世界哲学のすすめ
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
比較哲学、哲学プラクシス…期待される新しい手法の導入
世界哲学のすすめ(4)世界哲学の遂行
納富信留(東京大学大学院人文社会系研究科教授)
世界哲学を遂行するには、アフリカ、ラテン・アメリカ、ロシア、あるいは日本を含む東アジアなど、世界の中でこれまで哲学の議論から抜け落ちてきた地域の哲学、思想を知る必要がある。それはヨーロッパと北アメリカという、従来の西洋哲学以外の全てを含めるという意味になる。それゆえ、従来の西洋哲学を見直す必要があり、その試みにおいては、比較哲学や哲学プラクシスなど新しい手法の導入も期待できる。(全9話中第4話)
時間:11分49秒
収録日:2024年9月6日
追加日:2025年2月5日
≪全文≫

●西洋哲学から抜け落ちてきた地域


 世界哲学は、これまでそれなりに長い時間培われてきた西洋(哲学)中心の哲学観や哲学のやり方を突き崩し、世界に広げていこうという一つのプロジェクトです。ただ、広げようという最初の時点ですので、どこまで広がるか、どうなるかの見通しはまだ立っていませんが、すでに進行中であり、現在進行形のプロジェクトであるということになります。

 それでは、西洋中心を脱却するときに、これからどういう部分が回復されるか。ないしは(私たちが)注目していくかということについて、少しだけイメージをふくらませていただきたいと思います。

 世界という単語が地理的な概念、つまりこの地球の地表上のさまざまな領域であると今は一旦、限定させていただきます。そうすると、西洋哲学といわれていたものの範囲は、仮に古代ギリシアから始まったとしても、地中海沿岸とヨーロッパのほうを指す、しかもよく考えてみると、最終的には西ヨーロッパなのですが、北のあたりも含めた西ヨーロッパです。そして、アメリカ大陸の北半分。現在の英語圏、あるいは英語・フランス語圏あたりの部分が、あえていえば哲学を行ったといわれていた領域になります。

 そこから出ていったさまざまな哲学者たちには、フランス人もいればドイツ人もイタリア人もいるわけですが、そういった哲学者たちのことを私たちは哲学史で勉強して、「ああ、素晴らしい哲学だね」と考えてきたわけです。

 今いった地理的な領域からいうと、そこから抜け落ちている地域でどういうことが行われてきたかということを、もう1回おさらいして考える必要があると思います。これは、さらに世界哲学史という構想を改めて考えることにもつながります。


●アフリカと中南米の豊饒な哲学


 まず、どんどん場所だけ挙げていきますと、ヨーロッパに非常に近くありながら最後まで無視されてきた場所がアフリカというところです。北アフリカは地中海沿岸なので、古代においても近現代においても、実はヨーロッパとかなり近い関係にありました。宗教的にはイスラム教が入ってきたということもあります。それからアフリカ大陸の南半分にはまた違う文化圏があって、なおかつヨーロッパ列強の植民地として分割されて統治されてきたという非常に残念な歴史があるわけです。

 このアフリカというところをどう考えるか。これは世界の...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
死と宗教~教養としての「死の講義」(1)「自分が死ぬ」ということ
世界の宗教は死をどう考えるか…科学では死はわからない
橋爪大三郎
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
「ホメロス叙事詩」を読むために(1)ホメロスを読む
2700年前のホメロスの叙事詩が感動を与え続ける理由
納富信留
プラトン『ソクラテスの弁明』を読む(1)真実の創作
プラトンの『ソクラテスの弁明』は謎多き作品
納富信留
楽観は強い意志であり、悲観は人間の本性である
これからの時代をつくるのは、間違いなく「楽観主義」な人
小宮山宏
日本人が知らない自由主義の歴史~前編(1)そもそも「自由主義」とは何か
消極的自由と積極的自由?…なぜ自由主義がわかりづらいか
柿埜真吾

人気の講義ランキングTOP10
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(1)老年病科と高齢者の疾患・病態の特徴
頻尿、低栄養、転倒、誤嚥、フレイル…増える老年症候群と高齢者の疾患・病態の特徴
小川純人
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(5)恐るべき台湾への「浸透」
浸透工作…台湾でスパイ裁判が約70件、それも氷山の一角
垂秀夫
「満洲」から考える日本とアジア(5)ロシアのシベリア征服と日清日露戦争
「満洲利権」はなぜ日本の手に渡ったか?…ロシアの極東征服、そして朝鮮の混乱が日本を日清・日露戦争へ
宮脇淳子
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
「ホメロス叙事詩」を読むために(5)『イリアス』の世界ーその1
叙事詩イリアス…トロイア戦争最後の50日間を描いた傑作
納富信留
日本の財政の真実を検証する(1)膨らむ借金の知られざる実態
日本の財政の「真実」をデータで徹底検証…国際機関の分析は?
宮本弘曉
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
キリンでつかんだ「幸せになる」仕事術(1)悩みの99%は他者との関係性
「使命観=パーパス」に立脚できないのは自分のエゴのせい
田村潤
ChatGPT~AIと人間の未来(1)ChatGPTは何ができて、何ができないか
ChatGPTは考えてない?…「AIの回答」の本質とは
西垣通
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎