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DATE/ 2019.07.09

年収1000万円の人の財布の中身、手取り月収は?

 年収1000万円。その響きにはステータス感がありますよね。国税庁の給与階級別分布を見ても、1000万円超の人は、給与所得者のうちわずか3.9%ほどしかいません。人数でいうと約185万人ほどです。そんな選ばれし1000万円プレイヤーにはどんな特徴があるのでしょうか?

1000万円プレイヤーは給料日を意識しない?

 ハイクラス人材サイト「iX」が、1000万円プレイヤーに特化した調査を行いました。ここでの1000万円プレイヤーとは、年収1000万円超で1100万円未満の層です。日本の平均年収層(以下、平均層)である400万~500万円のビジネスパーソンと比べてみると、大きな違いは給料日を意識しているかどうか。1000万円プレイヤーは約60%が意識していないのに対し、平均層は40%にとどまりました。「給料日まで1週間、飲み会は控えよう…」そんな努力とは縁遠いのかもしれません。

 そして気になるのは財布の中身。ここを見てみると、1000万円プレイヤーだからと言ってたくさん入れているというわけではなく、10,000~30,000円という回答が46.2%と多数派、平均層も36.1%でした。ただし30,000~50,000円(16.3%対8.5%)、50,000~100,000円(8.5%対2.5%)と金額が大きくなるにつれ1000万円プレイヤーと平均層の違いが大きくなっていくことも明らかになりました。また、財布の値段の200倍が年収になる、なんて俗説もあり、ここに当てはめてみると1000万円プレイヤーの財布は5万円以上、平均層は2万円以上と考えることもできますね。

 初任給の平均額で見ると、1000万円プレイヤーは202,393円、平均層は195,936円。金額では6457円、割合で見ても3.3%ほどにすぎません。1000万円プレイヤーのうち、新入社員時に年収1000万円以上を目指していたのは46.8%と半数にも達していませんでした。1000万円超となった要因として挙げたのは、「自身の努力」が56.4%で一番多く、次いで「運」が52.9%でした。

手取り月収の目安は…ざっくり50万円前後

 そもそも年収1000万円って、月給やボーナスはいくらくらいなのでしょうか?リクナビNEXTの調査によると、ボーナスは196.8万円、月収は71.9万円、預貯金額は1853万円が平均だったそうです。扶養家族の有無によっても異なりますが、手取りの月収は50万円前後になりそうです。

 年収1000万円をもらえるのはどんな企業なのでしょうか?東洋経済オンラインの平均年収「全国トップ500社」ランキングによると、1000万円にいちばん近いのはアサヒグループホールディングス(1001万円、平均年齢42.9歳)、共栄タンカー(999万円、40.4歳)、アクセル(999万円、43.5歳)でした。新卒入社でこうした企業に入り、コツコツと努力するというのも一つの手でしょう。

 様々な切り口から年収1000万円を分析してみました。身近に感じられたでしょうか?それとも縁遠く感じられたでしょうか?努力と運次第で届く、そう信じて頑張っていきましょう!

<参考サイト>
・標本調査結果|国税庁
https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2017/minkan.htm
日本初、ハイクラス人材のキャリア戦略プラットフォーム「iX(アイエックス)」が今どき1,000万円プレイヤーの「お金事情」を徹底調査 | iX[アイエックス]
https://ix-portal.jp/pressroom/news/20190606_01/
https://ix-portal.jp/pressroom/news/20190403_01/
・年収1000万円正社員の月収や手取り、貯金額は
https://next.rikunabi.com/tenshokuknowhow/archives/9916/
・最新!平均年収「全国トップ500社」ランキング | 賃金・生涯給料ランキング | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
https://toyokeizai.net/articles/-/257530?page=3
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