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DATE/ 2018.09.05

スーパーが「冷凍食品半額」セールをできる理由

 スーパーでは、ときどき冷凍食品の半額セールが開催されています。半額の文字に誘われてついつい買いすぎてしまうものです。

 あまりに当たり前の光景となっているため、そこまで「なぜ?」と疑問に思ったことはないかもしれませんが、よくよく考えてみると、どうして半額にまで値を落とすことができるのでしょうか。実は、ここには巧妙な仕掛けがほどこされているのです。

こわ~い、アンカリング効果

 巧妙な仕掛けは「アンカリング効果」という言葉で説明されています。「アンカリング」とはもともとは船の碇(いかり)をおろすことを意味し、船を一定の範囲内に固定するためにおこないます。碇を「情報」に置き換え、船を「人」に置き換えると、マーケティングにおける「アンカリング効果」も理解しやすくなるでしょう。

 繰り返しになりますが、碇は船の行動範囲を限定します。それと同様に、ある情報が提示されると、人はその情報に強く影響を受け、ある一定の範囲内でしか物事を判断できなくなってしまうことがよくあります。これが「アンカリング効果」です。

セールの値段が通常価格!?

 スーパーの冷凍食品半額と「アンカリング効果」にはどんな関係があるのか。すこし考えてみてください。そんなに複雑なカラクリではありません。

 結論から言うと、スーパーで売られている冷凍食品の値段は、セールの時に売られている安値こそが、もともとの希望小売価格になっています。これ、どういうことか分かりますか。つまり、セール前の価格がかなり高く設定されているということです。

 セール時の値段は、安くなって見えますが、これぞ「アンカリング効果」の魔法というもので、実質的に安いわけではありません。安いと思い込まされていると言ったほうがいいでしょう。

セール詐欺に要注意

 ここまで分かってくると、通常価格で買うのがバカらしくなってきませんか。セールなんかではなくて、詐欺じゃないのかとも思えてきます。

 お店でセールの表示をするためには景品表示法に従わなければなりません。セールを行うためには、ある一定期間、通常価格で販売する必要があります。これを守っていれば法律には引っかかりません。ただし、ときには法律を破って、一定期間の通常価格での販売を経ることなく、セール販売しているお店もあるようなので要注意です。

 冷凍食品だけではなくセール品には要注意と思ったほうがいいかもしれません。どんなときも、セールや半額という言葉の誘惑に負けることなく、本当に安いのかを調べることをおすすめします。ポイントは通常価格の設定がそもそもおかしくないかという点です。本物のセールを見分ける目を磨きましょう。
(10MTV編集部)

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