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DATE/ 2018.10.30

キャリア女性の転職事情とは?

 キャリアアップ目指し転職したいけれど、転職しようかどうか迷っているキャリア女性も多くいると思います。転職経験が全くないという人は、男性だけでなく女性も減ってきている印象がありますが、実際にキャリア女性の最近の転職事情はどうなっているのでしょうか。

キャリア女性の調査から見る、転職の実態とは?

 まずは、そんな転職に迷っているキャリア女性にぜひ参考にしてもらいたいのがこちら、女性向けのライフキャリア支援サービスを展開する株式会社 LiBが運営するキャリア女性に特化した会員制転職サイト『LiBzCAREER(リブズキャリア)』会員約13万人の登録情報より、分析調査を行った『キャリア女性の転職事情2018』です。平均33.2歳のキャリア女性達の転職事情の傾向を、こちらの数字から読み解いていきたいと思います。

【転職経験ありのキャリア女性は、60%にも】
 冒頭で転職経験のない人は減っている印象があると書きましたが、この調査でも、約6割の女性が転職経験ありという結果に。転職経験社数は、1社が40.3%と最も多く、2社は24.7%。約4人に1人の方が2社転職した上で更に転職サイトに登録し、転職の意志があるとも言えます。もはや転職は迷うものではない、という意識を持っているキャリア女性が増えているのではないでしょうか。

【キャリアアップ指向が主流。年収をアップさせたい人が40.7%】
 女性の転職の動機が、出産や育児など家庭の事情というのは昔の話。現在は4割強の人が、転職は年収アップのため、言い換えればキャリアアップのためと考えていると言える傾向が。お金よりも、働きやすい環境や条件の方を優先する人は22.7%と少数派で、現状維持の年収でもいいと答えた人も36.7%と、年収アップ希望派が多数派だという数字が見られます。

【少ないと見るか多いと見るか。転職後の年収は平均9.3万円アップ】
 転職後の年収は平均9.3万円アップに。年収で見れば「上がった」と感じる数字ですが、月給なら月々約7750円。これを多いと見るか少ないと見るかは人それぞれですが、理想の年収アップとは少しギャップを感じる部分も。2年前の同様の調査では、平均で年収約30万円アップという結果が。キャリア女性の大幅な年収増加は現在頭打ち状態なのか、厳しくなってきているのかもしれません。

【マネジメント経験はキャリア女性の転職にどのくらい必要?】
 30代半ばになるとマネジメント経験の有無に転職活動が左右されます。この調査の平均33.2歳のキャリア女性では、マネジメント経験があるのは全体の約3割で決して多くはありません。転職の際に管理職経験を求められることは同年代男性と比べると多くはないようで、ある意味転職しやすいという声も。しかし、その分給与も抑えられがちで、収入的には不利になる場合も。男性と並んで理想の転職をするには、早めにマネジメントスキルを身につけることも重要です。

転職後のキャリア女性3人の、実体験の声から学べること

 実際に、ここ2年間で転職を経験した30~40代のキャリア指向の女性3人にも、その転職事情を伺ってみました。

・「やりがいを重視して転職。また転職する可能性も」
Sさん(35歳、大手通信会社→ITベンチャー)
動機) 会社が合併後、やりたい仕事ができなくなったため。
収入) あまり変わらない。
マネジメント経験) 無し。ベンチャーで若い子達と横並びで働いている。
転職して良かった点) 仕事のやりがいがあり楽しい、自分の意見が通りやすい社風。
転職して悪かった点) 大手からベンチャーに転職したため、会社の将来に不安もある。

・「腰掛けではなく一生働きキャリアを積みたいと思い、一般職から総合職に転身」
Hさん(33歳、金融系→飲料メーカー)
動機) 一般職で就職後、キャリア指向になり総合職で働きたかったから。
収入) 年収だと20万円くらいアップした。
マネジメント経験) 転職後に、部下を持つようになった。
転職して良かった点) 女性が役員にも多く居る会社なのでキャリアアップしやすい。
転職して悪かった点) 特に無し。

・「どうせ働くなら、給料と福利厚生のいい会社に勤め上げたい」
Aさん(43歳、不動産→不動産)
動機) 仕事が小さく、同業でもっと収入を増やせる大きい会社からヘッドハンティングされたため。
収入) 年収で100万円アップ。大手に転職したのでボーナスが良い。
マネジメント経験) 有り。前職でマネジメント経験があったのは大きかった。
転職して良かった点) 年収アップと会社の安定感。福利厚生もいいのでずっと働ける。
転職して悪かった点) 責任がより重くなったこと。当たり前ですが。

 やりがい、キャリア、収入。転職動機は様々ですが、年収アップと会社の安定を実感するHさんとAさんは「このまま定年まで勤め上げたい会社に出会えた」と満足。一方で転職後年収が据え置き状態のSさんは「また転職するかも…」と考えることもあるそうです。

 確かに、今よりいい仕事、高い給料、大きな会社と、プラスを求めてキャリアを積むために転職するのは当然ですが、納得できる転職先を見つけることはそう簡単ではありません。中には「結婚もしていないしキャリアを高めたいと、ちゃんと働ける会社を求めて転職を繰り返した結果、実績やマネジメントスキルを培う時間がなかった」と後悔する転職4回目という女性も。キャリア女性の転職は特別なことではなくなっているとも言えますが、転職する前にある程度実績を作り、経験値を増やしておくことが成功する転職のポイントなのではないでしょうか。

<参考サイト>
・数字でみる「キャリア女性の転職事情2018」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000026.000010727.html
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テンミニッツTV編集部
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