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資産運用…NISAとは何か?一体何がお得なのか
老後2000万円問題もあり、資産形成の必要性に関する声がよく聞かれるようになりました。とは言え「資産形成」と聞くと難しそうだと思う人も多いかもしれません。そこでまずハードルが低いのはNISA(少額投資非課税制度)ではないでしょうか。大きくいうと、NISAは一定範囲額内の投資で得た収益に税金(約20%)がかからなくなる制度です。NISAで投資できるのは投資信託や株式などといった金融商品。現在少しずつ利用者が増加しています。ここでNISAについて少し詳しく見てみましょう。
つまり、一人年間120万円まで買い付けたものに対する売却益や配当金が5年間非課税になります。例えば、ある年に株式を120万円分購入し、値上がりした株を150万円で売却したとします。もしNISA以外の口座で売買した場合、売却益30万円に対し、20.315%の税金を払うことになるので、60,945円の税金を支払う必要があります。これがNISA口座でのやりとりであれば、売却益30万円をそのまま非課税で受け取ることができます。この120万円の枠は1年ごとに5年間新しく設定されるので、5年間の合計で最大600万円が非課税になります。このように考えると、NISAの節税効果がかなり高いことがわかります。
20代:5.4%(+5.0%)
30代:12.1%(+4.1%)
40代:16.6%(+3.4%)
50代:17.3%(+2.9%)
60代:20.6%(+0.5%)
70代:19.2%(+1.9%)
80代以上:8.8%(+1.6%)
60代が最も高くなっています。経済的に最も豊かでかつ老後資金への意識が最も高い世代と言えるでしょう。60代までおおよそ年代が上がるに連れて利用率は上がっています。また、増加率はどの年代でも上がっていますが、特に世代が若いほど増加率が高いことがわかります。全体の増加率平均は2.4%なので、50代よりも若い世代がより増加している傾向が読み取れます。
また、マネックス証券の資料には同社に講座を所有し、4年以上NISAを活用している人の割合が示されています。年代別に見ると、60代以上71.3%、50代62.8%、40代62.5%、30代59.8%、20代57.2%。年代が高い方が利用者の割合は高いですが、20代から30代といった若年層でもおよそ6割がNISAを活用していることがわかりました。
金融庁の調査からは、若い世代の意識が徐々に投資に向かっていることがわかります。また実際に証券口座を所有している人では6割以上がNISAを活用するなど、NISAが実際の投資の現場で積極的に利用されていることがわかります。
NISAは5年間で最大600万円の投資が非課税に
最近はネット上の証券会社も増え、簡単に株や債権、投資信託といった金融商品を買うことができるようになりました。もちろん誰でも購入することができるのですが、問題は税金が高いことです。例えば株で得た利益(売却益や配当金)に関してはで合計20.315%(所得税15.315%、住民税5%)が課税されます。特定口座でやりとりをすれば、納税は全て自動で行われるので確定申告で税金を払い忘れる心配はありません。しかし、納めなければならない税金はおよそ20%という高い壁です。この壁を取り払うものがNISAです。NISA口座であれば120万円の非課税投資枠が設定されます。つまり、一人年間120万円まで買い付けたものに対する売却益や配当金が5年間非課税になります。例えば、ある年に株式を120万円分購入し、値上がりした株を150万円で売却したとします。もしNISA以外の口座で売買した場合、売却益30万円に対し、20.315%の税金を払うことになるので、60,945円の税金を支払う必要があります。これがNISA口座でのやりとりであれば、売却益30万円をそのまま非課税で受け取ることができます。この120万円の枠は1年ごとに5年間新しく設定されるので、5年間の合計で最大600万円が非課税になります。このように考えると、NISAの節税効果がかなり高いことがわかります。
つみたてNISAは非課税期間が20年
上記は2014年に制度が始まった一般NISAの場合です。これに加えて2016年からは未成年者を対象とした「ジュニアNISA」が始まり、2018年からは「つみたてNISA」がスタートしました。「ジュニアNISA」は0歳から19歳を対象に年間80万円分の非課税投資枠があります。「つみたてNISA」の非課税投資枠は年間40万円までですが、非課税期間が20年と長く設定されています。また「つみたてNISA」は購入可能な商品に限定があり、長期・積立・分散投資に適した投資信託から選びます。これは「つみたてNISA」が、短期的な売り買いではなく長期間の安定した資産保有を目的としているためです。一方、現状の一般NISAは2023年に投資できる期限が切れることもあり、2024年度からは新制度のNISAが検討されているようです。NISA利用率は若年層ほど増加している
どれくらいの年代の人たちがNISAを利用しているのか、NISA口座所有者(一般・つみたて合計)の年代別比率を見てみましょう。2019年9月時点での金融庁の資料によると、以下の通りです。カッコ内は2019年6月末時点に対する口座数増加率です。20代:5.4%(+5.0%)
30代:12.1%(+4.1%)
40代:16.6%(+3.4%)
50代:17.3%(+2.9%)
60代:20.6%(+0.5%)
70代:19.2%(+1.9%)
80代以上:8.8%(+1.6%)
60代が最も高くなっています。経済的に最も豊かでかつ老後資金への意識が最も高い世代と言えるでしょう。60代までおおよそ年代が上がるに連れて利用率は上がっています。また、増加率はどの年代でも上がっていますが、特に世代が若いほど増加率が高いことがわかります。全体の増加率平均は2.4%なので、50代よりも若い世代がより増加している傾向が読み取れます。
また、マネックス証券の資料には同社に講座を所有し、4年以上NISAを活用している人の割合が示されています。年代別に見ると、60代以上71.3%、50代62.8%、40代62.5%、30代59.8%、20代57.2%。年代が高い方が利用者の割合は高いですが、20代から30代といった若年層でもおよそ6割がNISAを活用していることがわかりました。
金融庁の調査からは、若い世代の意識が徐々に投資に向かっていることがわかります。また実際に証券口座を所有している人では6割以上がNISAを活用するなど、NISAが実際の投資の現場で積極的に利用されていることがわかります。
NISAは老後の不安を和らげるかもしれない
ここまでNISAについてみてきました。投資と聞くと、怖い、よくわからない、めんどくさいと感じる人もいるとは思います。「分からない」という状態は人間にとって不安です。できれば避けて通りたいという気持ちもあります。しかし老後の不安を少しクリアにする意味でも、一度NISAについて調べてみるのも一手です。特に「つみたてNISA」は比較的低リスクの安定した商品から選ぶこともあり、うまく利用できれば、将来の不安に対して有効な策になるかもしれません。<参考サイト>
・NISAとは?│金融庁
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/index.html
・NISAの基礎知識│金融庁
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/nisa/knowledge/index.html
・NISAと出会う6つのCOLUMN|一般社団法人投資信託協会
https://www.toushin.or.jp/nisa6column/
・NISA・ジュニア NISA 口座の利用状況調査(2019年9月末時点)|金融庁
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa/20191220/01.pdf
・20・30代の約6割が4年以上NISAを活用――「NISA」利用者アンケート│マネクリ
https://media.monex.co.jp/articles/-/13365
・NISAとは?│金融庁
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/index.html
・NISAの基礎知識│金融庁
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/nisa/knowledge/index.html
・NISAと出会う6つのCOLUMN|一般社団法人投資信託協会
https://www.toushin.or.jp/nisa6column/
・NISA・ジュニア NISA 口座の利用状況調査(2019年9月末時点)|金融庁
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa/20191220/01.pdf
・20・30代の約6割が4年以上NISAを活用――「NISA」利用者アンケート│マネクリ
https://media.monex.co.jp/articles/-/13365
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