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DATE/ 2018.10.29

【仕事と年収】造園業(46歳男性)

 今回は46歳の「造園業」の方に年収などのリアルなお金事情、その仕事の内容をうかがいました。

46歳の「造園業」の年収は…

 今回お話をうかがったのはこちらの方。

【年齢】46歳(男性)
【住まい】東京都
【独身or既婚】既婚

・経歴を教えてください。

 某国立大学農学部獣医学科で受験し入学するも挫折し、農業工学(土木、環境システム等)にスイッチし卒業。新卒で造園建設業者へ就職し、現在まで転職なく勤め、現在22年目です。国立大学農業工学系での就職先は、半分が公務員、残り半分は土木系コンサルかゼネコン、土木系サブコンがほとんどであり、造園建設業への就職は、私の出た国立大学では初めてのケースでしたが、せっかく農学部でみどり関係の勉強をしてきたので、みどりに関わる仕事を選択しようと思い、自身で就職先を切り開きました。

・年収/月収/賞与について教えてください。

 年収: 勤めている会社のサラリーが700万円。別途、個人的なコンサルティング業、参考書の執筆、ジャズミュージシャンとしてのギャランティ等での副業収入で50万円程。
 月収: 45~50万円。
 賞与: 80~90万円×年2回支給。

 現在は管理職につき、残業代はなし。深夜残業手当のみ支給。年功序列ではなく、評価に応じて昇給+ベースアップ。さらに上職の推薦をもらった上で昇格試験を受け、合格すると昇格し、昇給。

・貯蓄額はおいくらですか?

 普通預金、財形貯蓄、積立年金で1,000万円。

・年間休日は?
 基本的に、土日祝日は休日。年休は年間付与20日だが、取得数は夏期で5日、年末年始で3日程度。

仕事の内容は?残業はどれぐらい?

 公園工事・マンションや戸建外構植栽工事・再開発等の街並整備工事・生態系保存復元等の工事現場での現場代理人や監理・主任技術者、公園・街路樹等の植栽維持管理業務の経験の後、左記現場物件の営業や設計業務、環境アセスメント、新規事業の企画、資材・工法の開発、外郭団体や大学へ出向しての研究員等を経て、経理業務、内部統制(J-SOX)、内部監査を行ってきました。

 現在は安全推進(工事・維持管理現場等の安全、レストラン等の食品衛生、観覧車等の遊戯施設の安全、温浴施設等の水環境施設の衛生)を担当しています。残業は、毎月50時間くらいで、ほぼ毎月横ばいです。

この仕事の良い点は?

 仕事に不可欠な一級造園施工管理技士、一級土木施工管理技士の他、技術士(建設部門)、情報システム系の資格も取得し、その後会社経営に関連する経理業務や内部監査の主査を務めたおかげで、業界のゼネラリストになれたことです。

 大手鉄道会社や銀行系シンクタンク等、好条件での引き抜きなどのお話も常にいただだいており、いつでも拾ってくれる転職先があるという自負があるので、経営層と意見が食い違っても、ある意味クビを覚悟してでも対決、対峙できるという「攻めの仕事」ができていることでしょうか。いつ現在の勤め先を辞めても良い覚悟で「生きるか死ぬか」で真剣に仕事をさせてもらっています。

この仕事の悪い点は?

 他国では建設業としての地位が高いランドスケープですが、日本における建設業界では、所詮ゼネコンがトップに君臨しており、造園業界はその駒に過ぎず、建設業界としての地位が低いことが、正直、気に入りません。地位が低いということは賃金も高くなく、それでいて泥にまみれる3K職業では、新卒採用数低下や離職率上昇が避けられません。その現実をどう打破していったらいいか、日々模索中です。

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 「造園業」の仕事と年収いかがでしたでしょうか。一口に「造園業」と言っても、様々なお仕事をされているようですね。なお、国税庁の平成28年度の民間給与実態統計調査では、40代後半男性の平均年収は633万円となっています。

<参考サイト>
・国税庁HP「民間給与実態統計調査」より
https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2016/pdf/001.pdf

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