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DATE/ 2018.09.04

映画に1800円を払う人は少数派ってホント?

 かつて安価な娯楽として映画がありました。今、4人家族で映画にいくとすると、少なくとも1万円の出費は覚悟しないとならないでしょう。大人2人(1800円×2)+子ども2人(1000円×2)で入場料合計5600円、飲み物、ポップコーン、パンフレットなど合わせると、いくらお釣りが残せるかどうか。3D、4Dとグレードの高い上映を選択するなら、1万円オーバー確定です。

 新作でも少し待てば、レンタルやネット配信で安価に楽しむこともできるだけに、映画館の高額な入場料には考えさせられます。

 今回は、そんな映画入場料について、調べてみました。

映画鑑賞料金の妥当価格は?

 スマートフォンアプリ「映画ランド」を運営するホットモブ・ジャパン株式会社が2016年に実施したアンケートによると、通常大人料金1,800円を高いと感じる人が86%いたことが報告されています。そして、映画鑑賞料金の妥当価格の項目では、「1,100円~1,200円」が49.5%、「1,000円以下」が20.7%、「1,300円~1,400円」が18.6%、「1,500円~1,600円」が11.2%でした。興味深いのは、サービスデーなどを利用した割引価格帯が最も適正と考えられているところです。

2017年で平均料金は1,310円

 世界で比較しても最も高いと言われている日本の映画鑑賞料ですが、通常大人料金1,800円をそのまま支払っているのは少数派ではないかと考えられるくらい、各種割引があることはご存じでしょうか。

 前売り券であれば、1800円が1400円で鑑賞できますし、大手映画館が設定しているサービスから、携帯キャリアごと割引があります。例えばdocomoユーザーなら、イオンシネマで毎週火曜日に、ドコモチューズデーとしてクーポンを見せると、dポイントクラブ会員と同伴者1名までが1100円(税込)で観ることができます。

 こうした割引事情を裏づけるように、日本映画製作者連盟が2018年1月に公表したデータによると、平均入場料金は1310円でした。子ども料金など、冒頭に上げた4人家族5600円の平均をとった1400円を下回ることからも、ユーザーは何かしらの割引サービスを受けていることを想定することができます。

映画鑑賞は割引サービスを忘れずに!

 ここ数年来、3Dから4Dへ、映像技術も音響技術も進化していることから“映画館で映画を観る”価値は上昇傾向にあります。日本映画製作者連盟のデータにおいても、全国のスクリーン数は3472から3525と増えています。この機会に、各種割引サービスを利用して映画館に足を運んでみてはいかがでしょうか。

<参考サイト>
・映画ランド:「 映画館及び映画鑑賞」に関するアンケート調査結果報告
https://eigaland.com/topics/?p=31986
・AEON CINEMA
http://www.aeoncinema.com/event/docomo_tuesday/index.html
・日本映画製作者連盟:日本映画産業統計
http://www.eiren.org/toukei/index.html
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