社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
「自己啓発本」がヒットし続ける理由とは?
仕事で、恋愛で、日常生活で、上手くいかない自分を変えたい…そんな思いを抱える人々は多いのではないでしょうか。その際にふと書店、オンラインショップで目に留まってしまうのが「自己啓発本」です。
オンラインサービス『Amazon』で発表された「Amazonランキング大賞 2017年間ランキング」では、書籍カテゴリ3位に『嫌われる勇気』がランクイン。マンガというテイストを取っていますが、7位の『君たちはどう生きるか』、そして11位の『LIFE SHIFT』、14位の『会話もメールも 英語は3語で伝わります』、19位の『やり抜く力 GRIT(グリット)―人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける』も自己啓発本に分類されます。
確かに買えば必ず効果が出るものではない自己啓発本。ではなぜ自己啓発本は出続け、依存することになってしまうのでしょうか?
『東洋経済新報オンライン』の『「自分への投資」があまり役に立たない理由』という記事では、自己啓発が流行する理由として明記されてあるのは「実行するのが難しいから」という点にあると指摘しています。
多くの場合、自己啓発本で記される考え方やプロセスは、比較的わかりやすいものが多いのです。つまり成功へのルート、プロセスがきれいな一本道として見えているということです。その単純化したストーリーに気持ちが高揚しますが、現実では何らかの障壁が発生するのは不可避です。そのギャップに悩み続けるから、また新しい自己啓発本を買う……このようなループに入っているとも言えます。
ベストセラーも数多い自己啓発本
自分の考え方を改めるための分野である自己啓発本は、20世紀初頭に生まれたとされており、いわゆるベストセラーになった書籍も数多いのです。例えばデール・カーネギー著の『人を動かす』、また、ここ近年では古賀史健、岸見一郎著の『嫌われる勇気』などはその代表例と言えるでしょう。オンラインサービス『Amazon』で発表された「Amazonランキング大賞 2017年間ランキング」では、書籍カテゴリ3位に『嫌われる勇気』がランクイン。マンガというテイストを取っていますが、7位の『君たちはどう生きるか』、そして11位の『LIFE SHIFT』、14位の『会話もメールも 英語は3語で伝わります』、19位の『やり抜く力 GRIT(グリット)―人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける』も自己啓発本に分類されます。
必ず効果が出るわけではないのになぜヒットし続けるのか
さてそんな自己啓発本ですが、「効果がない」と指摘する人も少なくありません。例えば日本経済新聞に掲載された。『キャリアポルノは人生の無駄だ 谷本真由美著 自己啓発「依存症」に警鐘』という書評では、読者が自己啓発の“依存症”にかかっているのでは、という点に注目もしています。確かに買えば必ず効果が出るものではない自己啓発本。ではなぜ自己啓発本は出続け、依存することになってしまうのでしょうか?
『東洋経済新報オンライン』の『「自分への投資」があまり役に立たない理由』という記事では、自己啓発が流行する理由として明記されてあるのは「実行するのが難しいから」という点にあると指摘しています。
多くの場合、自己啓発本で記される考え方やプロセスは、比較的わかりやすいものが多いのです。つまり成功へのルート、プロセスがきれいな一本道として見えているということです。その単純化したストーリーに気持ちが高揚しますが、現実では何らかの障壁が発生するのは不可避です。そのギャップに悩み続けるから、また新しい自己啓発本を買う……このようなループに入っているとも言えます。
自己啓発本は参考程度に
こうしたことから大事なのは、自己啓発本はあくまで参考程度に読みつつ、自分らしいスタイルを確立していく、あるいは他人のマネではなくオリジナルを作ることではないでしょうか。そのことがその人本来の魅力になると思います。“隣の芝生は青い”とは言いますが、あまりに周囲を見すぎると、自分のやるべきことを見失ってしまうかもしれませんね。
<参考サイト>
・Amazonランキング大賞 2017年間ランキング
https://www.amazon.co.jp/b/ref=s9_acss_bw_ct_x_ct_1_h_w?_encoding=UTF8&node=5373558051
・日本経済新聞:キャリアポルノは人生の無駄だ 谷本真由美著 自己啓発「依存症」に警鐘
https://www.nikkei.com/article/DGXDZO56884050S3A700C1NNK001/
・東洋経済ONLINE:「自分への投資」があまり役に立たない理由
http://toyokeizai.net/articles/-/192118
・Amazonランキング大賞 2017年間ランキング
https://www.amazon.co.jp/b/ref=s9_acss_bw_ct_x_ct_1_h_w?_encoding=UTF8&node=5373558051
・日本経済新聞:キャリアポルノは人生の無駄だ 谷本真由美著 自己啓発「依存症」に警鐘
https://www.nikkei.com/article/DGXDZO56884050S3A700C1NNK001/
・東洋経済ONLINE:「自分への投資」があまり役に立たない理由
http://toyokeizai.net/articles/-/192118
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
物知りもいいけど知的な教養人も“あり”だと思います。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。
『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
現代社会にとって空海の思想がいかに重要か。AIが仕事の仕組みを変え、超高齢社会が医療の仕組みを変え、高度化する情報・通信ネットワークが生活の仕組みを変えたが、それらによって急激な変化を遂げた現代社会に将来不安が増...
収録日:2025/03/03
追加日:2025/11/12
デカルトが注目した心と体の条件づけのメカニズム
デカルトの感情論に学ぶ(1)愛に現れる身体のメカニズム
初めて会った人なのになぜか好意を抱いてしまうことがある。だが、なぜそうした衝動が生じるのかは疑問である。デカルトが友人シャニュに宛てた「愛についての書簡」から話を起こし、愛をめぐる精神と身体の関係について論じる...
収録日:2018/09/27
追加日:2019/03/31
偉大だったアメリカを全否定…世界が驚いたトランプの言動
内側から見たアメリカと日本(2)アメリカの大転換とトランプの誤解
アメリカの大転換はトランプ政権以前に起こっていた。1980~1990年代、情報機器と金融手法の発達、それに伴う法問題の煩雑化により、アメリカは「ラストベルト化」に向かう変貌を果たしていた。そこにトランプの誤解の背景があ...
収録日:2025/09/02
追加日:2025/11/11
『100万回死んだねこ』って…!?記憶の限界とバイアスの役割
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(2)バイアスの正体と情報の抑制
「バイアスがかかる」と聞くと、つい「ないほうが望ましい」という印象を抱いてしまうが、実は人間が生きていく上でバイアスは必要不可欠な存在である。それを今井氏は「マイワールドバイアス」と呼んでいるが、いったいどうい...
収録日:2025/05/12
追加日:2025/11/09
「白人vsユダヤ人」という未解決問題とトランプ政権の行方
戦争と暗殺~米国内戦の予兆と構造転換(3)未解決のユダヤ問題
保守的な軍国化によって、内戦への機運が高まっているアメリカだが、MAGAと極左という対立図式は表面的なものにすぎない。その根本に横たわっているのは白人とユダヤ人という人種の対立であり、それはカーク暗殺事件によって露...
収録日:2025/09/24
追加日:2025/11/06


