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DATE/ 2019.05.24

世界で「観光収入」が最も多い国は?

 昨今、「インバウンド」という言葉をよく耳にするようになりました。インバウンドビジネスとは、外国人観光客向けのビジネスのことです。観光業は国や自治体、企業や個人の事業主にとっても、大きな収入源になります。

 今回の記事では、観光収入のトップ10の国をご紹介します。みなさんは世界でいちばん観光収入の多い国がどこだか分かりますか。また、日本は何位だと思いますか。

世界の観光収入の輸出分野トップ3

 国連世界観光機関(UNWTO)は、毎年、「Tourism Highlights」を発行し、観光に関する統計やランキングを発表しています。本記事では、「Tourism Highlights 2018」をもとに観光収入のトップ10をご紹介します。

 「Tourism Highlights 2018」は、2017年の主な動向を反映したもの」です。2017年の国際観光の主な動向としては、国際観光客到着数が2010年以降の7年間で最も高い成長を示したことが挙げられます。

 いまや観光は世界の輸出部門において、化学、エネルギーに次ぐ第3位の収入を生みだしているのです。

第1位の観光収入は2兆ドル超

 さて、本題である2017年の国際観光収入ランキングを発表します。トップ10はみなさんのおなじみの国や地域ばかりです。

 第1位はアメリカです。意外ですか。それとも、予想通りでしたか。アメリカは2018年もトップ。観光収入は圧倒的で、2兆ドルを超えています。

 それに対して、2位のスペインは6800億ドル。アメリカは倍以上も突き放していることになります。ただし、アメリカは伸び率が1.9パーセントと他の国と比べて圧倒的に低くなっています。次に伸び率の低いドイツでも4.2パーセント、その他の国々はだいたい10パーセントほどかそれ以上です。

 ちなみに、1位アメリカ、2位スペインに続く、5位までは2018年と同じです。

世界で最も訪問された地域の強み

 地域別でいうと、世界で最も訪問された地域は、ヨーロッパです。観光収入ランキングにおいても2位スペイン、3位フランス、5位イギリス、6位イタリア、7位オーストリア、8位ドイツとトップ10のほとんどをヨーロッパが占めています。

 ヨーロッパには、歴史的建造物が多く、たくさんの国々が国境を接しているため移動がしやすいこと、また、国単位だけでなくEUという大きな連合体による観光政策に取り組むことができるといった強みがあります。

世界最大の観光支出国が成功のカギ

 アジアだって負けていません。4位にタイ、9位にマカオ(中国)、そして10位に日本がランクインしています。タイの伸び率は13.3パーセント、マカオの伸び率は17.6パーセント、日本は14.4パーセントです。

 マカオの伸び率17.6パーセントは驚異的です。みなさんご存知のとおり、マカオにはカジノ産業があります。マカオに次いで伸び率が高かったのが日本。現在のところ、日本の観光政策はきちんと結果に結びついています。前回のランキングでは、マカオが12位、日本が11位でした。

 アジア・太平洋地域全体の成長率は6パーセントでした。「特に中国、韓国やオーストラリアからの堅調な需要を反映した」とのこと。ただし、「韓国は中国からの到着数減少に苦しんだ」ともあります。世界最大の観光支出国である中国の注意をいかに引き込むかが観光で成功する鍵になります。

 あらためて、観光収入ランキングを発表すると、1位アメリカ、2位スペイン、3位フランス、4位タイ、5位イギリス、6位イタリア、7位オーストラリア、8位ドイツ、9位マカオ(中国)、10位日本です。

 みなさんが旅行に行きたい国や地域はこのランキングに入っていましたか。旅行に行くとき、「なぜそこに行きたいと思ったのか」、「その場所の魅力とはなんだろう」などと頭を巡らせると、その国や地域の観光政策が垣間見えたりして、経済の勉強にもなります。

 旅行とは、日常から離れ、非日常を体験することです。普段より感覚が鋭くなります。ぜひ、遊びを満喫するとともに、ビジネス感覚も研ぎ澄ましてきてください。

<参照サイト>
・Tourism Highlights 2018(日本語版)│国連世界観光機関(UNWTO)
https://unwto-ap.org/document/e-library/
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