「島田村塾」リベラルアーツ特講
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歴史認識問題―現代史を教えない日本、誇張して教える中国
「島田村塾」リベラルアーツ特講(4)日中の近現代史から見えるもの
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
日本は今、歴史認識問題で中韓と非常に冷たい時代になっている。それは、経緯をたどればすでに片付いている話だが、実は、日本側に大きな問題が一つある、と島田晴雄氏は語る。日中に横たわる歴史を手すりに、日本が抱えている課題と、イスラム国問題を考える。(全5話中第4話目)
時間:13分23秒
収録日:2014年12月5日
追加日:2015年1月23日
≪全文≫

●歴史認識問題で冷たい関係が続く日本と中国・韓国


 もう一つ、エピソード的に感じることなのですが、日本は、中国と韓国と今、非常に政治的に冷たい時代になっていますよね。彼らが二言目に言うのは、「日本人は歴史認識がない」「歴史認識をゆがめている。間違っている」ということですね。

 彼らが言いたいのは、「日本は戦前、侵略をしてきたのに一つも反省していない」ということだと思いますけれども、それは、取りようによりますね。韓国との関係で言えば、朴正煕大統領時代に協定を結んで、日韓の間の賠償問題はすでに処理したということになっているわけです。中国との関係で言えば、台湾に逃げた蒋介石もそうですけれども、周恩来が「二分法」を提言し、「戦争をしたのは日本の軍だ。民衆は悪くない。だから賠償を取らない」と、はっきり言っているわけです。

 そういうことで一応は片付いているため、「反省していない」と言われても困るのですが、とにかく、日本はそういう立場なのです。ところが、彼らは「反省していない」「歴史認識がない」「靖国に行くのはとんでもない」とずっと言っていて、今はまことに冷たい関係になっているわけです。


●明治以降の現代史を教えないという日本の歴史教育問題


 私は、実は、日本側にすごく大きな問題が一つあると思うのです。それは、日本が歴史教育で、明治以降の現代史をほとんど教えていないことです。中高の授業はもちろん、大学の教養課程でもめったに教えません。相互に依拠している事実が、片一方は完全に真っ白で、片一方は10倍ぐらい誇張されて教わっていますので、全くコミュニケーションできない状態になっており、まことに残念なことです。

 では、どういうことがあったのか。中国との関係で言えば、19世紀の末、中国(清)は巨大な国でした。清は、世界最大の帝国と言われていたのです。海軍力も、世界最大の戦艦2隻を持っていたのです。日本は、この清と事を構えなければならないことになってきたのですけれども、中国には、鎮遠、定遠という大戦艦があります。ちょっとしたエピソードですが、長崎にその戦艦が来ていた時、戦艦の水兵が町で大暴れしました。その水兵を警察が捕まえて、処分しようということになったのですが、艦長が「1発お見舞いしようか」と言ったので、日本の警察は「ごめんなさい」と言って、逮捕した水兵を引き渡...

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