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日本の平均年収は昔に比べて上がっているのか?
世界の賃上げに日本が取り残されていることを日経新聞が報じたのは2018年1月22日。主要7カ国(G7)で日本だけが2000年の賃金水準を下回ることが報じられた日は、ちょうど首都圏が大雪に見舞われ、都心の積雪が20センチを超えた日でした。Twitter上では「賃金安い。無理に出社。帰宅難民続出。日本ブラック」と驚きや諦めの声が相次ぎました。
テレビでも1月18日にNHKの「クローズアップ現代+」が、「食の“スモールチェンジ”裏事情」と題して、おにぎりや飲料の規格を減らすことで実質値上げが起きている実態を報道。消費者が価格にシビアなのは賃金が上がらないから、という統計データとしてG7各国の名目賃金比較表をあげました。
状況は改善されたのでしょうか?
・2017年収入:4位米国(60.6k)/12位カナダ(47.6k)/13位ドイツ(47.6k)/14位フランス(43.8k)/15位イギリス(43.7k)/18位日本(40.9k)/21位イタリア(36.7k)
・2016年収入:3位米国(60.7k)/11位カナダ(47.4k)/12位ドイツ(47.4k)/14位イギリス(43.7k)/15位フランス(43.2k)/18位日本(40.7k)/21位イタリア(37.0k)
・1997年収入:3位米国(47.8k)/7位日本(40.9k)/9位ドイツ(40.6k)/13位カナダ(36.2k)/14位イタリア(35.7k)/15位フランス(34.9k)/19位イギリス(33.5k)
単位のkはUS千ドル。
1997年にアメリカの平均収入は478万ドル、日本は409万ドルだったものが、20年後の2017年、アメリカの平均収入は606万ドルまで上がり、日本は同じ409万ドルだということです。少しではあれ改善されたため、「減っている」ほどのインパクトはなくなりましたが、愕然とする結果であることに違いはありません。
しかし、日本のサービスや製品の国際競争力を見ると、どうも日本人の労働は、直接お金に関わらないところに向けられている部分が多いようにうかがえます。ちなみに日本の雇用率は76.9%と世界5位(G7では1位)、年間労働時間数は1710時間で世界21位(G7ではアメリカ、イタリアに次ぐ3位)です。日本人の平均的な働き方は、世界に比べてもそれほど「長時間労働」とは言えないようですが、「サービス残業」を算入すると、どのぐらい増えるのか見当がつきません。おそらくその大半は「生産性には直接結びつかない」労働時間なのでしょうね。
『人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか』(慶應義塾大学出版会)の編著者である玄田有史氏は、若手研究者を中心に16の角度からこの問題を検討しています。企業の内部留保の高さはいざという時に賃金を減らさないためのリスクヘッジであること、「就職氷河期世代」の賃金の低さが日本経済全体に影響を及ぼしていること、「欲しい人材」と「働きたい人材」がズレているため、コア層では人手不足が起こり、非正規労働マーケットでは若年者と高齢者の競争が賃金を抑制していることなどなど。多様なアプローチにより明かされる「賃金が上がらない」原因は、複合汚染状態を思わせます。
最も気になる「賃金が上がっていくには」の章では、ボーナスの積極的活用とOJTの再構築が方法として上げられました。将来の業績悪化を懸念して給与を上げられないなら、せめて賞与で利益分配を、これは大きくうなずく方が多いと思います。また、能力開発や人材育成が衰退しているため、そう給料は上げられないという声も深刻でした。
日本だけが取り残されているように見えるのには、いくつもの理由があることを理解し、企業の方向性については、血の通った人間が舵をとっていくことが重要ということでしょう。
テレビでも1月18日にNHKの「クローズアップ現代+」が、「食の“スモールチェンジ”裏事情」と題して、おにぎりや飲料の規格を減らすことで実質値上げが起きている実態を報道。消費者が価格にシビアなのは賃金が上がらないから、という統計データとしてG7各国の名目賃金比較表をあげました。
状況は改善されたのでしょうか?
1997年水準とようやく並んだ日本の平均年収
OECDの更新されたデータを見ると、以下のようになっています。2列目の「2016年年収」が、2018年に話題を呼んだ「20年前を下回る」データでした。2016年から2017年では、米国、イギリス、イタリアがやや伸び悩んでいますが、その他は少しずつ増えています。・2017年収入:4位米国(60.6k)/12位カナダ(47.6k)/13位ドイツ(47.6k)/14位フランス(43.8k)/15位イギリス(43.7k)/18位日本(40.9k)/21位イタリア(36.7k)
・2016年収入:3位米国(60.7k)/11位カナダ(47.4k)/12位ドイツ(47.4k)/14位イギリス(43.7k)/15位フランス(43.2k)/18位日本(40.7k)/21位イタリア(37.0k)
・1997年収入:3位米国(47.8k)/7位日本(40.9k)/9位ドイツ(40.6k)/13位カナダ(36.2k)/14位イタリア(35.7k)/15位フランス(34.9k)/19位イギリス(33.5k)
単位のkはUS千ドル。
1997年にアメリカの平均収入は478万ドル、日本は409万ドルだったものが、20年後の2017年、アメリカの平均収入は606万ドルまで上がり、日本は同じ409万ドルだということです。少しではあれ改善されたため、「減っている」ほどのインパクトはなくなりましたが、愕然とする結果であることに違いはありません。
年収が上がらない理由はどこにあるのか?増やす方法は?
一体なぜこういうことになるのでしょうか。安倍首相がよく言うように「労働生産性」が低いからでしょうか?日本生産性本部のHPを見ると、日本の時間当たり労働生産性は47.5ドルで、OECD加盟36カ国中20位、G7中では1970年以降最下位を続けているといいます。また一人当たりに直してみても、84.0万ドル(837万円)は英国やカナダをやや下回る水準で、OECD加盟国中21位の低さです。しかし、日本のサービスや製品の国際競争力を見ると、どうも日本人の労働は、直接お金に関わらないところに向けられている部分が多いようにうかがえます。ちなみに日本の雇用率は76.9%と世界5位(G7では1位)、年間労働時間数は1710時間で世界21位(G7ではアメリカ、イタリアに次ぐ3位)です。日本人の平均的な働き方は、世界に比べてもそれほど「長時間労働」とは言えないようですが、「サービス残業」を算入すると、どのぐらい増えるのか見当がつきません。おそらくその大半は「生産性には直接結びつかない」労働時間なのでしょうね。
『人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか』(慶應義塾大学出版会)の編著者である玄田有史氏は、若手研究者を中心に16の角度からこの問題を検討しています。企業の内部留保の高さはいざという時に賃金を減らさないためのリスクヘッジであること、「就職氷河期世代」の賃金の低さが日本経済全体に影響を及ぼしていること、「欲しい人材」と「働きたい人材」がズレているため、コア層では人手不足が起こり、非正規労働マーケットでは若年者と高齢者の競争が賃金を抑制していることなどなど。多様なアプローチにより明かされる「賃金が上がらない」原因は、複合汚染状態を思わせます。
最も気になる「賃金が上がっていくには」の章では、ボーナスの積極的活用とOJTの再構築が方法として上げられました。将来の業績悪化を懸念して給与を上げられないなら、せめて賞与で利益分配を、これは大きくうなずく方が多いと思います。また、能力開発や人材育成が衰退しているため、そう給料は上げられないという声も深刻でした。
日本だけが取り残されているように見えるのには、いくつもの理由があることを理解し、企業の方向性については、血の通った人間が舵をとっていくことが重要ということでしょう。
<参考文献・参考サイト>
・『人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか』(玄田有史編、慶應義塾大学出版会)
・OECD Data
https://data.oecd.org/earnwage/average-wages.htm
・『人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか』(玄田有史編、慶應義塾大学出版会)
・OECD Data
https://data.oecd.org/earnwage/average-wages.htm
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