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DATE/ 2020.06.24

確かに微妙…「茹でる」と「煮る」の違いとは?

 料理で火を通す工程には「焼く」「蒸す」「炙る」などさまざまなものがあります。中でもお湯や煮汁で火を通す工程は「茹でる」「煮る」などがありますが、はっきり何が違うのかといわれると意外と知らない人も多いのではないでしょうか。今回は「茹でる」「煮る」の違いを調べてみました。

「茹でる」「煮る」の違い

・茹でる:水やお湯で食材を柔らかくしたりアクをとること
・煮る:味つけをするために調味料を加えた煮汁で具材に火を通すこと

 調べてみると、水やお湯を使うのか、調味料を加えた煮汁を使うのか、という違いがあることが分かりました。卵を例にしてみると、水やお湯から茹でた「ゆで卵」は調味料を加えずに火を通しますが、「煮卵」は味付けした煮汁で卵にしっかり味をつけます。この違いが「茹でる」と「煮る」の違いなのです。

「茹でる」の種類もさまざま

 「茹でる」はお湯で火を通すですが、似たような工程に「ゆがく」「湯通し」などがありますよね。レシピでこうした言葉に出会ったときに「茹でるとは違うの?」と思ったことがある方もいるのではないでしょうか。その言葉の意味とともに違いを紹介していきましょう。

・湯通し
 お湯にさっと通したり、具材にお湯をかけて表面だけに火を通すこと。食材のくさみやぬめりをとったり、こんにゃくなどのアクを抜く効果があります。

・ゆがく
 湯通しよりも少し長く食材をお湯に浸すこと。野菜のアクを抜いたり、食材を少し柔らかくするための方法で、こちらも中まで火は通さないのがポイントです。地域によっては「茹でる」と同じ意味で使われることもあります。

 「茹でる」はお湯で火を通すことですが、「湯通し」「ゆがく」はより短い時間で食材に火を通すときに使う言葉だということが分かります。なお、野菜は「ゆがく」といいますが、肉や魚は「ゆがく」とはいわずに「湯通しする」というので、食材によって言葉の言い回しが違うことも覚えておきましょう。

「煮る」はさらに細かい分類も

 「ゆでる」に比べて「煮る」は料理の主流ともいえる調理法で、その種類は多岐にわたります。その中でも、普段の料理でもよく使う調理法をピックアップしてみました。

・煮込む
 食材にたっぷりの煮汁を加え、時間をかけて弱火でじっくりと煮ること。食材のうまみが煮汁に浸み出す調理法で、シチューやクリーム煮、煮込みうどんなどのメニューで使われています。

・煮詰める
 煮立たせた状態で煮汁の水分を飛ばしながら火を通すこと。煮詰めれば煮詰めるほど味は凝縮されて濃くなっていきます。代表的な料理は、芋の煮っころがしや照り焼き、佃煮など味のしっかりしたメニューが挙げられます。

・煮含める
 たっぷりの煮汁でゆっくりと煮て、火を止めてからしばらく置いておくことで食材の中までじっくり煮汁を吸わせる調理法です。和食で使われる調理法で、がんもどきや高野豆腐、野菜などでつくる含め煮など、優しい味の仕上がりになります。

 他にも、みりんや料理酒などのアルコールを飛ばす「煮切る」や、濃い味で汁が少なくなるまで煮詰める「煮付け」、香りを損ねないようにさっと沸騰させる「ひと煮立ち」など、煮ると一言で言ってもさまざまな方法があります。レシピではさまざまな表現が出てきますので、ぜひ参考にしてみてください。

<参考サイト>
・基本のキ│ハウス食品株式会社
https://housefoods.jp/recipe/kihon/
・今さら聞けない「ゆでる」と「ゆがく」、違いを知っていますか│アスレシピ
https://athleterecipe.com/column/21/articles/201904190000456
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