社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
紙幣の「裏面」デザイン、覚えていますか?
千円札は野口英世から北里柴三郎へ、五千円札は樋口一葉から津田梅子へ、一万円札は福澤諭吉から渋沢栄一へ。令和の年号が発表されてすぐに2024年度に新紙幣が発行されることも発表され、発表後は選定された人物が注目されたことは記憶に新しいと思います。
紙幣には表面に肖像が描かれているだけでなく、裏面にもデザインが施されているのはご存知かと思います。しかし、各紙幣にどんな絵柄があったかすぐ思い出せるでしょうか? 今回は注目されることの少ない紙幣の裏面のデザインについて調べてみました。
時には新紙幣になっても肖像が変わらず、裏面の図柄だけ変わるパターンも。一万円札の肖像でお馴染みの福澤諭吉は、1984年発行の紙幣では雉が描かれていますが、2004年に発行の紙幣では平等院鳳凰像が描かれているのです。お手元に旧札がある方はぜひ見比べてみても面白いかもしれません。
まず、渋沢栄一が肖像の一万円札に描かれるのは東京駅の丸の内駅舎。近代建築が描かれるのは珍しく、実際に近代建築が紙幣の図柄として採用されたのは国会議事堂、日本銀行旧館のみ。近代建築が印刷された、これまでと雰囲気の違う紙幣を新鮮に思う方も少なくないでしょう。
津田塾大学を創立した津田梅子が肖像の五千円札には、古事記や万葉集に登場するほど古くから親しまれている藤の花の図案が採用。紫色が基調の印刷となるため、色味にしっくり馴染むデザインになっています。
北里柴三郎が描かれる千円札には、葛飾北斎の『富嶽三十六景』より「神奈川沖浪裏」が選ばれています。日本を代表する浮世絵作品のひとつで、世界の芸術家に大きな影響を与えたことが選定の理由とされています。
<1946年~>
五銭札:梅
十銭札:鳩・国会議事堂
一円札:二宮尊徳・鶴、稲
五円札:彩文(模様?)
十円札:国会議事堂・鳳凰
百円札:聖徳太子・法隆寺
<1950年~>
五十円札:高橋是清・日本銀行本館
百円札:板垣退助・国会議事堂
五百円札:岩倉具視・富士山
千円札:聖徳太子・法隆寺夢殿
<1957年~>
五百円札:岩倉具視・桜
千円札:伊藤博文・日本銀行旧館
五千円札:聖徳太子・日本銀行旧館、獅子
一万円札:聖徳太子・平等院鳳凰堂
<1984年~>
千円札:夏目漱石・鶴
二千円札:守礼門・源氏物語絵巻「鈴虫」
五千円札:新渡戸稲造・富士山
一万円札:福澤諭吉・雉
<2004年~>
千円札:野口英世・富士山と桜
五千円札:樋口一葉・燕子花図
一万円札:福澤諭吉・平等院鳳凰像
紙幣には表面に肖像が描かれているだけでなく、裏面にもデザインが施されているのはご存知かと思います。しかし、各紙幣にどんな絵柄があったかすぐ思い出せるでしょうか? 今回は注目されることの少ない紙幣の裏面のデザインについて調べてみました。
紙幣の裏面にどんなものが描かれてきたの?
肖像に野口英世が描かれた現行の千円札では富士山と桜が描かれているといわれるとピンとくる方もいるかもしれません。富士山は日本の象徴として古くから愛されているため、度々モチーフとして選ばれています。他にも桜や『燕子花図』などの花を描いたり、雉や鶴だけでなく想像上の動物である鳳凰を描いたり、図柄にはさまざまなものが描かれてきました。時には新紙幣になっても肖像が変わらず、裏面の図柄だけ変わるパターンも。一万円札の肖像でお馴染みの福澤諭吉は、1984年発行の紙幣では雉が描かれていますが、2004年に発行の紙幣では平等院鳳凰像が描かれているのです。お手元に旧札がある方はぜひ見比べてみても面白いかもしれません。
新紙幣に描かれるものは?
現行紙幣では一万円札には鳳凰、五千円札には尾形光琳の『燕子花図』、千円札には富士山と桜が描かれています。鳥、花、風景となんとも雅やかなモチーフが選ばれていますが、新紙幣にはどんなものが描かれるのでしょうか。まず、渋沢栄一が肖像の一万円札に描かれるのは東京駅の丸の内駅舎。近代建築が描かれるのは珍しく、実際に近代建築が紙幣の図柄として採用されたのは国会議事堂、日本銀行旧館のみ。近代建築が印刷された、これまでと雰囲気の違う紙幣を新鮮に思う方も少なくないでしょう。
津田塾大学を創立した津田梅子が肖像の五千円札には、古事記や万葉集に登場するほど古くから親しまれている藤の花の図案が採用。紫色が基調の印刷となるため、色味にしっくり馴染むデザインになっています。
北里柴三郎が描かれる千円札には、葛飾北斎の『富嶽三十六景』より「神奈川沖浪裏」が選ばれています。日本を代表する浮世絵作品のひとつで、世界の芸術家に大きな影響を与えたことが選定の理由とされています。
選考基準はないけれど
紙幣の裏面の図柄には、法的な判断基準はないといわれています。しかし、1950年代発行の紙幣は国会議事堂や日本銀行が描かれていたものが、時代が降るにつれて富士山や鶴、雉といった動物、日本の芸術作品が採用されるようになっています。その背景にはその時代ごとに異なる「日本らしさ」を感じることができるのではないでしょうか。<1946年~>
五銭札:梅
十銭札:鳩・国会議事堂
一円札:二宮尊徳・鶴、稲
五円札:彩文(模様?)
十円札:国会議事堂・鳳凰
百円札:聖徳太子・法隆寺
<1950年~>
五十円札:高橋是清・日本銀行本館
百円札:板垣退助・国会議事堂
五百円札:岩倉具視・富士山
千円札:聖徳太子・法隆寺夢殿
<1957年~>
五百円札:岩倉具視・桜
千円札:伊藤博文・日本銀行旧館
五千円札:聖徳太子・日本銀行旧館、獅子
一万円札:聖徳太子・平等院鳳凰堂
<1984年~>
千円札:夏目漱石・鶴
二千円札:守礼門・源氏物語絵巻「鈴虫」
五千円札:新渡戸稲造・富士山
一万円札:福澤諭吉・雉
<2004年~>
千円札:野口英世・富士山と桜
五千円札:樋口一葉・燕子花図
一万円札:福澤諭吉・平等院鳳凰像
<参考サイト>
・富士山・鳳凰は度々採用! “隠し文字”も潜むお札の「裏面」はどう決まる?│FNNプライムオンライン
https://www.fnn.jp/articles/-/1748
・紙幣の図柄について、図柄の意味と、その図柄を採用した理由を教えてください|財務省
https://www.mof.go.jp/faq/currency/07am.htm
・新しい日本銀行券及び五百円貨幣を発行します|財務省
https://www.mof.go.jp/currency/bill/20190409.html
・お札に関するよくあるご質問|国立印刷局
https://www.npb.go.jp/ja/intro/faq/index.html
・富士山・鳳凰は度々採用! “隠し文字”も潜むお札の「裏面」はどう決まる?│FNNプライムオンライン
https://www.fnn.jp/articles/-/1748
・紙幣の図柄について、図柄の意味と、その図柄を採用した理由を教えてください|財務省
https://www.mof.go.jp/faq/currency/07am.htm
・新しい日本銀行券及び五百円貨幣を発行します|財務省
https://www.mof.go.jp/currency/bill/20190409.html
・お札に関するよくあるご質問|国立印刷局
https://www.npb.go.jp/ja/intro/faq/index.html
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
雑学から一段上の「大人の教養」はいかがですか?
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,500本以上。
『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
最悪10メートル以上海面上昇…将来に禍根残す温暖化の影響
水から考える「持続可能」な未来(1)気候変動の現在地
今や世界共通の喫緊の課題となっている地球温暖化。さらに、日本国内の上下水道など、インフラの問題も、これから大きな問題になっていく。地球環境からインフラまで、「持続可能」な未来をどうつくっていくのかについて、「水...
収録日:2024/09/14
追加日:2025/03/06
トランプの動きを止められるのは?グローバル環境の現在地
グローバル環境の変化と日本の課題(1)世界の貿易・投資の構造変化
アメリカでは再びトランプ氏が大統領に就任し、アメリカ・ファーストのもと大型関税に舵を切る一方、中国は過剰な輸出体制を取っている。加えて、気候変動を踏まえたサステナビリティの議論も進むグローバル環境において、日本...
収録日:2025/01/17
追加日:2025/03/04
大奥のはじまり…春日局を悩ませた徳川家光の衆道好き
江戸時代を支えた大奥(1)生活空間としての大奥の確立
テレビドラマなどでも題材になることが多い大奥だが、その実態は、作品世界で描かれるような世界とは少し違っているようだ。社交や儀式の場となる「表」に対して、プライベートな空間として区切られた「奥」という空間。その最...
収録日:2023/08/21
追加日:2023/10/15
なぜ銀行が国債を買うとお金の総量が増えるのか
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(2)お金の総量と国債…残念なブタ積み
社会に流通するお金の総量を司っているのは日本銀行券を発行する日銀だと、一般には思われているかもしれない。しかし、日銀がお金を生み出すその量はあくまで受動的に決定されており、その増減の鍵を握るのは人々の需要と民間...
収録日:2024/12/04
追加日:2025/03/01
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
日進月歩の進化を遂げている生成AIは、私たちの生活や仕事の欠かせないパートナーになりつつある。企業における生成AI技術の利用に焦点をあてる今シリーズ。まずは世界的な生成AIの導入事情から、日本の現在地を確認しよう。(...
収録日:2024/11/05
追加日:2024/12/24