本の歴史を学んでほしい。特に戦争の歴史です。


●日本の戦争の歴史と日本の宗教の本質を知る


 日本は19世紀末から20世紀半ばまでのたった50年間に、国運をかけたアウェーの戦争を5回もしています。詳しく言うと6回で、日清、日露、第一次大戦、満州事変、日中戦争、太平洋戦争です。こんな国は世界史にありません。世界のイメージには「最も獰猛でミリタント(闘争的)な国」という残像が残っています。

 今の日本は平和国家だと一生懸命言っていますが、世界にはそんな認識はありません。だから、安倍晋三首相が靖国に行った途端に「またミリタントになるぞ」と過剰反応が起こるのは、世界が日本の歴史をそう解釈しているからだということを、われわれは知らなければなりません。

 しかし、日本には長い歴史と伝統に培われた、大変密度の高い宗教があります。生活宗教であり感覚宗教である神道です。教義はあまりしっかりしていませんが、国民の一挙手一投足にまで浸透するほどの宗教を持つ国は、実は多くはありません。

 神道には教義はないが、生活そのものである。そこへ仏教が入ってきて、一緒になってやってきた。このことについてわれわれはやはり熟知しておく必要があるし、人に誇りを持って語れなければいけない。そうでないと、イスラムの議論はできません。


●比類のない日本文化。お能、お茶、文楽を知る


 それから、やはり文化が傑出しています。日本文化というと、お茶もお花も素晴らしいのですが、まず見るべきは、侍の文化として継承されたお能、そして...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
もののあはれと日本の道徳・倫理(1)もののあはれへの共感と倫理
本居宣長が考えた「もののあはれ」と倫理の基礎
板東洋介
人の行動の「なぜ」を読み解く行動分析学(1)随伴性
「なぜ人は部屋を片付けられないか」を行動分析学で考える
島宗理
「心から幸せになるためのメカニズム」を学ぶ(1)心理学研究と日本の幸福度
実は今、「幸せにも気をつける」べき時代になっている
前野隆司
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(1)史上最大の問題作
全米TOP10大学の必読書1位が『ポリテイア(国家)』
納富信留
折口信夫が語った日本文化の核心(1)「まれびと」と日本の「おもてなし」
「まれびと」とは何か?折口信夫が考えた日本文化の根源
上野誠

人気の講義ランキングTOP10
逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる
逆境にどう対峙するか…西洋哲学×東洋哲学で問う知的ライブ
津崎良典
編集部ラジオ2025(32)哲学者たちが考えた平和追求
反EU、反国連の時代に再考!「哲学者たちの平和追求」
テンミニッツ・アカデミー編集部
近現代史に学ぶ、日本の成功・失敗の本質(6)東條内閣で行われた行政改革
悲惨な末路につながった東條英機内閣での兼職と省庁再編
片山杜秀
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(3)秀吉出世譚の背景
武闘派・秀吉として出世…織田家中で一番の武略者の道
黒田基樹
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦
戦争とディール~米露外交とロシア・ウクライナ戦争の行方
「武器商人」となったアメリカ…ディール至上主義は失敗!?
東秀敏
平和の追求~哲学者たちの構想(5)カント『永遠平和のために』
カント『永遠平和のために』…国連やEUの起源とされる理由
川出良枝
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(1)ポピュリズムの台頭と社会の分断化
デモクラシーは大丈夫か…ポピュリズムの「反多元性」問題
齋藤純一
葛飾北斎と応為~その生涯と作品(4)葛飾応為の芸術と人生
親娘で進歩させた芸術…葛飾応為の絵の特徴と北斎との比較
堀口茉純
日本人が知らない自由主義の歴史~前編(1)そもそも「自由主義」とは何か
消極的自由と積極的自由?…なぜ自由主義がわかりづらいか
柿埜真吾